もくじ
第1回【基礎編①】ツッコミという料理スキルをみがく文化 2017-12-05-Tue
第2回【基礎編②】「あほちゃう!?」と言わずにおれない率直さ 2017-12-05-Tue
第3回【活用編①】相手を観察するからこそ、うまくいく 2017-12-05-Tue
第4回【活用編②】失敗はすべてネタだと思い込むこと 2017-12-05-Tue

編集やライター以外の仕事が増えてきているいま、ほぼ日の塾に乗っかって、「書くこと」をあらためて考えています。ちなみに、山梨の県民性で私が言えるたしかなことは、お寿司が好きな人が多いことです。

関西人は一日にして成らず。

担当・ゴトウナナ

第3回 【活用編①】相手を観察するからこそ、うまくいく

――
私の周りの人たちを見てると、
関西人は世話好き、みたいなイメージがあるんだけど
それって関西共通なのかな。
T女史
関わり好きっていうか、
パーソナルスペースが広いとか、
人と人との壁が低い感じするよね。
オカン
前さ、関西が舞台の某英会話教室のCMがあって、
お寺に行きたい外国人の人たちが
「テンプルテンプル」って地図見て探してたら
おっさんおばちゃんとかが集まってきて、
みんな英語がわからないんだけど、
なにかしてあげようと思ってどんどん輪が大きくなってきて、
「テンプラ? にいちゃん、テンプラ食べたいんか?」
とかワーワー言い出すみたいなやつ(笑)。

あれ、すごい大阪っぽいって思ったー。
エエデ君
あれほんまかな!?
T女史
たしかに、信号待ちでも話しかけられるし、
居酒屋でバイトしてたとき、
お客さんみんな話しかけてきた。

オカン
とりあえず、「なんだろう」って近づいてくる人たちが
関西のほうが多い気がする。

たとえばさっきのCMみたいに
明らかに自分がなにもできない、
役にたたないってわかった状況の場合は、
関東の人ってあんまりそれに近づかないかも。
T女史
それと、だれかを助けるみたいなときに
東京あたりだと、だれかひとりが助けてたら
「あの人が助けてるから自分は行かなくても」
とか、逆に遠慮するみたいなところがあるけど、
関西の人は、何人重なろうが気にしないよね(笑)。
エエデ君
それもあるけど、おれが思うのは、
関西の人は、相手を笑かしなれてる。
それで、だれかを笑かそうと思ったら
とにかくそいつが、どういうタイプのやつかがわからんと
ぜったい笑かせへんと思ってる。

だから、だれでもかれでも壁が低いってわけじゃなくて、
「こういう話だったらこいつはおもろいと思ってくれる」
っていう思考がはたらく。

そういう、“相手を見る目”がけっこうあるんやと思う。
――
へぇ~、相手を観察してるんだ。
エエデ君
そうそう。
その「相手の見方」がほかの地域とすごくちがうと思う。
ただの世話好き、やないで!
みんな
(笑)
――
そういえば、私の友人の関西人が
「相手のノリを探るためのボケを入れる」
って言ってたけど、それもそういうことかな。
エエデ君
うん、近い。
まあ、ボケ入れんでも話してる空気でわかるけどな、
おれともなれば(笑)。

相手をよく見て、この人やったらええんちゃうか?
っていうのがわかる人が関西には多いから、
なんか「その人はええ」と思ったところに人が集まる。

ただ集まりたいから集まるんではなくて、
この人やったらおもろいことになりそうや、
と思うから集まってんねん。
脳みそのなかにその感覚が無意識にすり込まれてる。
――
つまり、相手をかぎわけてる。
相手をよく見てるから、おもしろくできるし
いい感じのコミュニケーションができる、と。

仕事のときとかでも、関西人の会話力を
うらやましく思うことがたまにあるんだけど、
そうか、まずその相手を観察する、
そういう努力を関西の人がしてるっていうのは
意外だったかも。
エエデ君
こいつやったらこんな言い方ができる、とか
できへんとかというところをちゃんと知ってたり、
いままでの経験で、言い方のチョイスもたくさんあるから
そういう引き出しをつかって
うまいことやれてんのちゃうかなあ。
オカン
ふむふむ。なんか納得。
T女史
あと、そのストライクゾーンが広いよね。
よっぽどやばいやつじゃなかったら
行くっていうか(笑)。

関西の友達が東京に来たときに、
店員さんにやたら話しかけるのがすごい恥ずかしかった。
エエデ君
ハハッ!
関西人が全員そうだとは思ってほしくないけどな。
おれかて東京ではそんなことせんで。
オカン
ほんまかいな(笑)。

(最終回へつづく)

第4回 【活用編②】失敗はすべてネタだと思い込むこと