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暑い日、近所のお祖父ちゃんと ミネラルウオーターのビンを抱えた お孫さんがこんな会話をしていました。 「ビンの水だけでは満足できない のど乾きさんは、 プールの中に投げ入れてしまおうかね」 「プールの水をぜんぶ飲んでも、 おしっこしたら また、のどがかわいちゃうよ」 ふたりがじゃれ合いながら 楽しんでいるようすが伝わってきて、 なんともほほえましく 思わず聞き耳を立ててしまいました。 イタリアの子どもたちは大人になったときに、 しゃれやウイットに富んだ 会話のやりとりを楽しめるように 育てられていきます。 大人が子どもに対して話すときは、 しつこいと思えるほど、 突っ込んだり、まぜっかえします。 イタリアに来たばかりの頃は、 そのようすを見て、 「なんて意地の悪いかわいがりかたを するのだろう」と思っていました。 でも今では、あの言葉の投げかけは、 子どもに「言葉を交わす楽しさ」や、 「アイディアを練りながら会話するって楽しい」 といったことを授けてくれるものなのだ、 と思っています。 そして、当時の自分を思い出し、 そんなやりとりができていたら、 もっと楽しめただろうに、とも思います。 「ああ言えば、こう言う」 「こう来たら、こんなふうに返す」 そんな会話のやりとりの根底には、 愛情や信頼があります。 イタリアの学校は、 授業でコミュニケーションを学びますし、 口頭試験が頻繁に行われます。 自分の考えや答えを口頭で伝えることは 私の年代の日本人にはとても難題です。 一朝一夕にはいかないものですし、 方法を学ぶよりも先に、 自分の考えや相手を思う気持ちを 持つことが大切だなあ、 と思ったりします。 私は日本人の友人と「ああ言えば交友会」を作って 日々鍛錬していますが、 イタリア人と同等になる日はいつ来ることでしょう。 さて、今回ご紹介するレシピは 前回ご紹介した「野菜のトマト煮甘酢味」の続きです。 「野菜のトマト煮甘酢味」をたくさん作って、 ひと手間かけてペーストにしておくと、 たいへん重宝です。 どうぞ、お試しくださいね。
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