花柳 今からやるのは女の子の踊りです。
女の歩き方が基本になります。
「菊づくし」といいまして、
菊の中で女の子が遊んでる、
っていうだけの踊りなんですけど、
基本の踊りがいっぱい出てくるんです。
高阪 はい、よろしくお願いします。
花柳

では、いきましょうか。
まずはおっぱいのところに手を置いて。
最初、女の子がいやいやいやと
体を振ってるような感じで‥‥。

(ここから、しばらく、花柳輔蔵さんから
 女踊りの「菊づくし」を教えていただき、
 練習を重ねるTK。











 30分ほど練習したところで、
 「ひとりで踊ってみます」と
 やってみたところ‥‥)
花柳 おおおおお!(拍手)
すごい、すごい、全部合ってました。
すごい、すごい。
高阪さん、のみこみが、早いです。
じゃあ、私が唄いますので、
あわせて、踊ってみましょう。
高阪 ええ、たぶん、大丈夫です。
花柳 (息を大きくすって、唄いはじめる)
♪とってんちんりんとってとの
 色よく咲きし菊づくし
 サァヤットナー
 サァヤットナー‥‥
一同

わーっ!(拍手)
花柳 すごいです。
できた、すごい。
もう、いやもう、90点以上です、
これはもう、ほんとすごいです。
この短時間で、これほど‥‥
ありがとうございます。
よく覚えられました。
高阪 覚えるのはなんとかできたんですけど、
細かいところがこうだったなとか。
花柳 いや、すごいですよ、
この短時間でマスターしていただいて嬉しいです。
高阪 いやあ‥‥でも面白いです。
いや、ほんとありがとうございました。
あの、ずっとやってて思ったのは、
やっぱ「軸」ですよね。
花柳 はい、そうですね。
高阪 軸をとにかくキープするのがまず一番大事で、
それができてないと何やるにもブレるんです。
足を着地するときとか、
軸をしっかり保ちながらやんなきゃいけないので、
腰を入れる、膝を曲げて重心を下に落として、
っていうのがすごく大事になってくる。
そういうことをやっててすごく感じました。
花柳 はい。
高阪 面白かったのは自分ら、たとえば格闘技の場合だと、
足を揃えて軸を保つってことをしないんですよね。
花柳 ああ、こう、ふんばるというか、
高阪 はい、お尻を出さないとだめなんです、逆に。
花柳 あ、なるほど。

高阪 足をまっすぐにして軸を保つためには
膝を曲げ、腰を引いて腹もへこませるという姿勢を
取らなきゃいけないんだというのが、
自分はすごく新しくて。
そこは格闘技にはない部分なので。
常にどっちかの足が前になりますから。
逆に足が揃うとだめっていうふうに
言われるんですよね。
「絶対足を揃えるな」と。
花柳 それじゃ辛かったですね。
高阪 そういう動きをしたことがないから、すごく。
結局、お尻を出さないで
踵に重心をかけながらっていうところを
ちゃんと意識してやると
意外とすんなりできるっていうのが分かりました。
輔蔵さんは日舞を初めにされたとき、
辛かったですか、その、足の運びとか。
花柳 もうちっちゃい頃、2歳ぐらいからやっているので、
辛さとかっていう感覚はなかったですねえ。
高阪 あー、気がついたらもう、
花柳 はい、そうですね。
高阪 うーん、
花柳 ただ意識してなかったので、
ある先生のところに行ったとき、
重心は踵だと言われて、
改めて、あ、そうなんだなって認識した程度で、
理屈ではやってなかったですね。
高阪 あ、そうなんですね。自分が今、
すごく、やろうとしてる‥‥っていうか、
ちょっと探ろうとしてる部分が実はそこで、
たとえば自分らの格闘技の世界でも
昔なんて特にそうですよね、習うより盗めとか。

花柳 ああ、そうでしょうね。
高阪 ずっと辛い練習とかをとにかくずっとやり続けてると
自然とできるようになる‥‥っていう。
理由ははっきりいって本人は分かってないんですね。
で、しばらくしてから、
師匠とか先輩とかに
こういうことだからなんじゃないのって
ヒントを貰って
初めて理屈が分かるっていうのがすごくある、
すごくいっぱいあると思うんですよ。
特に稽古を長い年月かけて積まないと
達成できないものであったりとか、
あとは単純にプロフェッショナルとして、
活躍されてる方とか、
ダンサーの方もそうですよね、
ミュージシャンの方もそうだと思うんですけど、
そういう方っていうのはみんな、
そういう部分を必ず持ってらっしゃるんですよね。
  (つづきます!)
   
    2007-12-26-WED    
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