わたくしごとの話で恐縮ですが、
tupera tuperaのふたりとは
ずいぶん前から、ちょっとした知り合いです。
たぶん15年くらい前から。
イラストレーターの福田利之さんに
紹介してもらいました。
住んでいる家がびっくりするくらいご近所だったんです。
家族で遊びに行ったこともありました。なつかしい。
亀山達矢さんのことは「亀ちゃん」と、
中川敦子さんのことは「あつこちゃん」と呼んでいました。
当時のふたりは新人のクリエイターさんという感じで、
「いまはこういうのをつくっている」とか
「いつかこういうことをやりたい」というような夢を
たのしそうに話してくれたのを覚えています。
徐々にお会いする機会はすくなくなりましたが、
その間に何度も、
tupera tuperaの仕事を偶然目にしてきました。
絵本だったり、広告だったり。
独特な表現を持っているふたりなので、
ぱっと見ればすぐに
「あ、tupera tuperaだ」と気づきます。
目にする機会は、どんどん増えました。
そして現在。
ご存知のように、
ふたりは大人気のクリエイティブ・ユニットに。
ちょっと知り合いというだけなのに、
こういう活躍を知るとうれしいものですね。
そんなtupera tuperaが、
立川にできた複合文化施設「PLAY!」の中にある
美術館「PLAY! MUSEUM」で
第一弾の企画展をひらきます。
ほんとうだったら4月10日からはじまっていたのですが、
新型コロナウイルスの影響で、
「PLAY!」のオープンが6月以降に延期となりました。
でもtupera tuperaの企画展の会期は長めに設定されているので、
それまでにどうか、
この展示を観に行けるくらいまで、
事態が収まっていることを願います。
企画展のタイトルは「tupera tuperaのかおてん.」。
tupera tuperaといえば、やっぱり「顔」。
ご存知でしょうか、ふたりのベストセラー、
『かおノート』(コクヨ)を。
目・鼻・口などのパーツシールをペタペタ貼って
いろんな顔をつくるという、
子どもたちがおもしろがらないわけがない、
ヒットシリーズです。
tupera tuperaが表現する
「顔」をテーマにした展覧会は、
もうすっかり準備ができているようです。
こんなふうに。
ね? いいでしょう?
行きたいですよね。
来場者は「かおシール」で変身して、
作品の一部になったりできるそうですよ。
ちなみにぼくは、
tupera tuperaが描く顔は、
子どもに媚びていない感じが好きです。
ここでまた、昔の話をします。
15年前、亀ちゃんが、
ぼくの息子の将棋の相手をしてくれました。
亀ちゃんは、
小学生相手に手かげんをせず、大勝しました。
こてんぱんにやりこめました。無表情で。
負けた息子は、
大人が本気で相手をしてくれたことに
感動しているように見えました。
tupera tuperaが描く顔を見るたびにぼくは、
あの日の将棋を思い出します。
「媚びない」表現を、
子どもはちゃんと感じとっている。
ああー、たのしそう。
立川に展示されている、おもしろたのしい顔たちよ!
いまはさみしいだろうけど待ってて!
街と人が元気になったら、観に行くからね。
子どもも大人も、みんなでいくから。