7「おいしいね」って言い合いたい。
- 斉藤
- 前回のばななさんと糸井さんの対談、
料理の褒め方が美しくて。
ごはんを一緒に食べると
おいしそうなかただなという感じがしてましたけど、
やっぱり。
- ばなな
- すごいですよ、私の執念。
- 武井
- 執念なんですか(笑)。
- ばなな
- おいしい店を探していて、
みんな諦めて倒れそうなときでも、
「あと100メートル歩くんだ!」みたいな。
- 飯島
- わかる。
何メートルでも
歩いちゃいますよね。
- ばなな
- 旅行に行って、
食べることに情熱がない人だと、
別行動にします、きっぱりと(笑)。
- 飯島
- そうですよね。
- 斉藤
- ただ、それで別行動をしても、
みんなで集結して食べるときが
一番盛り上がりますよね。
- 武井
- ひとりだと、
本当においしいのかなってところが、
わかんなくなっちゃうから。
- 飯島
- 「おいしいね」って言い合いたいですね。
- ばなな
- でも、ひとりもいいと思います。
5人のブロガーがひとりずつ、
いろんなところに食べに行く
ドキュメンタリー映画がありますよ。
世界中の三つ星レストランをぜんぶ回るっていう‥‥。
- 飯島
- 相当なお金持ちですね。
- ばなな
- いろんなことをやって
リタイアした人達なんです。
『 99分、世界美味めぐり』というんですけど、
いい映画ですよ。
ホントに食べることが好きって
こういうことなのかと感動しました。
オムニバス形式なんですが、
それぞれの人がものすごくて。
- 飯島
- 観てみます!
- 斉藤
- ああ、わかります。
さっき自分で言ったことと逆じゃないか、
って自分で思うんですけど、
でも、わかります。
「みんなで食べるの楽しいよね」
っていうのはもちろん前提としてあるんですけど、
ひとりで食べるのも、
本当はすっごく楽しいんですよ。
- 武井
- そう、どっちも否定できない。
みんなで一緒に食べていると、会話にまぎれて、
おいしさが堪能できないことがあります。
「あれ? しゃべってたら、
食べ終わっちゃったじゃないか!」
ってときがありますね。
- ばなな
- そうそう。
- 斉藤
- このあいだ、
東京中の担々麺の店8軒を
1日で回ったんですけど‥‥。
- ばなな
- 聞いただけで担々麺が食べたくなくなる(笑)。
- 斉藤
- ですよね。
でもね、食べてるときは、
すっごいいろいろ考えてるんです。
「ここはこういう麺で、
最後こうやって合わせて‥‥」って。
だから、全然1人でも、
なんかこう、味に没頭してると寂しくない。
- 武井
- 斉藤さんの場合は、仕事だという使命感もあるし。
- 斉藤
- そうです、そうです。
で、食べ終わったあとに
自分の携帯にバーって録音して、次、みたいな。
- 武井
- メモじゃなくて録音なんだ。
「Xファイル」みたいですね。
- 斉藤
- 最近、言った言葉が
そのまま文字になる機能があるんです。
- 武井
- あ、突然、LINEで
長い文章が送られてくるなと思ってたけど、
あれ、そうなんだ?
- 斉藤
- そうです(笑)。
- 武井
- ものすごく入力が速いんだなと思ってました。
- 斉藤
- 駅に行くまでの間に
バーってしゃべってるんです。
みんなに振り返られながら、
こうやって携帯に向かって
「麺がプツッとして、麺の番手が何番で‥‥」
- ばなな
- 言ってることがおかしいよ(笑)。
- 飯島
- 怪しい人ですよ。
- 斉藤
- ブツブツと。
でも、そういうふうに考えて食べると、
ひとりでも、それはそれで楽しいです。
- ばなな
- 食べるためだけに行くって、
楽しいだろうなぁ。
その映画に出てくる人たちのことで
「わかるな」と思ったのは、
たとえば彼らは、スイスの山の中に
1軒だけあるレストランとかにも行くんです。
スイスでこれを見たいとか、観光したいとか一切ない。
- 飯島
- それはわかります。
- 武井
- 激しく、わかります。
- 斉藤
- みんな「わかる」って言ってる(笑)。
- 武井
- 飯島さん、そろそろ次の企画をやりましょうよ。
いま、漬物をやりたいね、って
話をしているんです。
- 斉藤
- 漬物。
- 飯島
- 漬物、食べない人けっこういますよね。
私は漬物が好きなんです。
地方に行くと買ってきて、
調味料がわりにも使ったりして、
いろいろ勉強しているんです。
- 武井
- 漬物のことを知って教わって、
さらに飯島さんが、
「今の時代に使える漬物のレシピを考える」
という企画をやりたいんですよ。
- 飯島
- 白菜漬けを鍋に入れたり、
あとはしば漬けチャーハンとかも。
- 斉藤
- いい!
- 武井
- 来年はやりましょう、ぜひ。
‥‥こんなところでしょうか。
いつまでも話していられるんですけど。
- 斉藤
- いやはや、ありがとうございました。
- ばなな
- 私も、なんだかいただく一方で。
あ、そういえば
「ほぼ日」の海苔、うちの子どもが好きで、
何枚食べたかわかりません。
特に塩がついてるやつを
パリパリパリパリと、ひたすら食べる。
「ちょっと待って、そんなに」みたいな。
- 武井
- ありがとうございます。
お子さんは味のり、好きですよね。
「海大臣」は普通の焼き海苔も味が
濃いからおいしいですよ。
しかも、今年の海苔レシピには
飯島さんの「サラミご飯」があります。
- 斉藤
- サラミ?
- 武井
- 生サラミを刻んで、ご飯にのっけて、
バターのっけて、
海苔まぶして、しょうゆたらして、かっこむ。
正式には「生サラミバターライス海大臣まぶし」
っていうんですけど。
- ばなな・斉藤
- ヤバい、ヤバい、ヤバい。
- ばなな
- 3回、言っちゃった。
- 武井
- あれはおいしかった。
- ばなな
- 誰も痩せることはないね、これは。
- 飯島
- 覚悟してついてきて! みたいな(笑)。
- 斉藤
- ついていきます!
- 武井
- ついていきます!
- ばなな
- 大丈夫ですよ、いくらでも食べます。
- 飯島
- ありがとうございます。
- 武井
- みなさん、今日はどうもありがとうございました。
(おわります。最後までお読みいただき
ありがとうございました!)
2017-12-20-WED