ボクたちはみんな大人になれなかったスペシャルトーク 銀座LOFT編
第3回 捨てる、思い出す、大人になる
- 糸井
-
質問を受けるというのをやっちゃおうか。
いないですか。
- 燃え殻
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いやこれ手挙げるの大変ですよね。
- 糸井
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うん大変。じゃあ手を挙げてみてください。
あ、ダメだ。追い詰めちゃったか。
今、テレビカメラ回ってます(笑)
- 燃え殻
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とどめですね(笑)
- 糸井
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いないですね。
じゃあ、ベストセラー作家に頼るしかないね。
お願いします。「嫌われる勇気」の古賀さんです。
- 場内
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(拍手)
- 糸井
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いっつもね、この役引き受けてくれるの(笑)
- 燃え殻
-
ぼく、古賀さん一番尊敬してます。
- 古賀
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えー、燃え殻さんが取っていたという21冊の手帳を、
今までに「捨てよう」と思った機会はありませんでしたか?
僕は同じように手帳とかノートを書き溜めて、
引っ越しの度に捨てちゃうんです。
- 燃え殻
-
僕は物を捨てることがものすごく下手なんです。
自分ですらガラクタだなと思うものでも
手元に置いて何度も見返さないと安心できない。
「昔あいつにこう言われたな、いつか見返してやろう」
とか、そういう荷物みたいなものを持っていないと
僕は前に進めないから、ずっと捨てないと思う。
- 糸井
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ああ、それは燃え殻さんの個性なんでしょうね。
タイトルにも書いてありますよね
「ボクたちはみんな大人になれなかった。」

ぼくは思い切り捨てて、その後に
「ああ、あのときあれを捨てちゃったけど、
別に大丈夫だったな」みたいなことを
涙と共に味わうのが好きですね。
それもひとつの個性ですよね。
- 燃え殻
-
へー。じゃあけっこう捨てるんですね。
- 糸井
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捨てますよ。本棚3つか4つ全部捨てたりします。
- 燃え殻
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えぇ~~?
- 糸井
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それは何回もやってます。
「これは取っておく」とか考えるともうダメだから。
見ないと捨てられます。何の差支えもないです。
- 燃え殻
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本当は何の差支えもないと僕もわかってるんです。
- 糸井
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それは、あるとしたら寂しさですよね。
だから、燃え殻さんみたいな人がいると、
ますますぼくは男らしくなっちゃって
「捨てなさい!」とか言いますね。
でも、根は同じです。
- 燃え殻
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寂しさを感じちゃう?
- 糸井
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うん。俺、このあいだビートルズのインタビューで
いかに若いときの自分がモテなくてフラれたかって話を
軽い気持ちでしはじめたら、もう悲しくなってきて。
ちょっと涙にじんじゃって。「ちょっとまって」って(笑)
- 燃え殻
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大人になってないじゃないですか(笑)
- 糸井
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だから、だいたいのことは、捨てても残ってるんです。
そこで子供は「全部捨てたら俺じゃなくなっちゃうな」
って気持ちになるから、捨てられないんですよね。
- 燃え殻
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ああ、僕それだ。
- 糸井
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それだと思う。
だから燃え殻さんも「大人になれなかった」って、
自分でも言ってるじゃないですか。
- 燃え殻
-
はい。発売までして(笑)