ようやく見えはじめた光明。
前回お伝えしたように、私たちは、
「ほぼ日」のリニューアルに向けて、
(たいへん遅まきながら)
取り組むべき3つのテーマを発見したのです。
1つめのテーマは、「人」。
リニューアルにともなう、
「人」と「組織」の動きを変えなければなりません。
2つめのテーマは、「裏」。
検索やコンテンツ一覧といった
新しい機能を追加するためには、
ページの裏側で働く
根本的なデータベースをつくらなくてはいけません。
3つめのテーマは、「デザイン」。
新しいトップページは、大きくいうと、
「今日のダーリン」「コンテンツ」「ストア」という
3つのエリアをバランスよく配置する必要があります。
つまり、「人」と「裏」と「デザイン」の問題を
ひとつひとつ解決していかなくてはならない。
糸井重里が2006年の6月6日、
創刊8周年の日に、
「新しい『ほぼ日』をスタートさせます!」
と宣言した以上、リニューアルは
1年後の2007年6月6日から遅れるわけにはいきません。
「9周年のその日を新しいページで!」
それを合い言葉に、
というよりは切実なデッドラインとして
私たちは作業を進めていったのでした。
その、おおまかなところを振り返ってみましょう。
まずは、「人」の問題です。
こちらは、リニューアルチームから提議されたかたちで
「コンテンツを企画、編集、更新するチーム」へと
引き継がれることになりました。
何度か会議が重ねられ、
新しい役割や、新しいルールが決まっていきます。
基本的な約束事さえ定まれば、
「人」の問題はスムーズに解決されそうです。
いっぽう、「裏」の部分は、
そう簡単に話は進みません。
なにせ、「ほぼ日」の根本的なデータベースを
構築しなければならないのです。
創刊当時から蓄積された
ほぼ日のコンテンツは、まさに膨大。
それをイチから登録しなおすとなると、
そうとうな労力が‥‥。
と、案じていたところ、
すばらしい吉報が舞い込んだのです。
あったのですよ! データベースの原型が!
思わぬところに! こんなところに!
2006年11月に出版された
『ほぼ日刊イトイ新聞の謎。』という本は、
創刊当時から、すべてのコンテンツを
時系列で余さずまとめたクロニクル本。
それを製作するにあたり、
担当者のシェフとモギは、数ヵ月がかりで、
膨大なコンテンツをデータベース化していたのです。
そういえば、当時、シェフとモギは、
「もくじだけで1000行もあるよ!」
なんて言ってましたね。
ともあれ、これは非常にありがたい!
ふたりに深く感謝しつつ、
「裏」の問題は、ベイちゃんに委ねます。
そうそう、もうひとつ
ありがたかった出来事がありました。
技術面では、ベイちゃんひとりに
すべてをお任せするしかなかったこのチームに、
2月に入社したトリイが加わったのです。
トリイはデザイナーとして入社してきたのですが、
得意分野は紙や商品よりもWEB。
つまり、エンジニアのベイちゃんと、
デザイナーのぐっさんの間に入り、
両方を助ける立場で動ける人だったのです。
作業が本格化しはじめたこの時期に、
WEBデザイナーとしてトリイが加わったのは
チームにとってとてもラッキーなことでした。
よーし!
「人」の問題も、「裏」の問題も、
どうやら見通しが立ってきた!
問題がはっきりすれば、あとは解決するだけ!
この調子で「デザイン」問題も
どんどん形にしていっちゃおう!
と、意気込んだものの‥‥。
やはり「デザイン」は最後の難関。
またしても、紆余曲折がはじまるのでした‥‥。
(続きます!) |