みなさんから寄せられた
犬猫エピソードを、
毎日すこしずつご紹介します。
今年7月の松本ひで吉さんと糸井の対談で、
読者の「犬猫エピソード」を募集したところ、
なんと約600通ものご応募がありました。
どうもありがとうございました。
すべて大切に読ませていただきました。
こちらのコンテンツでは
編集チームおすすめの32のエピソードを、
毎日すこしずつご紹介していきます。
各賞の発表は最後にお知らせしますので、
どのエピソードが受賞するのか、
一緒に予想しながら読んでみてくださいね。
はたして「松本ひで吉賞」は誰の手に!
きょうは犬が主役というより、
犬と暮らす家族が主役のエピソードを2本。
ハスキー犬のマネをする2歳の娘と、
捨て犬に不思議な名前をつけた母の話です。
まだろくにしゃべれもしない2歳の娘。
お友達におもちゃをとられたときに、
「ウーッ、ヴーッ、ブーッ」と
低いオオカミのような唸り声を出して、
お友達を威嚇していました。
一緒に暮らしているハスキー犬が、
おもちゃを取り上げられそうなときに
唸っている姿を見て覚えてしまったようです。
「このままでは現代のオオカミ少女になってしまう」
と焦ったこともいまではたのしい思い出です。
そんな娘も28歳になり、
いまでは唸り声を出すことなく、
相手と交渉できるようになりました。
(ままどんどん)
私が6歳のとき、
愛犬のロンが家にやってきました。
雪のふる寒い日に
近所で捨てられていたようで、
当時家族で住んでいた家の前で
震えていたところを発見しました。
生後半年も経っていなかったと思います。
家族ではじめて飼うペットなので
「名前をどうしよう」と、
ワクワクしたことをよく覚えています。
でも、気がついたら母が考えた
「ロン」という名前に落ち着いていました。
そのあと私は高校生になり、
ロンもシニア犬の仲間入りをした頃、
ふと母に「ロン」という名前の由来を
尋ねてみました。
すると母がこう答えました。
「あのとき、いまの家を建ててる途中だったでしょ。
だからローンのことがずっと頭にあって‥‥」
そう、家のローンが名前の由来だったのです。
おそらく人生で一番大きな買い物をした直後に、
予想外に訪れたペット。
部屋ですやすや眠る子犬を見つつ、
どうしようかと机に目を落とすと、
そこにはローンの明細書が‥‥。
不安な気持ちはわかりますが、
「そこから名前をもらう?!」と、
当時はなかなかの衝撃を受けました。
そんな住宅ローンのスタートと、
ほぼ同時にやってきた愛犬ロンは、
新しい家の入居初日に玄関の壁紙を噛みちぎり、
母を発狂させていました(笑)。
ロンの噛みクセは成長とともにおさまり、
やさしいロンはかけがえのない家族として、
私の高校卒業前までがんばって生きてくれました。
ロンが亡くなったとき、
一番泣いていたのは母でした。
「ロンに会いたい」といまでもよく口にします。
もうすぐ家のローン返済が終わるそうですが、
玄関の壁紙はいまも破れたままです。
(づか)
明日につづきます。
2019-10-27-SUN
©HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN
「ドコノコ」は、犬や猫と人が、
親しくなるためのアプリです。
写真をとって、ちょっとコメントつけて、
アプリのなかの「本」として育てていきます。
「ドコノコ」をたのしんでいる人が増えていくと、
紹介される犬や猫もたくさんになってきます。
いずれは、だんだん世界中の犬や猫が、
「知り合い」になっていくはずです。
知らないコよりも、知ってるコのほうが、
なんとなく親しみを感じますよね。
人が、たがいに知りあいになるように、
犬や猫どうしが、知りあっていくんです。
あのコ、どうしているのかな。
うちのコ、このごろこんな感じなんだよ。
「このエリアで、迷子になったコがいます。
みなさん、ご協力をお願いします」
なんていうときにも、お役に立てます。
「避難所ガイド」の地域をえらんで、
それぞれの犬や猫を登録しておくしくみなので、
だいたいの地域だけがわかるんです。
知ってるコ、親しみを感じているコのことなら、
より探しやすいですよね。
あと、人間のいざというときの避難場所も、
意識しておけるのは、あんがい大事ないいところ。
家族が決まってない猫なんかも、
お世話している人が登録しておけば、
めんどうみやすくなります。
知ってる猫、知ってる犬になると、
なんとなく気にかけてもらえるようになる。
よそのコのことも、もっとかわいくなりますよね。
新しい犬や猫の写真が出てたら、
そこにいる人が元気でやってるなとわかります。
とにかく、犬と猫が、いつもいっぱい見られます。
家に犬や猫のいない人が、たくさん見ています。
「うちのコ」みたいな気分になったりするそうです。