もくじ
第1回アンダーグラウンドな世界 2016-06-02-Thu
第2回初めての表舞台 2016-06-02-Thu
第3回私の中の甲子園 2016-06-02-Thu
第4回返礼状 2016-06-02-Thu

都内で
働いています。
テクノロジーと
猫が好きです。
つぶやき

第4回 返礼状

オーディションの最終課題は無事終わり、
応援のおかげで決勝へ進むことが出来た。

残念ながらグランプリの座は逃したけど、
メジャーCDに参加出来ることになり、
様々なアイドル活動をさせてもらった。

地方から週末東京に出るといった大変さもあり、
相変わらず歌も踊りも下手だったので苦労が多かったけど、
挑戦の場が増えて色々と新鮮で楽しかった。

でも当時を振り返って、本当にアイドルになりたくて、
それが好きでやっていたのか?と思うと、
100%そうでもなかった。

自分の頑張りを見てもらえる素敵な場ではあったけど、
それよりも鮮烈に思い出すのは、
あの最終オーディションの
ニコニコ生放送での感情のうねり、高揚感だった。

例えるならば、野球そのものよりも
甲子園という特別な場に魅了されたようなものだと思う。

自分がその時々で夢中になっていることに全力で頑張る。
気がつけばボーナストラックのように、
応援してくれる人や仲間が出来ている。
自分を少し好きになる。
その過程そのものが好きになったのだ。

あのとき小さな成功体験を与えてもらったおかげで、
人生に対してだいぶ前向きにもなれた。

いまは全く形を変えているけれど、
はたから見ればしょうもないことに人を巻き込み、
当時と同じように熱中していたりする。

それは大体春ごろに発作的に訪れるのだけど、
これを書くにあたり日記を読み返すと、
あのオーディションのスタートやその後の一大イベントは、
全部開始時期が春だった。
もう身体にサイクルが刻み込まれているのかも知れない。

そんな自分になれたのは、自分の少しの勇気と、
あの時応援してくれたファンのひとたちの
後押しのおかげだと心の底から思える。

私の人生を変えてくれて、
ありがとうと伝えたい。

これからも自分の好きなことを楽しみ尽くしていきます。
たまに誰かの背中を押せたら、もっと嬉しいな。