なぜ私が地下アイドルをやり始めたかというと、
色々理由はあれど1番の根っこには
『自分嫌いな私』を変えたい気持ちがあったと思う。
小学校高学年でクラスの特定の男子に
「ブス」と言われてから、
全く自分に自信がもてなくなった。
男の子と話すのが怖くなり、
高校にあがるまで男子に話しかけられても無視していた。
ほんとは話したいけど、
また傷つくのが嫌で喋る勇気がなかったのだ。
ちなみに小学校時の愛読書は、
五木博之さんの『生きるヒント』。
いまも好きな作家さんだけど、
小学生にしてはなかなか重い本を読んでいたと思う。
それぐらい毎日生きづらかった。
高校になってからは環境や友達にも恵まれ、
10キロのダイエットに成功し、
性格も少しづつ明るくなってきた。
でも相変わらず根っこの部分では自分に自信がなかった。
例えば友達に「遊ぼう!」とメールを送って返信が来ないと、
私がつまらない人間だからかな?とネガティブに捉える。
なにかひとつでも自分に自信を持ちたくて
悶々としているとき、
友達から地下のライブ出演に誘われた。
そこで生まれて初めて、ちやほやを経験したのである。
今まで表舞台に立ったことがなかったので、
それは素直に嬉しく、
またなんでもありの地下の場では
お笑いをやってみたり、ダンスしたり、
大喜利をしたりとカオスな感じも楽しかった。
しかし地下アイドルを始めてからしばらくしても、
私の歌と踊りは一向に進化しなかった。
上達する喜びがなく、なんの為にやっているのか
惑い始めたとき、
友達にとあるオーディションを紹介された。
それは『アイドル声優オーディション、
合格すればメジャーCDデビュー!』
といったもので、声優は憧れていた職業だったし、
現状を変えるきっかけになるかもと
軽い挑戦の気持ちで臨んだ。
それがまさか、最終選考まで進んだのである。