小ネタ劇場には愛がある。
タナボタばんざいさんちのお子さんも、
フクさんちと
同じくらいの年齢ですよね、たぶん。
へんちくりんさも同じような感じです。
(笑)
上の子も下の子も、
どうやら「人の言わないことを言いたい」
という気持ちがあるみたいなんです。
下の子は漢字の宿題で、
「海という字を使った文章を書きなさい」
という問題が出たときに、
父ちゃんの机から
漢和辞典をズリズリっと引っ張ってきて
「海老で鯛を釣るのはおトクだと
父が言っている」って、ドヤ顔で‥‥。
(笑)
ふつうにやろうとしたら
「夏休みに、家族で海水浴に行きました」
とかですよね(笑)。
しかも「おトク」がカタカナでした。
そっちのほうがおトク感があるから。
いいセンスしてる。若いのに。
でも、きっと先生も楽しいと思いますよ。
そういう答えが混じると(笑)。
そういう、何ともおかしい回答のことを
「ルビー」って言うらしいですね。
え、採点業界では?
そうなんですか?
採点業界‥‥。
同じような解答ばかり並ぶところに、
たまに混じってくる、
そういう、なんともおかしい答えを
「ルビー」と呼ぶんだそうです。
以前、野坂昭如さんが
『VOW』かなんかに書いてました。
宝石を見る‥‥眼福ってことか。
じゃあ、タナボタさんちの息子さんの
「エビタイ」は、「ルビー」だ。
今みたいに、小ネタ劇場への投稿って、
生活圏内で起きた出来事ばかりだから、
その人と
まわりにいる人との関係性が見えて、
いろんな想像が広がるところに、
おかしみを感じるところがありますね。
うちなんかは、
よそでは絶対しないような夫婦の話を、
小ネタのコーナーで垂れ流しですよ。
小ネタ劇場のイラスト脇に書いてある
「いいぞー」「がんばれー」
「ワハハハ」という
あの言葉を頼りに投稿してる感じです。
ああ、そうそう、
あのリアクションがほしいんですよね。
たしかに、投稿ネタと同じことを
実生活で披露しても、
なかなか、思うようなリアクションが
返ってこないこともあるでしょうね。
そう、「それはさておき」みたいな。
小ネタ劇場のページに載った投稿として、
間接的に見せると、
おかしがってもらえたりとかします。
あの枠で見ると、素直に受け入れられる、
みたいなところはあるのかも。
「こんなおもしろいやつがいる」って、
書き方によっては、
ただ人を笑いものにしている感じにも
なってしまいがちですけど、
小ネタ劇場に採用された投稿を読むと、
ネタにされている人と、
ネタにしてる人との間に愛情を感じて、
うれしい気持ちになります。
だから、わたし、大好きなんです。
読んですごくおもしろいんだけど、
鼻で笑ってない、
おなかでワハハと笑っている感じ。
馬鹿にしてないんですよね。
むしろ「そんなあなたが好き」みたいな。
それ、すごく一貫してますよね。
わたし、小ネタで超笑ったりすると、
「最高」と思って、
画面のスクリーンショットを撮って、
妹に無理やり読ませてます。
普及活動、ありがとうございます(笑)。
最近で言うと、
「トイレがくさいくさくないでモメた」
みたいなやつ‥‥。
あ、あれ。おもしろいですよね(笑)。
わたしが出た直後のトイレに入ろうとして、
「やっぱりくさそうだからやめとく」と言う夫。
くさいくさくないの言い合いをしている
わたしたちの間に
首から、体育の先生が使うような
ホイッスルを下げた息子(4歳)が登場。
「僕が今からトイレに入って、
くさかったら笛を吹くからね」
と言ってトイレに入り、ドアを閉めた直後、
ホイッスルの音が
家中に鳴り響きました。
(ぶたこう)
あれは‥‥ここにはいらっしゃらない、
他のどなたかからの投稿です。
「鳴り響きました」って(笑)。
「家中に」って。(笑)。
あれ、すごい笑った。ほんと最高。
<つづきます>
2017-03-10-FRI
2017年3月31日午前11時まで開催している
「ほぼ日ブックスフェア2017」
期間中に
全4巻組の「ぜんぶセット」をお求めいただくと
通常の購入特典である
「6種のきせかえカバー+金のカバー」に加えて
「酒井駒子さんのマグカップ&コースター」が
もれなく、ついてきます。この機会に、ぜひとも!
© HOBO NIKKAN ITOI SHINBUN