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応援といえば、
「がんばれー!」でしょ。
それのどこが悪いんだ!
がんばらなたいね〜!
がんばりんしゃい!
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妙な博多弁にしなくていいです。
「がんばれ」は、悪くなんかないですよ。
ただ、スタート直後ではなくて
ぜひ、35km以降までとっておいてほしいんです。
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なぜだろう‥‥?
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実はフルマラソンって35kmくらいまで
「がんばらない」競技なんです。
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ふたり |
えっ?!
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がんばらんちゃよか?
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フルマラソンって
苦しいイメージがあるけど。
必死にがんばってがんばって
やっとゴール、みたいな。
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そうだよ、頭の中で
中島みゆきがリフレインだよ。
♪ファイト〜!
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それなりに練習をつんでさえいれば、
本番では30kmくらいまで走れちゃうんです。
けれども苦しいのはレース終盤なんですよ。
だから、30kmまではとにかく力を温存して、
「がんばらない」ことが大事なんです。
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そういうことかー。
がんばると後半、バテちゃうんだ。
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そう! 前半のオーバーペースのつけは
後半に必ずやってきます。
とくに前半の10kmくらいまでは
どんどん後続から追いぬかれるくらい、
「ちょっと遅いかな」
というくらいペースがちょうどいいです。
そして日本一の規模と観客数をほこる
東京マラソンにはランナーを
オーバーペースにさせる
トラップがいっぱい仕掛けられてます!
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トラップ!
落とし穴とか、水たまりとか、
さらにシッカロールがドサッ!
真っ白になったらタライがゴーン!
給水かと思ったら電気ビリビリ!
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そういうコース設定じゃないです。
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あれだね、にしもっちゃんは、
ランのことになると真面目だね。
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でも、気分としてはそういう感じかもしれないです。
意図したわけじゃないでしょうけど、
東京マラソンのコース、
ぼくには30km過ぎまでは
トラップにしかみえないんです。
だって、スタートの都庁は、
すっごい紙吹雪の中をスタートですよ!
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たしかにやりにくそう。
そして、盛り上がっちゃいそうだものね。
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気分としてはスピード出しちゃいそうだよね。
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下り基調で山手線のガードをくぐったら
そこは歌舞伎町です。
ほら、さらにテンションあがるでしょ!
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マラソンと歌舞伎町って
なんと似合わない言葉‥‥。
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西新宿から歌舞伎町の坂はけっこう下るしね。
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でしょ。
歌舞伎町も人がいっぱいです。
そこで大声援をうけながら
更に下り基調で皇居までやってくるんですよ。
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コースはたしかに楽しそうだ。
ぼくは走るのはヤだけどね。
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ランナーにとってはほんとうに楽しいコースです。
だから、それだけで舞い上がって、
オーバーペースになっちゃうんです。
どれだけ冷静にペースを保とうとしても、
銀座のど真ん中を封鎖して走るという、
この非日常空間感覚!
さらに浅草でも大声援と太鼓の音!
そしてスカイツリーが目の前に‥‥。
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なかなか冷静になれそうにないね。
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そんな場所に限って
友人や家族が観光ついでに繰り出して
応援していたりする。
まだまだレース序盤なのに、
「もう、半分まできたぞ!」なんて
テンションもあがってついついペースアップ。
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まわりの人がペースアップしてたら、
冷静にいようと思っても
なかなか難しそうだねえ。
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そして、行きはまばらだった銀座も
折り返して戻ってくるころには
ランナーの応援目当ての人だけでなく、
買い物客も増えてきますから、
ぜんぜん違う風景なんですよ。
そこでは惜しみない声援がランナーに送られます。
だから、たとえ浅草まで冷静さを保ったとしても、
新歌舞伎座を通りすぎるころには、
ついついペースアップしてしまうんです。
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新歌舞伎座あたりなら30km近くだし、
ペースアップしても大丈夫じゃないの?
30kmの壁っていうじゃない。
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よくそう言われますが、
本当の壁は35kmにあります。
ここから先の7kmは
これまでの35kmに匹敵するくらいきつい!
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うそでしょ!
「あと7キロ」って、
ふだんジョギングで走るくらいの距離じゃない?
気分的にも、楽になるんじゃないの?
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いえ、PCの向こうのマラソンランナーたちは
「西本の言うとおりだ」
と、皆、うなづいてますよ。
最後の7kmは
「距離表示が間違っているんじゃないか」
と思うくらい、
なかなか次の1kmにたどりつかないんです。
東京マラソンはすばらしい大会ですが、
唯一の欠点はそのコース設定なんですよ。
これはニューヨークシティマラソンの
ディレクターも言ってたのですが、
「シティマラソンというものは
郊外から都心に向けてスタートするものだ。
一番きついところで市民のアツい声援があるからこそ
シティマラソンなんだ。
東京はレース終盤になればなるほど
寂しくなっていく。そこが残念だね」
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にゃるほど。
なるへそー。
なーるー。
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なんか古い。
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だから、「ほぼ日中年陸上部」の
ベイちゃん応援ポイントは
レース終盤、一番のふんばりどころ、
36km地点にすることにしました。
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36kmというと、佃大橋だ。
うち、近所だよ。
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佃大橋は東京マラソンの一番の難所です。
35km過ぎてからのアップダウンと、
海風が、そうとう、体にこたえます。
その後もアップダウンはありますが、
佃大橋ほどじゃない。
武井さん、ここで「がんばれ!」ですよ!
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よし、36km地点でベイちゃんを応援だ!
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うちから応援グッズをもっていこう。
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いいですね。
ぼくもスペシャルドリンクも準備して
36km地点で手渡そう。
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おれもスペシャルドリンクつくろうか?
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どういうんですか。
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具だくさんのミネストローネとか、
あつあつのコーンポタージュスープとか、
フカヒレ入りすっぽんスープとかどう?
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たぶんそういうボケをかますと思ってました。
要りません。
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(あれ‥‥本気だったんだけど‥‥)
でもさ、すっごい人が走るでしょ。
ベイちゃん、見つけられるかな?
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大丈夫です。
ぼく、毎年、佃大橋に
スピーカーを持ち込んで
音楽をかけながら応援してるんですよ。
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誰を?
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みんなをです。
ぼくも走りたいけど抽せんにもれちゃう。
せめて当せんした人たちを応援したくて。
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いいとこあるじゃん。
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今年はベイちゃんが喜びそうな曲を準備して
かけておけば、きっと反応してくれるはず!
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山崎まさよしか、尾崎紀世彦だ!
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でも万が一ってこともあるから、
遠くからでもよくわかるように
目印となるノボリをつくろう。
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いいですね!
せっかくですから、ベイちゃんだけでなく、
参加ランナー全員に向けた言葉にしましょうか。
ちょっと考えますよ。
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言葉が決まったら
ぼくが書道二段の腕で書くよ!
「こども二段」だけど!
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東京マラソン当日は
36km地点に集合です!
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そういえば30km走の日、
大雪だったじゃない?
さすがに中止にしたんだよね。
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うん。雪で集まることができなくて。
でも、ぼくは走りましたよ!
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ジムのトレッドミルとかじゃなくて?
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ええ。雪の中、2時間きっちり走りました。
雪そのものは走らない理由にならないんです。
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なるよね‥‥。
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なるよねえ‥‥。あの大雪じゃ。
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雨のときも同じようなことを言ってたね。
おかしいよ、この人は。
みんな走ってたわけじゃないでしょー。
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さすがに砧公園を走っていたのは
ぼくと東京農大の長距離選手だけでした‥‥。
でもマラソンってコースが確保されて
運営が可能であれば、
吹雪の中でもレースは行うんです。
去年の4月に行われた長野マラソンがまさにそうでした。
ほら、見て下さいよ。これ。 |
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ホントだ。普通に走ってる!
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にしもっちゃん、これ走ったの?
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ええ。スタート前まで
「やるのか? ホントにやるのか?」
と、ランナー同士で不安だったんですが、
ふと、グラウンドをみると一人レインコートを着て
アップを始めた選手が現れて、
よくみると川内優輝選手。
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最強の市民ランナーの人だ!
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ええ。
「川内がアップしてるよ!」
「川内、やる気だ!」
と、みんなもアップを始めたんですよ。
ぼくはそれ以来、
「雪そのものは走らない理由にならない」
と、思うようになったんです。
ですから、ベイちゃんにも
「砧公園での30kmは中止するけれど、
ジムのトレッドミルで走っておくこと。
そして東京マラソンが雪になることもありえるから、
土日のどちらかは
雪の中でも外を走っておくこと」
と、伝えました。 |
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あんた鬼だな!
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「雪が降ったから、練習できないや」
と、走るのをやめてしまったら、
フルマラソンに必要な筋肉や心肺が
一気に衰えてしまいますからね。
そして、雪の上を走るといいこともたくさんあるんです。
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ポジティブシンキング!
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新雪に限っての話ですが、
アスファルトの上に新雪が降り積もると、
クッションがわりになって膝にやさしいんです。
地面からの反発がないから、脚そのものが鍛えられます。
そして体の真下で着地しないと滑って走れないから、
フォームも安定してきれいになる。
いいことづくめなんです。
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そういえば、にしもっちゃん、
あの雪のあとの青梅マラソンに出たんじゃなかったっけ。
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ええ。吹雪の中を走ってまで調整してたんですが、
青梅マラソン、中止になったんですよ‥‥。
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雪で中止になるじゃないか〜。
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あの大雪では、運営そのものが難しく、
なにより除雪もできなかった。
中止せざるをえません。
そういうこともあります。仕方ないです。
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で、東京マラソンを36km地点で応援するのはわかったけど、
ベイちゃんはどれくらいで走れそうなのかな?
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うーん。最後の走り込みができなかったのが
惜しいんですが、30kmまで抑えて走って、
後半ペースアップする走り方ができれば、
4時間から4時間15分の間で
走れるんじゃないかなと思います。
新宿ハーフマラソンの後も
「体重をあと2〜3kg落とせば
もっと楽に走れる」と、
食生活にも気をつかっていたみたいだし。
一応、水曜日に最後の追い込みで
5kmを全力で走って、
木〜土曜日はゆっくりジョグを
40分〜1時間くらいして、
体調をキープしながら、
疲労を抜いていくという予定です。
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いよいよだね!
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ノボリを作んなきゃ!
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というところで次回!
いよいよ東京マラソンレポートです! |