もくじ
第1回わたしの好きなもの 黄昏時 2016-11-08-Tue
第2回マジックアワーとブルーモーメント 2016-11-08-Tue
第3回幸せと寂しさ 2016-11-08-Tue

出版社で働く男子です。

私の好きなもの 黄昏時

私の好きなもの 黄昏時

担当・yamakoh

黄昏は
幸と哀を
連れてくる

はい、急に一句詠んでしまいましたが
「一番好きなもの」というお題を与えられて
しばらくの間書けずにいました。

一番なんて決められない!

そう半ば諦めていた土曜日の夕方に
「あぁ、これが一番好きなものかも」
とふと思ったのが”黄昏時”でした。

夕焼けだけでなく、帰り道を急ぐ人々
晩御飯の匂い、、、

すべてひっくるめて”黄昏時”が
好きなんだなと。

短いお話ではありますが、
お付き合いいただけると幸いです。

第1回 わたしの好きなもの 黄昏時

一日の終わりを告げる時間。黄昏時。

商店街を歩くと、夕食の買い出しを終えて
家路を急ぐ人たちがたくさんいる。

家の明かりが一つひとつ灯り、
晩御飯の匂いがそれぞれの家から漂ってくる。
ここはカレーだな、こっちは肉じゃがかな。

そこで、僕は色んな家庭の会話を想像する。
「今日は晩御飯なにー?」
「この肉じゃがおいしいね。」
「今日会った嫌な奴がね・・・・」

そんな風に想像をしながら歩いていると、
よく自分の買い物を忘れていることに気付きます。
あわててスーパーで買い物を終えると
既に日が落ちてしまっていることにがっかり。
自転車にまたがり走り出すと
「そろそろ寒くなってきたな。」と思い、
パーカーのジップを一番上まであげて
肩をすぼめて家までの道のりを急ぐ。

・・・・・
こんな毎日が続けばいいのになと思いますが、
現実は夜遅くまで仕事をして帰るときは
真っ暗になってしまってることが多いです。

でも休みの日などには
まだ明るい時間から商店街をぶらつきます。
夕飯の買い物を終えたら、
お肉屋さんの店先で焼いている焼き鳥を
一本だけ買って、ビールを飲む。
あぁ大人になったなぁ、なんて思いながら
黄昏時を楽しむ。
そんな日常を幸せに感じます。

第2回 マジックアワーとブルーモーメント