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小林 |
糸井さん、体重というか、
体格も変わらないですよね。シルエットも。 |
糸井 |
変わったら戻したりしてます。馬じゃないけど。 |
小林 |
ものすごく気をつけてるんですか、それは?
役者さんならわかるんだけど。 |
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糸井 |
そんなー。 |
小林 |
もう腹出てもいいとか思わないの? |
糸井 |
出たよ! |
小林 |
(笑)。 |
糸井 |
出たよぉ〜。 |
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小林 |
いや。 |
糸井 |
いや、だから、
おっとっとって思う日があるんだよ、ある日。 |
小林 |
で、そのときは絞るんですか? |
糸井 |
絞る。 |
小林 |
そういう努力ってすごいですよね? |
糸井 |
努力はそんなしない。
いい方法はないかなって考える。
飛びつくんですよ、
なんかよさそうなのがあったら。 |
小林 |
うん。多少の努力はするんでしょう? |
糸井 |
多少はするけど、
努力しなけりゃいけないようなことはあんまりしない。 |
小林 |
でも、あのぅ、最初、
ケビン山崎さんところ
行ってるときなんかも、多少、1時間は。 |
糸井 |
ああ、あれは多少の努力ですよね。 |
小林 |
ねぇ。 |
糸井 |
でも、なんだろう?
続くか続かないかっていうことについて、
結構諦めがあるよね、俺はね。
薫ちゃんとちがって。 |
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小林 |
あ、これは続かないんだとか? |
糸井 |
うん。だから、
どこで飽きるんだろうっていうのは、
ものすごく早くから思ってます。 |
小林 |
うん。 |
糸井 |
始めて、あ、おもしろい! と思ったときに、
どうしてこんなにおもしろいのに、
俺って飽きるんだろうな?
っていうのを、もう既に思ってますね。 |
小林 |
ふぅーん。 |
糸井 |
で、飽きたときの覚悟はしながら、
もっと何がおもしろいんだろう? とか、
あんまり興味を持ちすぎないようにしようとか。 |
小林 |
でも、かなりスケベですよね。 |
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糸井 |
スケベだ。 |
小林 |
「もっと」っていうふうに。
もっとおもしろいものがあるって思うんだよね。 |
糸井 |
それはスケベですよ。 |
小林 |
ねぇ。 |
糸井 |
うん。 |
小林 |
僕は、どこかおもしろいところが
あるっていうふうに
思わないわけじゃないんだけど、
ちょっと方向が違うのは、
「おまえが飽きるとか
飽きないとか言うんじゃない!」
っていうぐらいに
自分に言い聞かせるところあるんですよね。 |
糸井 |
あぁー。 |
小林 |
「そんな学びの最中に
おまえが判断するんじゃない」って。 |
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糸井 |
(笑)それは、だから、
状況劇場みたいなところにいたからだよ。 |
一同 |
(笑)。 |
糸井 |
俺はそういうことが全部いやだから。 |
小林 |
うーん。 |
糸井 |
あのぅ、なんか命令されるのが
とにかくいやなんだよね。 |
小林 |
それは自分にっていうか、
僕も命令っていうかね、
命令っていうと違う話になるんだけど、
なんていうかな?
わからないことなのよ。
とすると、自分の体も
わからないことが多すぎるんですよ。 |
糸井 |
うーん。うん。 |
小林 |
そうすると、あ、これって?
っていうようなことが、
なんか気持ちいいこととかっていうことも含めて、
ちょっとまだわからないことがあるな、とか。
で、大変とか思ってるんだけど、
それは角度を変えたら、
辛くないんじゃないかな、とか。 |
糸井 |
だから、薫ちゃんは、
探求していきたいタイプなのよ、深く。
で、俺は快適を求めてるだけなの。 |
小林 |
うん。 |
糸井 |
だから、一番気持ちいいことは何かな?
で、掘り下げてったら
気持ちいいのかなっていうときには、
掘るっていうことはしてみるの。
だから、全部、だから
その都度スタイル全部違うんですよね。
案外飽きっぽいと言ってる割には
続いてることは続いてるんですよ。 |
小林 |
うん。 |
糸井 |
だから、「ほぼ日」なんていうのは、
「1日も休まないで12年やれ」って言ったら、
誰もしないよね。 |
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小林 |
うん。 |
糸井 |
で、それはやれるんですよ。
で、だいたいのことは、飽きるんですよ。 |
小林 |
でも、だいたいみんな
そうなんじゃないですか。だいたい。 |
糸井 |
いや、たいがいまぁ、そうだけどね。
で、それは最初からそういうつもりでいて、
飽きるってなんで飽きるんだろうなあ?
っていうことに興味を持つんですよ。
他の人もそうだから。 |
小林 |
あぁー。いや、僕もみんなここにいる人も、
だいたいほぼ何かについては飽きていて、
続いてるのっていうのは、本当に
「ほぼ日」みたいに、
自分の仕事になっているようなこととか、
お料理だとか、なんかそういう
かろうじて持続してるものがあるだけで、
あとはやっぱりみんな飽きてるんじゃないかなぁ? |
糸井 |
だから、「これが一番いい」って
言ったはずのものに飽きてるんですよ。 |
小林 |
ああ、ああ。 |
糸井 |
だから、じゃあ、
「これが一番いい」って思ったのは
嘘かっていうと、嘘じゃないじゃないですか。
「一番いい」ばっかり言ってるのに、
どんどん飽きていくっていうことが、
とても興味のあることなんですよね。 |
小林 |
脳みそはやっぱり快楽を求めるんですかね? |
糸井 |
そうだと思うねぇ。
で、同じ繰り返しになると、
そこから進化しなくなるっていうか、
そこで安定するって、「死」じゃないですか。 |
小林 |
うん。 |
糸井 |
超安定っていって、
1個も動かなくなることだし、
「死」だと思うんですよ。
だから、生きたいっていうことと
飽きるっていうことは同じ。 |
小林 |
別にそれは反論ないんですけども、
保守的なことっていうのは、
人間につながってることじゃないですか。 |
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糸井 |
安全を確保するとかね。 |
小林 |
みんな革新的なことを求めてたら、
だいたい死んでますよね? |
糸井 |
うん、そうですね。
冒険だけで生きていけないですからね。 |
小林 |
生きていけないじゃないですか。
だから、非常に僕、思うんだけど、
人の中で快楽だけを求めてるっていうだけの
精神じゃないものが
絶対に人の中には含まれてるから。 |
糸井 |
もちろんですよ。 |
小林 |
このへんはちょっと見直すっていう手も
あるなとは思うんですよね。 |
糸井 |
もちろんですよ。だから、僕なんか、
「俺は保守だ」って宣言してるシーンは
しょっちゅうあるね。 |
小林 |
うん。 |
糸井 |
「俺はそんなの別に新しいもの要らない」とか。
だから、混ざってるんだ。 |
小林 |
ボディって保守ですよね? |
糸井 |
そうですね。基本的に保守ですね。 |
小林 |
脳みそがどちらかといったら革新的というか。 |
糸井 |
そうだろうね。うん。 |
小林 |
勝手に自由なこと妄想するし。
なんですけど、わりと、
頭のほうが世の中のこと
ちゃんとわかってなくて、
体のほうがちゃんと知ってる。
寒い時期にはこうだというのを
体のほうが勝手に判断して反応してますよね? |
糸井 |
だから、そっちの言うことを
どれだけ聞けるかみたいなのは、
逆にいうと、今の常識からいうと、
冒険に思われたりするんですよね。 |
小林 |
うーん。 |
糸井 |
あのぅ、たとえばの話、
風邪引いたとき、病院に行かないって
冒険に聞こえるんですよね、今だと。 |
小林 |
うんうん。 |
糸井 |
でも、実はずっとそうやってきたわけだから、
自然治癒力でしか治せないっていうのは確かだから、
冒険じゃなくて実は保守なんですよね。 |
小林 |
うん、うん、うん。 |
糸井 |
みたいなことを、どっちかなぁ?
っていうのは、その都度考えるんだと思うんですよ。
で、そう言ってた俺が病院に行くんですよ、きっと。 |
小林 |
どっかでね? |
糸井 |
「昔、だって行かないって言ったじゃない」
って言ったときに、
「じれったかったんだよ」っていう答えが
あるかもしれないじゃない?
で、その新しい考え方を
自分の中から出てくるのを
待ってるみたいなところがあって。
「何、それ?」っていうのを
自分で聞いてるんじゃないかな?
だから、でたらめですよ、結構。 |
小林 |
うん、うん。 |
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(つづきます) |