石川 |
こんにちは、糸井さん。 |
エリック |
こんにちは! |
糸井 |
お忙しいところ、すみません今日は。 |
石川 |
いえいえ、こちらこそ。 |
糸井 |
このあいだ、ABC(青山ブックセンター)でやった
トークショーを聞いて、
なんか‥‥応援したくなっちゃったんです。
おふたりの、こんどの写真集を。
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エリック |
ありがとうございます! |
糸井 |
まぁ、こうして「ほぼ日」に出ることで
応援になるのかどうか‥‥わかりませんけど、
ええーっと、出てください(笑)。 |
石川 |
よろしくお願いします(笑)。 |
糸井 |
ぼくはね、それぞれに持ち味のちがう
写真もそうなんだけど‥‥
あのトークショーでいちばん感心したのは、
一生懸命になって
ふたりが「売ってた」ってことなんです。 |
石川 |
ああ‥‥即売会みたいに(笑)。 |
糸井 |
本気で、売ってたじゃないですか。 |
エリック |
だって、売れば見てもらえるから。 |
糸井 |
それが、めちゃくちゃかっこいいなあと思って。 |
エリック |
せっかく写真集を出せたんだから、
やっぱり少しでも多くの人に
見てもらいたくてしょうがなくて。 |
糸井 |
そうだ、そうだ。 |
エリック |
ボクの気持ちとしては
3000円とかでもよかったんですけども‥‥
でも、それじゃあやっぱりネ。 |
糸井 |
3000円じゃダメだよ!(笑)
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石川 |
定価は8000円ですからね。
※エリックさんの『中国好運』は
税込価格 8,166円 です。 |
エリック |
ボクは、安くてもいいと思ったけど、
でも、それだとやっぱり
出版社の経営とかも‥‥ありますし。 |
石川 |
まぁ‥‥ぼくは、エリックのこういう
「見てほしい」「買ってほしい」って気迫に、
かなり、引きずられてたんですけど(笑)。 |
エリック |
アハハハハ(笑)。 |
糸井 |
負けちゃいられないってことで。 |
石川 |
ぼくひとりだったら、
絶対、ああはならなかったと思います。
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糸井 |
うん。でも、よかったと思う。 |
石川 |
ええ、みなさんに買ってもらえましたから。 |
糸井 |
たくさん売れたってこともよかったし、
「売れなくてもいいや」じゃない石川直樹を
きちんと見せたってことも、
石川さんにとって、すごく正しいことだよね。 |
石川 |
ああ‥‥そうですね。 |
糸井 |
いやね、いまのエリックみたいに
一生懸命「買ってほしいんです!」って言うの、
なかなか、めずらしいというかさ。 |
石川 |
はい(笑)。 |
糸井 |
むしろ「売れるというよりも‥‥」とかって
言っちゃいがちじゃないですか、みんな。 |
石川 |
ええ、ええ。 |
糸井 |
だから「別に売れなくてもいいや」って
本気で思ってるんなら構わないんだけど、
そうじゃないなら、
コンテンツをつくる人たちが、
「売れなくてもいい」って言いすぎてると思った。
あのときの、ふたりの姿を見てたら。 |
エリック |
見てほしいからねぇ写真。ボクは。 |
糸井 |
その気持ちが、すごく伝わってきたんです。
しかも、けっこう経費かかってるわけじゃない、
おふたりの場合(笑)。 |
エリック |
かかってますねぇ〜(笑)。
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糸井 |
そして「原価割れ」してるじゃないですか。 |
エリック |
アハハハハ、してます(笑)。 |
糸井 |
あのトークショーのときに、
「こんどの写真集には
ものすごくお金がかかってるんだ」って、
話してたでしょう? |
石川 |
ええ、はい。 |
糸井 |
その話に、ほんと感動したんです。 |
エリック |
そう? |
糸井 |
うん、あれだけ「裸」になれなきゃ
ダメだよなぁオレたちって、
あらためて、思わされたというかね。 |
石川 |
‥‥実際、裸になってましたし。エリック。 |
糸井 |
‥‥なってた(笑)。 |
石川 |
「買ってくれるなら裸になります!」って。 |
糸井 |
文字どおり「裸」に。ABCで(笑)。 |
エリック |
今まで脱いだ人いませんでしたからね。
ABCで。 |
石川 |
いないいない! いないよ(笑)。 |
糸井 |
いないよねぇ〜(笑)。 |
エリック |
アハハハハ。
まず脱ぎたくならないですから、本屋で。 |
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石川直樹『VERNACULAR』(赤々舍刊)より |
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エリック『中国好運』(赤々舍刊)より |