もくじ
第1回「家」が好き。 2016-11-08-Tue
第2回「家」が好きではなかったとき 2016-11-08-Tue
第3回もう一度、「家」を好きになる 2016-11-08-Tue

33歳の関西女です。都内で会社員、そして一児のママをやっています。ツッコミもボケもできないので、ときどき「本当に関西人…?」と疑われること多々。HNはnatukiFM。今、家の中を森にしたくて孤軍奮闘中。次にほしい木はゴムの木です。

「家」が好き。

「家」が好き。

担当・福岡夏樹

第3回 もう一度、「家」を好きになる

次の転機は、わりとあっさり訪れた。
結婚したのだ。

相手は、高校を卒業してすぐ就職した職場で出会った人だった。
転職して、一人暮らしを始めてからも付き合いは続き、
家にもよく遊びに来てくれていた。

彼が遊びにきてくれる日は、
「今日は、彼が家にいる!」と、恋心からウキウキする一方、
心のどこかで安心している自分もいた。
それはあの、自分が好きだった「家」にあった、
ふかふかの毛布にくるまっているような気持ちと
非常によく似たものだった。

ひょっとすると、今感じている要素があれば、
この家を好きになれるかもしれない、と思った。
その気持ちを、そのまま彼に伝えた。
「…なので、よかったら私と結婚してみませんか?」
彼は笑っていた。
「いいですよ」

家の「ふかふかした毛布」の正体

冒頭で書いたとおり、私にとって「家」は
好きなものを好きなだけ詰め込める、
「好き」のバリューパックだ。

けれど、1つだけ欠かせない要素がある。
「好きな人」だ。
私にとって、家にいるとき
ふかふかした毛布にくるまっているような気持ちになるのは、
好きな人に囲まれているからだった。
他の人にとっては違うかもしれないけれど、
少なくとも私の「好き」のバリューパックの
大きな要素であるので、ここは欠かせない。

今、私の家には彼ともう一人、小さな彼も住んでいる。
小さな彼にとって、今の家が「好きなもの」であるといいなと思う。