メキシコで地震に起きて
オアハカ州にも甚大な被害がありましたので
しばらくメキシコ編をお休みさせていただき
現在、石川県の奥能登の珠洲市全域で行なわれている
国際芸術祭への旅を
数回にわけてご紹介いたします。

*珠洲市には横穴墓(おうけつぼ・ほこあなぼ)が
 数多くあるんです!
 それを見に行ったときのことはまた別の機会に!!








 
雨か~
車は、能登外浦の
海岸線を走っております。
予報は雨、
しかしなんとか雲がふんばっています。

初秋の日本海、灰色の世界。
ちょっと車を降りてみますか。
おおー、遠くに青い切れ間が!

うはは、
みるみる明るくなってきましたぜ!

日本なので。
 

さて、今回のシリーズ、
スソさんのかばんのなかにいるのは、
ヤギではなく
土人形の方でございます。
ミミズク土偶の健太郎、
通り名を「ミミケン」ともうします。
ここはスソさんの出身地石川県です。







 
危ないーー!
ありゃー崖から
岩が落ちて歩道を直撃!!
当然立ち入り禁止になってます。

見上げれば滝。
その名は「垂水の滝」。
冬は強風で水が空に
飛んでいってしまうのですなー。

ああーここは奥能登、
日ー本ー海~♪

ざっぱ〜ん!
 

やはり日本海の海は
激しいのでございますね。
でも、この海には
おいしいお魚などが泳いでいると思うと
ミミケンは出ないヨダレが出る思い出ございます。



 
何しに来たん?
IMG_1662
それは、これやあー!(金沢弁で)

今開催されている芸術祭を
観にやって来たのです。

ガイドブックとパスポート。
親切なマップ付きです。
作品の解説の他、
観光ポイントや歴史もわかる
なかなかの優れもの。
オススメです!

なんと車を運転し、
案内してくださっているのは
参加作家である
眞壁陸二(まかべ・りくじ)さん。

略して陸さんとお呼びしています。
陸さんの作品も後でご紹介しますね!

眞壁陸二さん
 

真壁さんは、1971年生まれ、
金沢出身の画家さんです。
壁画の手法を使ったプロジェクトや
キャンバスペインティングを製作。
代表作は、
2015 「叙景」ベイスギャラリー (東京)
2014 「Hazing Kyoto」星空間(北京、中国)
2012 「SUSTAINABILITY」
Triumph Gallery(モスクワ、ロシア)
2012 「イチハナリ アートプロジェクト」(沖縄)
などですよ。
現在も金沢にお住まいです。







 
さて
輪島方面から
珠洲市へ入るというコースで
攻めることにした一行。

急坂をぐっと駆け上がり、
元保育所へ。

いい風景ですね。
 

海と畑の美しいコントラスト。
ミミケンには具体的に肺はございませんが
潮風の気配を胸いっぱいに
吸い込んでおります。





 
中には
舟と赤い糸の絡み合った空間が!

塩田千春の作品。
『時を運ぶ舟』
*以後敬称略で失礼します!

舟の上ひは砂が載っています。
なぜ?
それは...

塩田千春さん。
 

1972年大阪生まれ。
展示空間に糸を張り巡らせるインスタレーションや
様々なマテリアルを使って、
規模の大きな作品を製作し続けています。
これまで日本、欧米、中東、
オセアニア、そしてアジア諸国など、
約200の展覧会で紹介されている
国際的なアーティストです。
現在はベルリンに在住だそうです。







 
隣の部屋には

このあたりの海岸線では
塩が古くから作られていたんです。
たしか弥生時代には
始まっていたのではないかなー。

で、塩を作るのには砂が必要で、
その砂を運んだ舟を
砂取舟って言うそうです。
資料も展示されていました。

塩田(しおた)さんと
塩田(えんでん)って!!
駄洒落??





 
お米だ
海岸線を走っていると、
あちこちに収穫された
稲穂が干されているのを目にしました。

「はざかけ」って言うのですよね。
養分が降りて、
お米がいっそう美味しくなるそうです。

いいなーいいなー。

これもまたいい風景。
 

静岡の登呂遺跡で
米作りに参加したことがあるスソさん。
そのもようは、このページの
「登呂遺跡編」を御覧くださいませ〜。







 
次は?
小屋に近づきます。

外壁にサザエが貼り付いていますね!
中にも入れるようです。

海岸沿いの小屋
 

のどかな中に小屋があるようにみえますが
日本海というとついつい冬の
この現場の様子を想像して、
なにかが身にしみるミミケンです。







 
ほお~~
あ、これ、貝の中に入るのか~~!!

自分がサザエになった気分です。

それになんだか
ほわーっと包まれるような
温かな気分になる。

波の音を聞きながら、
ここで寝ちゃいたい感じです。


村尾かずこの作品で
『サザエハウス』。

村尾かずこさん。
 

村尾さんは大学時代に
フレスコ画に出会い、
日本の左官技術と融合させた
作品を発表しつづけておられます。
一般向けにも、
左官材料(土、藁、石灰など)を使った
ワークショップなども開催しています。
興味がある方は検索を!







 
さてさて
この空、
もう雨の心配はなさそうです。

木ノ浦海岸にやってきました。

崖から飛び出ている建物は、
ここで撮られた映画『さいはてにて』の
セットとして作られた船小屋だそうです。

芸術祭では、
茶室のしつらえになっています。

吉田ぎょうこ+KINOURA MEETINGの作品
『海上のさいはて茶屋』。

吉田ぎょうこさんと
KINOURA MEETING。
 

よしだぎょうこさんは、1970年名古屋生まれ。
大学では日本画を学んでおられます。
「日本の絵画」を一貫したテーマとして
絵画、インスタレーション作品を
制作し続けています。

KINOURA MEETINGとは
木ノ浦湾「海上のさいはて茶屋」
プロジェクトチームの名称です。
美術家、工芸家、経済学者、哲学者、
ファッションデザイナー、
炭焼き師、茶人など様々な人々が参加。







 
崖下へ
舟がくるくると回転しています。

アローラ&カルサディージャの作品
『船首方位と航路』。

船首の像はアメリカ軍が
アメリカ・スペイン戦争で使った
軍艦の像がモデルだそうです。
この戦争で、
作家たちの在住するプエルトリコは
アメリカへ割譲されたということ。
(ガイドブックより)

舟の大きさに対して像が
いかにも大きい。
危ういバランスでくるくる回る…

奥に見える崖の谷間の海の色が
なんとも美しいのでした。

アローラ&カルサディージャさん
 

Allora & Calzadillaと書きます。
男性と女性の二人組のアーティスト。
一つの対象を
徹底的に調査し、解釈し
アプローチをすることで
国際的に注目されています。
映像・音・彫刻・
パフォーマンスなど
さまざまなメディアで作品化します。



 
映画『さいはてにて』の
映画のモデルになった
二三味珈琲(にざみコーヒー)。
焙煎の作業場はすぐ近くの
山手のほうにあります。

併設のカフェもあるのですが
残念ながら定休日でした。

ちょっとごあいさつ。

ガクーっときますが。

 

遠くの地にきて
お店が定休日だったときの悲しみたるや。
「もしかしたら、
もう二度とこれないかもしれないのに」
と思って、絶望をいたします。
それもまた思い出である、
と立ち直るのが大人(土偶)でもあります。













 
順調~
木の浦海岸を出て、海岸線を進み
折戸の交差点を右に(山側)に
入るとすぐに
公民館があります。

ここは
さわひらきの作品『魚話』
が展示されています。

石川県出身の作家で、
戦前に祖父が珠洲で
働いていたことがあったそうです。
(ガイドブックより)

その祖父が深刻な病気を患い
金沢から毎日氷を舟で運び、
冷やしたお陰で助かった、
というエピソードを
陸さんはさわさんから聞いたそうです。

映像作品では、灯台や舟、
珠洲の風景、氷、
着物の女性と男などが
断片的に2画面に映し出されていました。

蓄音機や木琴で作られたオブジェ、
音響や照明、
建物全体を使った作品演出で
見応えがありました。


 
再び海岸線を
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一行はついに能登の
端っこへやってきました。

太陽が海から出て、海へ沈む。
それが観れる場所!

禄剛崎(ろっこうざき)灯台がある
狼煙(のろし)町。

息を切らして丘へ上がります。

崖の下は海。

こっちにロシア!
こっちに韓国!
と心の中で叫びます。

先端!
 

太平洋から向こうを望んでも
陸地はずいぶん遠いですが、
日本海からは外国がずいぶん近いですね。
昔から人は行ったり来たりしてたんだろうなあと
ミミケンはいつも思います。



 
昼ごはんだ
さて、このあたりで
休憩にしましょうー。
続きは次回に!!!

 
2017-09-24-SUN
 
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