もくじ
第1回釣られて3ヶ月。餌をもらえなくなったことにただ嘆く魚 2017-05-16-Tue
第2回29歳にして「愛されるより愛したい」へシフトチェンジ 2017-05-16-Tue
第3回バレンタインから始まった、自分を変える修行の日々 2017-05-16-Tue
第4回たかが恋愛でカウンセリング。されど大きな改善 2017-05-16-Tue
第5回勇気を出して「好きだよ」と伝えてみたら‥‥ 2017-05-16-Tue
第6回「愛されるより愛したい」は本当だった 2017-05-16-Tue

ライター、編集、コピーライターとして人の言葉を代弁してきた30代。そろそろ自分の言葉を持ちたいと思い始めました。

自分を変えると相手も変わる。彼と私の4年間。

自分を変えると相手も変わる。彼と私の4年間。

担当・のりこ

第2回 29歳にして「愛されるより愛したい」へシフトチェンジ

彼の言動に傷ついている私は、気づいていなかった。
彼の落ち度はたくさんあるにしても、
私の不満が「してくれない」だらけだったことに。

1997年に発売された、Kinki Kidsのセカンドシングル
『愛されるよりも愛したい』。
当時小学校6年生だった私は
「何言ってるんだろう、愛するより愛されたいに決まってるじゃん」
と思っていた。

そのまま成長した私は、
片思いの彼を頑張って振り向かせるなんて経験はせず、
好きになってくれた人と付き合い、大事にされる恋愛ばかりしてきた。
まさに「愛するより愛される」青春時代。

余談だけど、15~10年前は
「愛される女になるには」「モテ女になる」という
コンテンツが全盛期だった。
だからこの受け身気質に疑問を持つことは一切なく、
幸か不幸か、調子に乗り続けてこられた。

この愛される前提が間違いかもしれないと気づいたのは、
なんと29歳。今から3年前。
とある人のツイッターとブログだった。
彼に愛されていないこの状況を変える方法はないかと、
「彼氏 既読スルー」とか「釣った魚に餌をやらない」とか
そんな言葉で検索して救いを求めていたときに出会った。

その人は、
「自分から愛さない女が愛してもらえるわけないだろ」
とたくさんの恋愛相談に応えていた。

「好きになったほうが負け」とよく聞くけど、
先に告白したほうが尽くすもの、という意識しかなかった。
自分から愛する経験なんてなかったし、想像もつかなかった。
それ、どうやるの? それで私、幸せになれるの?

でもこのときの私は、日々傷ついているし、
今までみたいに愛されないしで困り果てていたから、
「自分から愛する」という初めての考えも受け入れられた。
この状況を変える可能性があるなら、
やってみようと思ったのだ。

ちなみにこの頃の私について、彼は
「調子に乗ってた」「嫌なやつだった」「黒い」などと
散々な表現をしている。

例えば二人でお店に入った途端、スマホでずっと
誰かとやりとりをしていたらしい。
そんなことしないよ!と今でも思っているけど
彼は実際に目の当たりにして「嫌だな」と思ったと話すから
それは事実で、私は嫌な奴だったんだろう。

「彼から告白してきた」という事実を印籠に掲げ、
奔放なふるまいで彼を振り回し、傷つけていたのだ、きっと。
あまつさえ、自分がつけた傷は自覚も記憶もなく、
反対に傷つけられた記憶ばかりが根深い。
なんて身勝手なのだろうと思う。
そりゃあ、愛されないのも当然だ。

たまに「あの頃はな~」って言われると
じたばたして恥ずかしくなる。私の黒歴史。

なぜ彼は、釣り上げた魚が
傷んでいたのに捨てなかったのか。
それはわからないけど、
このとき捨てずにいてくれて、本当によかったと思う。

ここから私は、「自分から愛する」ためのギアを
少しずつ入れていくのだ。

(次回、3回目では、いよいよ行動に移し始めていきます)

第3回 バレンタインから始まった、自分を変える修行の日々