みなさんから寄せられた
犬猫エピソードを、
毎日すこしずつご紹介します。
今年7月の松本ひで吉さんと糸井の対談で、
読者の「犬猫エピソード」を募集したところ、
なんと約600通ものご応募がありました。
どうもありがとうございました。
すべて大切に読ませていただきました。
こちらのコンテンツでは
編集チームおすすめの32のエピソードを、
毎日すこしずつご紹介していきます。
各賞の発表は最後にお知らせしますので、
どのエピソードが受賞するのか、
一緒に予想しながら読んでみてくださいね。
はたして「松本ひで吉賞」は誰の手に!
犬と猫。
よく水と油のようにも表現されますが、
飼い主を心配するきもちはどちらも同じ。
3人の飼い主さんから、
偶然にも同じようなエピソードが届きました。
12歳になるわが家の犬は、
私が風邪で寝込んでいると、
自分のドッグフードを枕元に運んでくれます。
頭をなでながら「ありがとう」と言い、
もちろん食べないでそばに置いておきました。
翌朝、目を覚ましてみると、
口の中にゴロっとした感覚があったので
「え、歯が抜けた?!」と
ビックリしながら吐き出してみると、
なんとドッグフードだったのです。
私が口を開けて寝ている間に、
犬が口にドッグフードを入れてくれたのです。
横でうれしそうにしっぽを振るワンコ。
もう、涙が出ました。
(m)
わが家の猫、茶トラのこたろう。
遊びたい、甘えたい盛りの1歳です。
今年の1月、
私はインフルエンザでダウンしてしまい、
ベッドの中で寝たまま過ごしていました。
そこにゴロゴロ言いながら、
いつものように遊びに誘ってくるこたろう。
発熱に耐えられない三十路の飼い主は、
こたろうにご飯をあげるのがやっとでした。
その日の夕方になり、
すこし楽になったので体を起こしてみると、
枕元に猫用のキャットフードが3粒。
「食事もとれない飼い主のために!」と、
こたろうのやさしさに感動しておやつを奮発。
しかし、よーく見てみると、
そのキャットフードのうち2粒は、
こたろうが嫌いな治療用フードでした。
あまりの現金さに遠い目になりました‥‥。
(おこた)
私は犬でお酒をやめました。
昔、たくさんお酒を飲み、
グデングデンになって帰宅した夜のこと。
トイレとお布団を何往復かして、
ウツラウツラと寝ていたら、
何か固いものがほっぺに当たりました。
何かと思って目を開けてみると、
飼い犬が私の顔に
犬用ガムを乗せようとしていたのです。
思わず「こら!」と起き上がると、
いつの間にか枕元のまわりには
ドッグフードの粒がいくつも落ちていました。
それどころか、
ヨダレまみれの犬用オモチャや、
かじりかけのお気入りの骨も‥‥。
気づかぬうちに彼の全財産が、
寝ている私のまわりに運ばれていたのです。
そして私の顔を心配そうに見つめる犬。
「宝物を全部あげるから、早く元気になって」
「ごはん食べたら元気になりますよ」
と言われていたことに気がつきました。
「心配してくれていたんだ」と、
犬のやさしさに感動したと同時に、
勘違いして怒ってしまったことを後悔。
それ以来、私はお酒は極力飲まなくなりました。
自分の宝物をわけ与えるほどの大きな愛が、
犬にはあるんですよね。
(ぽ)
明日につづきます。
2019-10-26-SAT
©HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN
「ドコノコ」は、犬や猫と人が、
親しくなるためのアプリです。
写真をとって、ちょっとコメントつけて、
アプリのなかの「本」として育てていきます。
「ドコノコ」をたのしんでいる人が増えていくと、
紹介される犬や猫もたくさんになってきます。
いずれは、だんだん世界中の犬や猫が、
「知り合い」になっていくはずです。
知らないコよりも、知ってるコのほうが、
なんとなく親しみを感じますよね。
人が、たがいに知りあいになるように、
犬や猫どうしが、知りあっていくんです。
あのコ、どうしているのかな。
うちのコ、このごろこんな感じなんだよ。
「このエリアで、迷子になったコがいます。
みなさん、ご協力をお願いします」
なんていうときにも、お役に立てます。
「避難所ガイド」の地域をえらんで、
それぞれの犬や猫を登録しておくしくみなので、
だいたいの地域だけがわかるんです。
知ってるコ、親しみを感じているコのことなら、
より探しやすいですよね。
あと、人間のいざというときの避難場所も、
意識しておけるのは、あんがい大事ないいところ。
家族が決まってない猫なんかも、
お世話している人が登録しておけば、
めんどうみやすくなります。
知ってる猫、知ってる犬になると、
なんとなく気にかけてもらえるようになる。
よそのコのことも、もっとかわいくなりますよね。
新しい犬や猫の写真が出てたら、
そこにいる人が元気でやってるなとわかります。
とにかく、犬と猫が、いつもいっぱい見られます。
家に犬や猫のいない人が、たくさん見ています。
「うちのコ」みたいな気分になったりするそうです。