担当・合田 知佳
第4回 チョコミントメニューの誕生
- ―
- そもそも「チョコミント」メニューを、
お店に加えたきっかけは?
- 久世
- この店を始めて7年目なんですが、
5~6年前に一度、
「チョコミントのケーキを作ってみようか」って、
ツイッターでつぶやいたことがあるんです。
その時は圧倒的に「反対!」ばかりで。
- ―
- なんと!
- 久世
- 「やめてください!」
「それは売れませんよ!」
のような、否定的な意見が多くて。
- ―
- それは心が折れそうになりますね。
- 久世
- ええ、すごくショックでした。
でも「ブームはくる!」と思って、
5年ぐらい、ひそかにレシピをあたためていて。
-
それで去年の夏、
「そろそろいけるんじゃないか?」って、
「チョコミントタルト」を試しに
出してみたら、すごく反響があったんです。
- ―
- それは最初の反応とは違った?
- 久世
- 好意的な意見が多くなって、
「これはいける」と思って、
今年から「チョコミントパフェ」を始めました。
- ―
- 5年の間にいったい、
何があったんでしょうね?
- 久世
- ほんまに不思議です。
あきらかに昔と反応が違うので。
-
じつはパフェを始めるにあたって、
ツイッターで事前アンケートをとったんです。
-
「かぼちゃプリンパフェ」というのも作っていて。
それと「チョコミントパフェ」と、
「どっちが食べたいですか?」と聞いたら、
その時は「かぼちゃプリンパフェ」の方が
人気だったんですよ。
- ―
- 「じゃあカボチャプリンだ!」と思いますよね。
そうなったら。
- 久世
- そうなったらね。
でもぼくは‥‥‥‥、
3割の「チョコミン党」に賭けたんです。
データ的には負けたけれど、
「これはいける」って思ってたので。
- ―
- 大きな決断ですね。
- 久世
- 冒険でしたね。
「好きな人が食べてくれたらいいや」って
思って作ったものだったので、
この反応はびっくりしました。
「こんなに好きな人がいたんやー」って(笑)
- ―
- きっと「チョコミン党」にとって
「象徴」みたいな存在になったんですね。
- 久世
- あのね、ぼくは最近、
「チョコミント」がきらいな人なんて、
いないんじゃないかって気がしてきました。
きらいな人のほうが、少数派だと。
- ―
- ああ、わたしも最近、
「『チョコミント』ってきらいと言う人が多くて」
と言ったら「いや自分は好きです」という人、
けっこう多いことにびっくりして。
- 久世
- 意外と、そうですよね。
きらいな人が言っていることは印象に残るから、
「みんなきらい」みたいなイメージがあるけれど、
大多数の人には「チョコミント」が
当たり前なんじゃないかな。
- ―
- 好きな人はあえて言わないわけですね。
- 久世
- そういうことですね。
- ―
- 「チョコミン党」として、
自作のチョコミントメニューへの
こだわりはありますか?
- 久世
- そうですね、パフェの場合は
初めての人でも食べやすいように、
味のバランスを考えました。
- ―
- すごく食感も楽しいですね。
- 久世
- 比較的チョコの割合は高いかもしれません。
自家製のミントゼリーを入れて後味はさわやかにして。
- ―
- あのミントゼリーがいいですね。
キラキラしたあのルックスがいいです。
- 久世
- 試作では悩みましたね。
どういうビジュアルで行こうかと。
アイスもいろいろな会社のものを試して。
- ―
- 現在の「チョコミントアイス」を選んだ理由は、
なんだったんですか?
- 久世
- やっぱり「色」です!
- ―
- 「色」ですか! そんな気がしました。
- 久世
- 味は、どのメーカーさんのもおいしいんですけど。
やっぱり「色」ですね。インパクトのある、
ミントグリーンを探しました。
- ―
- ああミントグリーンにも
青寄りとちょっと緑がかった色、
両方ありますよね。
あのあたりも比べてみたらおもしろそうです。
久世さんは「チョコミント」の発祥とかにも
興味ありますか?
- 久世
- ぼくも気になって調べたんですけれど、
よくわからなかったんですよね‥‥‥‥。
- ―
- ですよね‥‥‥‥。
- 久世
- アイスの場合は、例えば
「ミントリキュール」をアイスにいれてみて、
「何かものたりないな」って、
チョコを入れてみたのかな‥‥‥‥。
とか、いろいろと考えたりしています。
- ―
- 「ミント」と「チョコ」は
いつもワンセットになっている。
その起源はやっぱり知りたいですね。
- 久世
- そうですね。
それだけで本にできますね。きっと。
-
(つづく)