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アーカイブ 2009/07/26
 
レシピその96
野菜の辛口ペースト
〜イタリアの会話の楽しさ〜


暑い日、近所のお祖父ちゃんと
ミネラルウオーターのビンを抱えた
お孫さんがこんな会話をしていました。

「ビンの水だけでは満足できない
 のど乾きさんは、
 プールの中に投げ入れてしまおうかね」
「プールの水をぜんぶ飲んでも、
 おしっこしたら
 また、のどがかわいちゃうよ」

ふたりがじゃれ合いながら
楽しんでいるようすが伝わってきて、
なんともほほえましく
思わず聞き耳を立ててしまいました。

イタリアの子どもたちは大人になったときに、
しゃれやウイットに富んだ
会話のやりとりを楽しめるように
育てられていきます。
大人が子どもに対して話すときは、
しつこいと思えるほど、
突っ込んだり、まぜっかえします。
イタリアに来たばかりの頃は、
そのようすを見て、
「なんて意地の悪いかわいがりかたを
 するのだろう」と思っていました。
でも今では、あの言葉の投げかけは、
子どもに「言葉を交わす楽しさ」や、
「アイディアを練りながら会話するって楽しい」
といったことを授けてくれるものなのだ、
と思っています。
そして、当時の自分を思い出し、
そんなやりとりができていたら、
もっと楽しめただろうに、とも思います。

「ああ言えば、こう言う」
「こう来たら、こんなふうに返す」
そんな会話のやりとりの根底には、
愛情や信頼があります。
イタリアの学校は、
授業でコミュニケーションを学びますし、
口頭試験が頻繁に行われます。
自分の考えや答えを口頭で伝えることは
私の年代の日本人にはとても難題です。
一朝一夕にはいかないものですし、
方法を学ぶよりも先に、
自分の考えや相手を思う気持ちを
持つことが大切だなあ、
と思ったりします。

私は日本人の友人と「ああ言えば交友会」を作って
日々鍛錬していますが、
イタリア人と同等になる日はいつ来ることでしょう。

さて、今回ご紹介するレシピは
前回ご紹介した「野菜のトマト煮甘酢味」の続きです。
「野菜のトマト煮甘酢味」をたくさん作って、
ひと手間かけてペーストにしておくと、
たいへん重宝です。
どうぞ、お試しくださいね。

野菜の辛口ペースト

材料やレシピは前回の「野菜のトマト煮甘酢味」
ご参照ください。
「野菜のトマト煮甘酢味」が完成してから
以下の方法でペーストを作ります。


■追加の材料

トマト:大2個(小さい場合は7個)
塩:適量
鷹の爪か生唐辛子:お好みの量で
※生唐辛子を使うと、甘さのある辛みになります。
 干した鷹の爪を使うと辛さが先にたちます。
 お好みでどうぞ。


■作り方

(1)トマトをさいの目切りにして、
「野菜のトマト煮甘酢味」に入れます。
量は全体が軽く隠れるくらいです。
※トマトピューレでも代用できます。
 そのときも全体が隠れるくらいの量を入れてください。




(2)塩と好みの分量の鷹の爪か生唐辛子を入れて
中火で10分間煮る。



(3)(2)の間は、焦がさないように、
様子を見ながら水を少しずつ加える。



(4)また、かきまぜるときは、
野菜をつぶしながらまぜる。



(5)漉す。
※目の粗いざるを使ってもよい。



(6)ペーストが出来上がりました。
煮沸消毒したビンに詰めて、
以前ご紹介した「トマトの保存食」の方法で、
煮沸を20分間する。





常温で保存できますが、
フタを開けたときは冷蔵庫に入れてください。
パスタ、リゾット、カナッペなど、
いろいろと利用範囲が広いペーストです。
お豆腐があるときは、
お豆腐ステーキのソースにもよいと思います。
使うときは、そのままでも
またオリーブオイルで延ばして
好みの辛さにするのもよいです。
まろやかな辛さを楽しんでくださいね。


 
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