こんにちは、浅生鴨です。
第2回 浅生鴨さんの得意なこと、すきなこと。
- 糸井
- でもやっぱり、その見た目だと学生のときとかは目立って大変だったんじゃないですか?

- 浅生
- そうですね。どうしても目立ちがちなので、どうしたら目立たずに済むか、考えてました。
- 糸井
- いいことも悪いこともなくていいから、今日を楽しく生きようみたいな。
- 浅生
- そうですね。目立たないでいる方法っていうのは、2つあって、ほんとに気配を消してうまく溶け込むか、逆に突き抜けちゃうくらい目立っちゃうかのどっちかしかなくて。バーンって飛び抜けて目立っちゃえば、もう普通の目立つとは違うのでまた違う立ち位置に行けるんですよね。例えば、みんながやらないようなことに「ハイ」って、押し付けられる前にやるとか。そうやることでどこか納得したいみたいな。「自分が選んだんだぞ」って。
- 糸井
- NHK_PR時代なんて、結構そういう開き直りを感じてましたけどね。
- 浅生
- あぁ、そうですね。
- 糸井
- 陽動作戦みたいに、呼び寄せて逃げるみたいなね。あれ、NHKっていう名前がついていながらやるっていうのは、ノウハウがないじゃないですか。あれは面白かったね。
- 浅生
- おもしろかったですね。相当ムチャでしたから。まぁ、あれも突き抜けてやっちゃったほうが楽になるっていう。たしかに楽になったんですよね。
- 糸井
- 自分も楽になるということですか?
- 浅生
- ええ。一番いいのは「あいつはしょうがない」って思われると一番楽ですよね。
- 糸井
- でも「あいつはしょうがない」って言って、エライ迷惑な人もいるじゃないですか。
そういうのは嫌でしょう?
- 浅生
- 嫌ですね。
- 糸井
- だから「あいつはしょうがない」けども、あんまり人に迷惑もかけてないっていう、なかなかすごいバランスのところに立ってますよね。
- 浅生
- そうですね。だから「あいつはダメだ」なんです。
- 糸井
- いや、どっちでもなくて最終的に、「おもしろい」になっちゃってるんじゃないかな。
- 浅生
- あぁ、最終的に。
- 糸井
- うん。NHK_PRは、おもしろいが武器になっていたケースで。
- 浅生
- 総体として「なんとなくおもしろいかも」、みたいな雰囲気はあるけど、冷静にみてみると案外そんなにおもしろくなかったりするんですよ。
- 糸井
- 自分の仕事ってそういうところがあるけど、おもしろかったですよ。何だろう。「それは、ひとが言ったことないな」みたいのが結構いっぱいあった。だから、変な面白さ、だね。ものすごいツイートもしただろうし、見ただろうけど、ほぼ24時間だからね。

- 浅生
- いや、あれはほぼやってないんですよ。
- 糸井
- どういうことですか?
- 浅生
- たまにリアルタイムのツイートも混ぜるんですけど、基本的には翌日やることを前日にワーっと書いてタイマーで設定しちゃって。いわゆる、リツイートだったり返信みたいなものも、全部タイマーで設定していたんですよ。リツイートされた本人だけは、「今頃昨日のやつを、リツイートしてる」って思うんですけど、普通の人たちはリアルタイムのツイートとしてみているっていう。
- 糸井
- ってことは、本人よりも見てるだけの人のほうが多いっていうのをわかっていたわけだね。
- 浅生
- 結局ツイッターって一対一のやりとりなので、それをどう他の人に見せるかっていうところを演出してあげるとすごくやっているように見える。嘘にホントを少し混ぜると、全部ホントに見えるっていう。
- 糸井
- 俺そんなことしないけど、する必要もないけど、すごくなるほどですね。
- 浅生
- そこは、ちょっとテクニカルな話になってきちゃうんですがね。
- 糸井
- そういう作戦とか考えるのお好きなんですね。
- 浅生
- そうですね。
- 糸井
- 構造で考えるっていうかね。
- 浅生
- 何ですかね。分析して構造を考えて、どこに何を置けばいいか、なにを言えばいいか、みたいなこと考えるの好きですね。たぶん。