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水に浮かびました。 |
板尾創路さんは、
スピリチュアルリラクゼーションサロンECCOで
1時間半、水に浮く体験を終えて
外に出てきました。
板尾さん?
「‥‥‥‥」
板尾さん、どうでした?
途中で出たくなりませんでしたか?
クルクル回転しましたか?
「時間感覚がわかりません」
ちゃんと1時間半、経っています。
「‥‥30分強くらいのイメージやわ。
寝てたんか寝てないんかも、わかりません。
後半、一瞬意識がなかったような気がすんねんけど
定かではない」
定かではない。
「最初は水に対して
どう身をゆだねたらいいかわからんかったけど
確実に浮くことは浮くから、
そのうち体勢が安定してきました。
シェルを出たとき、重たい感じがした。
重力って重かったんや」
そうなんですか!
宇宙飛行士みたいな発言ですね。
クルクル回る感じはありました?
「おお、あったあった。
最初“ないやん”って思って
自分でヒュッと(頭のほうをまわす)
イメージしてみたら」
ご自分で。
「回り出した。回ってないやろうけど、回り出した。
真っ暗やし、
自分が入ったのは箱の形のいれものなはずなのに
丸に感じてきて、
だんだんと広いとこにいるような感じがした。
そうなったらもう、
どっち向いてるのかもわからへん。
広さも何もわからへん」
へえええええ。
心臓の音は聞こえましたか?
「まずはやっぱり、自分の息が聞こえました。
心臓の音というより
頭のうしろで何かが流れる音がしたなぁ」
それ、髄液ですよ。
「髄液か」
板尾さん、
生まれたままの顔になっていますよ。
そんな板尾さんに、
最近何をしているのか訊いていいですか。
「ええよ」
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板尾さん、最近何やってるんですか。 |
「何かやってみたいことはありますか、
と訊かれたので、
今日は水に浮いてみたいと思いました。
このシェルと同じものが、以前は大阪にもあったので、
人から話は聞いていたんです。
こないだ雑誌の対談で
ピエール瀧さんから“東京にあるよ”と聞き、
“あんねや!”と思って、来ることにしました。
ほんまに好奇心からです」
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何がしたいんですか。 |
「いまの気持ちは、
ぜんぶ終わったなぁ、という感覚です。
体が傾いたらこのままドーン! と行きそうです。
骨がはずれたみたいになってる。
‥‥急に曲がられへんわ。
まっすぐは行けるけど、急に曲がられへんわ。
曲がるときは前もって“もうすぐですよ”と
言うといてください」
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板尾さん、どこに行くんですか。 |
「いま、どんなかんじのしあがりなのか
わからないので、
どこに行くのかわかりません。
でも‥‥“いまから仕事”やったらきついな。
もう無理やわ。
素直なことは言えるかもわからんけど、
いま小むずかしいことは無理やわ」
フローティングシェルは、
すべての緊張から解放されてリラックスし
自分の素の状態になるためのものなんですから、
素直なのは狙いどおりじゃないですか、と
心の奥で思いましたが、
このコンテンツは板尾さんを
ひたすら見守るという主旨です。
ここはダンマリを決め込みます。
「ちからがますます抜けてきたわ。
ほんま、ぬいぐるみになった気分や。
あ‥‥これは、整体に行ったときと似てるかも」
水に浮くことで、
体が整うのかもしれませんね。
「やっぱり力入ってんねやな、
ふつうに生きてるだけで」
サロンの方によれば、
“生きているだけで力が入っている”
ということを実感できるだけでも、
かなりちがうのだそうです。
明日から、板尾さんの重力の生活に
少しでもよいきざしが
あらわれるといいですね。
この、道を曲がれない体のまま、
板尾創路さんはお帰りになりました。
これで、今回の
「板尾創路の何がしたいねん」
を終了します。
今度また、板尾さんが
何をしてるんですか、という
状況になっているときが来るでしょうか、
きっと来るでしょう、
近いうちに来るといいと思います。
そうしたら、「ほぼ日」はふたたび
板尾さんを訪ねていきたいと思います。
カメラを持って
「最近何やってるんですか」と訊きに。
それではみなさん、またあう日まで。
短い間でしたが、ご愛読ありがとうございました。
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