今回、話を聞いた佐藤くんは高校時代からの仲で、
高校3年間、同じ野球部に入っていた。
僕も、彼も、ずっと補欠部員だったけれど、
大きな違いが1つある。
彼は女の子からモテて、
僕は女の子と全く縁がなかったのだ。
彼は正直、客観的に見て、イケメンなわけではない。
彼自身も自分のルックスは「中の下」だと言っている。
でも彼はお調子者で笑顔が素晴らしくて、モテる。
そんな彼とは今でも仲がいいが、
僕は人知れず劣等感を抱いてきた。
だからこそ、彼はなぜモテるのか
直接、聞いてみたいと思ったのだ。
僕は佐藤と話をして、なんだか励まされた
ような気分になった。
佐藤がアドバイスしてくれた
「本音で話すこと」
を普段から心がけるよう頑張ろうと思った。
でもなんだかモヤモヤした気持ちも残った。
なんだか「本音で話すことが大事」なんて
前から知っていたことのような気がしたのだ。
この話を聞いた1ヶ月半後、佐藤と再び会った。
彼は付き合っていた彼女をフッて、
今は、そのいい感じになっていた
彼女の友だちに熱を上げているそうだ。
フるときは、さすがに具体的に理由を説明できず、
「気持ちが冷めた」と突然別れを切り出したらしい。
「そのときに大泣きされてしまった」
と彼は苦い顔で僕に話した。
彼の話を聞いて、僕は心の底から
彼には、かなわないと思った。
良い悪いは別にして
僕が佐藤と同じ立場だったとしたら、
同じ行動を取れただろうか?
絶対に無理だ。
ここが佐藤と僕の根本的な違いの
ような気がした。
自分の情けない恋愛を振り返ってみたり
佐藤に上手に恋愛するコツを聞いてみたり
してきたけれど、
結局、僕が恋愛下手な理由はもっと単純で
根っこの部分にあるのかもしれない。
最後に今、思っていることを書きたい。