2017年から1年半、海外をあっちこっち旅していました。
「旅してきて、なにが一番きれいだった?」という質問に、
「朝日や夕日かなあ」と答えると、
たいていの人はポカーンとします。
「朝日と夕日だなんて、どこでも見られるじゃないか」と
がっかりされるのかもしれません。
でも、ぼくは「朝」と「夜」が入り混じる景色が好きなんです。
暗闇のなかで朝日が顔を出す瞬間は、
赤ん坊が産声をあげたときのようなうつくしさ。
明るみのなかで夕日がさよならしていく瞬間は、
とことん生きた人が人生をおえたときのようなうつくしさ。
なーんて、たとえてみたけれど、
本物の朝日と夕日のうつくしさには、どんなことばも足りません。
人間が朝日や夕日を「うつくしいなあ」と思う感情は、
今だけじゃなくて、100年前、1000年前から
あったんじゃないでしょうか。
そして、これからも変わらないんじゃないかなあ。
1000年前から建てられたミャンマーのバガン遺跡。
そんな場所で夕日を見ていたとき、
愛を口ずさむカップルが隣にいました。
そんな二人を見て、夕日を見ながら「好きだよ」と告白するシーンは、
1000年前にもあったんじゃないかと想像をします。
そして、100年後、1000年後もあるんじゃないかなあ。
もし、2119年、3019年に
この文章を読んでいる人がいたら、教えてください。
そこで見える朝日や夕日はうつくしいですか?
まだ、夕日を見ながら、プロポーズをしますか?
「今はもう、地球でプロポーズじゃなくて、
木星でプロポーズが主流ですね」
そんなことを言われるのだろうか。
まあ、常識なんてひょいっと変わる。
そんな返答も覚悟をしておこう。
毎日休まずに、地球でこんなうつくしい出来事が
2回も起こっているなんて、すんごいですよね。