「サーティーワン」によって
「チョコミント」は日本の地に舞い降りた。
なぜ「チョコミント」は
どうしてこんなに愛されるようになったんだろう。
「チョコミン党」とはどんな人たちなんだろう。
そう考えたわたしは、
「チョコミントの聖地」と、
「チョコミン党」の間で語られている、
一軒のカフェを目指した。
京都・西陣にある優美な佇まいのブックカフェ、
「Cafe1001」(かふぇいちまるまるいち)。
この店で提供されている、
「パフェ」「タルト」「ココア」の
3種の「チョコミントメニュー」がいま大人気だ。
店主の久世(くぜ)さんは
「チョコミン党 京都支部」を名乗り、
「チョコミン党」たちの熱狂の最前線にいる。
そして、
「チョコミントがきらいな人なんてほんとはいない」
こう述べる、熱き「チョコミン党員」でもある。
「チョコミント」愛を知るために、
わたしはこの店の門戸を叩いた。
■
- ―
- お店のほうは大盛況ですね。
- 久世
- 土日は終日、外まで行列ができてますね。
「1時間以上お待たせするかもしれません」と、
お客さまに声はおかけするんですが、
みなさん待っていてくださることが多いです。 - ―
- 今は「パフェ」「タルト」、
ドリンクの「ココア」の3種類の
「チョコミント」メニューがあるんですね。 - 久世
- はい。最近いらっしゃるお客さまの
9割5分はチョコミントがらみのオーダーですね。 - ―
- ほぼ「チョコミント」目当ての方ですね。
- 久世
- ランチを食べてから、
デザートとして頼まれる方もいますし、
3種類をすべて頼んで
「チョコミントフルコース」を、
おひとりで堪能していく方もいます。 -
最新メニューの「パフェ」を始めたのが
4月半ばからなんですけど、
開始直後からすごかった。
いまも日に日に増えている感じです。
- ―
- 純粋に「チョコミン党」の
熱意と想いだけで広まっているんですね。 - 久世
- はい。
すこしだけ、恐怖を感じているというか(笑)
ありがたいことです。 - ―
- 「チョコミン党」の中で
「こういうものを求めてた」という感情が、
爆発している気がします。 -
そもそも久世さんの
「チョコミント」の原体験って、
なんだったのでしょう? - 久世
- 定かではないんですけど、やっぱり
「サーティーワン」なのかなって思います。
昔はいまみたいに「チョコミント」のアイスって、
なかなか売っていなかったから。 - ―
- あ、わかります。
いまはコンビニにもたくさんありますけど。 - 久世
- 当時は「サーティーワン」か、
「セブンティーンアイス」しかなかったですよね。 -
ぼくはチョコレートが好きだったので、
それ系のフレーバーを追っていくうちに
たどり着いたのが
「チョコミント」だったんだと思います。 - ―
- 「チョコミント」って、
子供にはちょっとからいよ、
言われることがありましたよね。 - 久世
- ぼくは小さいころから、
すんなり食べてましたね。
たどり着いてからは、そればかり。 - ―
- わたしも小さいころはアイス屋さんでは
「チョコミント」ばかりでした。
それとやっぱり「セブンティーンアイス」です。 - 久世
- 外であの自販機を見つけると、
うれしくなりましたもんね。
「他では食べられない」と思ってたから。
見つけると、わくわく感がありました。 - ―
- ありましたよね。
あ、でも聞いてみたかったウワサがあって、
「関西の人は『チョコミント』好きじゃない」という。 -
関東と比べて売れ行きがよくないという、
統計データがあるらしいんです。 - 久世
- へええ。
- ―
- 「チョコミント」って、
甘さが残らずスッキリ消えてしまうから、
甘味を求める関西の方は、
逆にもの足りなく感じるからでは‥‥?
という、話らしいんですが。 - 久世
- ぼくは生まれも育ちも京都ですけど
小さいころから好きでしたよ。
‥‥‥でも昔はきらいな人が多かったのかも。
いまの「チョコミント」って、
すごくおいしくなってますよね。 - ―
- はい、それはわたしも思います。
- 久世
- レベルが上がって食べやすくなっていて。
大昔のミントより、日本人の口にあうように、
改良しているんじゃないかな。 - ―
- 昔のほうがより、ミント感が強かったような。
最近はより親しみやすい味になっている気がします。 - 久世
- 各メーカーの「チョコミント」の
味の変遷とか聞いてみたいですね。
「実際に変えてます?」みたいなのを。 - ―
- 気になりますよね。
- 久世
- 近畿以西限定で出ている
チョコミントアイスがあったんです。 -
それはチョコレートが多めで、
食べると中に入ったチョコレートソースが、
とろーっととろけるタイプで。 - ―
- チョコの比率が高いんですね。
- 久世
- あれは関西だからチョコベースだったのかな?
- ―
- 土地によってチョコ比率が違うとか?
- 久世
- あるかもしれませんね。
- ―
- あの、わたしは誰もがおいしいと感じる、
「チョコとミントの比率」が
あるんじゃないかと思っていて。 - 久世
- たしかにものすごい
計算されているのかもしれない。 - ―
- たぶん。あると思うんです。黄金比。
- 久世
- 「柿の種」と「ピーナッツ」の割合も、
絶妙なバランスで決められているらしいですからね。 - ―
- はい。
「チョコミント」の歴史にも、
たゆまぬ努力があったんじゃないか思います。 - 久世
- 「関西だとチョコが多め説」は、
京都支部としても調べてみたいですね。 - (つづく)