第3回 中林のマッシュルーム
山下
映画の感想を言い合う
感激団なのですが‥‥
中林さんの髪形の話も聞くべきだと。
ダーリン
だって、きのこは3つあるのにさ、
いっこだけ放っておくのはかわいそうでしょ?
山下
‥‥あの、中林さんは、
なぜマッシュルームに?
左の顔アイコンとはずいぶん違ってますが。
山川
そういえばちゃんと聞いてなかったです。
ダーリン
ぼくは聞いてます。
長いよお、また(笑)。
山下
お願いします。
ナカバヤシ
マッシュルームにあこがれていた皆さんには
申し訳ないんですけど、
わたしには、あこがれの部分はとくになく。
山下
マッシュルームへのあこがれは、ない。
ナカバヤシ
敬老の日をはさんだ3連休で、
宮崎のおばあちゃんに見舞いに帰りまして。
山川
おばあちゃんのところに。
ナカバヤシ
宮崎って南国なんですが、
3日連続で雨が降ってまして。
台風が近づいてきてまして、
ずっと雨だと、もう山と海しかないのに、
なんにもすることがなくてですね。
あまりものヒマさに、
髪の毛でも切りにいこうかなと思って。
ゆーないと
近づいてきた(笑)。
スギエ
核心に(笑)。
ナカバヤシ
友だちに聞いたら、
「原宿で切ってた人が宮崎に帰ってきて
 やってる店があるよ」って言われて。
じゃあ、まあ大丈夫そうだ、行ってみるかと。
ノープランで行きまして、
お店にたどり着きまして、
椅子に座って美容師さんと話をしてみたら、
なんとその人は‥‥
山川
どんな人だったんですか?
ナカバヤシ
マッシュルームカットをやりたくて
しかたない美容師さんだった(笑)。
山下
へえええ〜。
ダーリン
だから、待ってたんですよ、
中林さんみたいなお客を。
地元の人は、きのこにさせてくれないから。
ナカバヤシ
ええ、そんな感じでした(笑)。
ダーリン
やっとわかってるやつが来た、と。
ナカバヤシ
なんかフニャフニャしてる人なんですよ。
ダーリン
それは、うれしかったんだよ。
やっとなんだから。
山川
で、すぐマッシュルームにしたんですか?
ナカバヤシ
最初はこう、
髪をいろいろいじってて、で、
「切っちゃおうか」って(笑)。
「こうやってこういう形にして、こうやって」



ゆーないと
丸くされて(笑)。
ナカバヤシ
「切ろうか!」って(笑)。
あやや
「いける、いける!」みたいな(笑)。
ナカバヤシ
そう、「いけるいける、似合う」って(笑)。
山下
それでそのまま?
ナカバヤシ
そうですね、あとはもうお任せして、
「はい、じゃあそれで」
「思いきって切っちゃうね」
「はい」という感じで。
山下
はあ〜。
ダーリン
な、すごいだろ?
すごいんだよ、この人の「受け身性」って。
おれは、ずっと前から中林さんの
その受け身性には感動さえしてるんだよ。
‥‥だって、
カットモデルになってついてっちゃうんだぞ?
ナカバヤシ
はははははは。
ゆーないと
本人、笑ってるし(笑)。
山下
カットモデルを。
ナカバヤシ
街で声をかけられるんです。
「時間空いてますか?」って。
予定があるときはお断りするんですけど、
たまたま時間が空いてるときは、
「じゃ、行きます」って言っちゃう(笑)。
ダーリン
こころを開いちゃうんだよ、その場で。
山下
お店は選ぶんですか?
ナカバヤシ
え? お店を選ぶ?
山下
このお店ならOKとか。
ナカバヤシ
いやいや、
声をかけてくる子は新人ですから、
どこのお店とか、関係ないですよね。
相手は勉強中の身ですから。
山下
それで、えらい目にあったりは?
ナカバヤシ
してますよね。
山下
するんだ。
ダーリン
するんだよ(笑)。
ある日、ある日さ、
中林さんがおもしろいことになっててさ、
この、前髪のあたりが、
当然なんかの意図があるとしか思えない
状態になってるんだよ。
山下
それは(笑)、
パーマのような?
ダーリン
ん? パーマ? 
なんだったんだ、あれ?
よくわかんないんだけど、
伝えたいことがあるらしいんだ、髪の毛に。
でね、聞きました、おれは。
「中林さんさ、その前髪の意図は何?
 つまり何が言いたいの?」
ゆーないと
メッセージは何? と(笑)。
ダーリン
そしたらさ、
「あ、これですか? カットモデルやって
 失敗したんですよね」
一同
わはははははははは!
ダーリン
えええーー? って。
ちょっと感動しちゃうわけですよ。
自分の、その、放り出しかたに。
しかも「何回もやってるわけじゃないよね?」
って聞いたら「何回もやってる」って。
山下
そうなんですか、何回も?
ナカバヤシ
カットモデルは何回かやってますね。
山下
ちょっと怖かったりしませんか。
ナカバヤシ
うーん、怖かったりはしないんだけど、
いつも最後にちょっとだけ残念なのは‥‥。
新人さんが切り終わりますよね。
で、先輩がやってきます。
「お客さま、どうですか?」って聞かれて、
「わたしは特に不都合は」って答えるんです。
するとですね、先輩がわたしの頭に向かって、
延々とダメ出しをはじめるんです。
一同
ああー。
ナカバヤシ
なんか、わたしが
ずっと怒られてる気がして。
いっつも残念なきもちになって帰るんだけど、
でも、声をかけられれば、また‥‥。
山下
ついていってしまう‥‥。
ダーリン
すごい話でしょ。
ナカバヤシ
新人さんが、こう、必死にね、
「お時間、空いてないですか」と、
そういう姿を見ちゃうと‥‥。
ダーリン
あのさ‥‥
言おうかどうか迷ったけど言うよ。
ナカバヤシ
なんですか?
ダーリン
いまの話って、性の話だったらさ、
「みんなにさせてくれる子」の話だよ。
一同
‥‥‥‥おお。
ナカバヤシ
わっ! わわわわわわー!
ちょーっと、ちょっと待ってください!!
その表現はあまりにも誤解が生じる危険が!!
わたしは、あくまで、髪の毛の話で!
ダーリン
うん、いや、
もちろんそれはそうなんだけど、
性の話だったらっていうのも
変な言い方なんだけど、
でも、そういう子って軽蔑されながらも、
一方では「女神」とかさ。
なんていうの?
ニューヨークのある時期のディスコには
「ルル」っていう女神がいて‥‥みたいな。
そういう話に近いんじゃないの?
一同
‥‥‥‥ああ〜。
ナカバヤシ
ああ〜、じゃなくて! 
感心、しないっ!
いいですかぁ、みなさん、これはぁ、
美容界、美容界においての話ですよ!!
山下
自分のおもしろさと、
その新人のためにっていうのは、
どのくらいの割合であるんですか?
ナカバヤシ
え? 自分のおもしろさ?
おもしろくないですよ、わたしは別に。
山下
じゃあもう、すべてその子のために。
ゆーないと
すごい。
ナカバヤシ
だって、
すっごい真剣にお願いされるんですよ?
ダーリン
‥‥な? 女神だろ?
ナカバヤシ
カットモデルに関しては! ですからね。
ダーリン
で、懲りることもないんだよ。
あやや
知り合いでもなんでもないのに‥‥。
ゆーないと
あたし、それ無理だわ‥‥。
山川
あの‥‥。
山下
はい?
山川
わたしは1回、
カットモデルをやって懲りました。
ダーリン
あ、そうなんだ。1回だけやった。
山川
はい。
で、その1回のときに、
マッシュルームカットになりました。
一同
ええええーーーー(笑)。
ナカバヤシ
そんなオチを、ここにきて(笑)。
ダーリン
みっちゃんのその話、
聞こうじゃないか。
なあ?!
山下
え、映画、映画の話を‥‥。
(つ、つづきます)
2008-11-26-WED
 
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