オーディションの最終課題は無事終わり、
応援のおかげで決勝へ進むことが出来た。
残念ながらグランプリの座は逃したけど、
メジャーCDに参加出来ることになり、
様々なアイドル活動をさせてもらった。
地方から週末東京に出るといった大変さもあり、
相変わらず歌も踊りも下手だったので苦労が多かったけど、
挑戦の場が増えて色々と新鮮で楽しかった。
でも当時を振り返って、本当にアイドルになりたくて、
それが好きでやっていたのか?と思うと、
100%そうでもなかった。
自分の頑張りを見てもらえる素敵な場ではあったけど、
それよりも鮮烈に思い出すのは、
あの最終オーディションの
ニコニコ生放送での感情のうねり、高揚感だった。
例えるならば、野球そのものよりも
甲子園という特別な場に魅了されたようなものだと思う。
自分がその時々で夢中になっていることに全力で頑張る。
気がつけばボーナストラックのように、
応援してくれる人や仲間が出来ている。
自分を少し好きになる。
その過程そのものが好きになったのだ。
あのとき小さな成功体験を与えてもらったおかげで、
人生に対してだいぶ前向きにもなれた。
いまは全く形を変えているけれど、
はたから見ればしょうもないことに人を巻き込み、
当時と同じように熱中していたりする。
それは大体春ごろに発作的に訪れるのだけど、
これを書くにあたり日記を読み返すと、
あのオーディションのスタートやその後の一大イベントは、
全部開始時期が春だった。
もう身体にサイクルが刻み込まれているのかも知れない。
そんな自分になれたのは、自分の少しの勇気と、
あの時応援してくれたファンのひとたちの
後押しのおかげだと心の底から思える。
私の人生を変えてくれて、
ありがとうと伝えたい。
これからも自分の好きなことを楽しみ尽くしていきます。
たまに誰かの背中を押せたら、もっと嬉しいな。