リンダ
わたしがたち上げた
「ホットスポッツムーブメント」という会社は、
ロンドンのテムズ川沿いにある
サマセットハウスという建物のなかにあります。
かつては英国海軍本部なども入っていた
18世紀の建物なんですよ。
いまはギャラリーやオフィスが入っています。
▲ロンドンにあるサマセットハウス。
糸井
うわぁ、すてきですね。
リンダ
たくさんある部屋には、
1部屋ごとに会社が入っています。
糸井
はい、はい。
部屋が蜂の巣みたいになっていて、
そこにそれぞれ独立した会社が
入っているんですね。
▲部屋はそれぞれ独立した会社のオフィスに。
リンダ
そうです。
ここに入っている会社は
みんなクリエイティブな仕事をしています。
サマセットハウスに入る条件が、
クリエイティブな仕事をしているかどうか、なんです。
糸井
なるほど。
リンダ
食堂など、共有スペースは
ほかの会社の人たちと
いっしょにつかうことになっています。
糸井
おしゃべりして
意見も交換もできるんですね。
リンダ
はい。
サマセットハウスでは、
それぞれ独立した会社が、
おなじ建物の中で共同生活しているんです。
糸井
いやぁ、おもしろいです。
ちょっと話が飛びますが、
ぼくが「ほぼ日」をたち上げたとき、
「Only is not Lonely.」というスローガンを
つくったんですよ。
ぼくは英語が得意じゃないので、
このスローガンは英語として
まちがっているらしいんですけど(笑)。
リンダ
ええ、そうみたい(笑)。
糸井
ま、それはともかく、
ぼくが言いたかったのは
「ひとりであることは、孤独ではない」
ということです。
「ほぼ日」の仕事のやり方として、
それぞれ独立した者同士が
つながり合うことで仕事をしていく、
ということを想定して、
スローガンをつくりました。
今お話をきいていて、
このスローガンとサマセットハウスって
似ているなぁと思いました。
リンダ
ええ、ええ、わかります。
まさにそのスローガンと
おなじようなことが、
サマセットハウスで行われていますから。

「Only is not Lonely.」は、
どのようにして思いつかれたのでしょう?
糸井
ラジオ番組がヒントになりました。
それぞれ別の地域にいる者同士が
ラジオ番組にハガキを送って常連になることで、
共同体みたいなものを形成していたんです。
つまり、
「インターネットの時代になったら
 別の場所にいてもすぐに仲間になったり
 いっしょに仕事をしたりすることが
 できるんじゃないか?」と
思ったことから
このスローガンは生まれました。
リンダ
実際に、
インドでそういう事例がありますよ。
『未来企業』のケーススタディにも書いた
アショック・クリシュという人が運営している
社内のソーシャル・メディアプラットフォーム
「Knome」は、世界中から
23万人もの社員がアクセスして利用しています。
そこからアイデアを共有したり、
一緒にプロジェクトを立ち上げたりする
コミュニティが8000も生まれました。
糸井
8000、ですか!
ものすごい数ですね。
リンダ
はい。
糸井さんとアショックも気が合いそうです。
いずれご紹介しますね。
糸井
お会いしてみたいです。
サマセットにある
リンダさんの会社にも行ってみたいなぁ。
リンダ
ぜひお越しください。
イギリスにはよくいらっしゃるんですか?
糸井
いままで4~5回ほど行ったことがあります。
そのうちの1回は、モノポリーの世界大会。
日本のチームが優勝して、パレードにも参加しました。
リンダ
すばらしい。
モノポリーはおもしろいゲームですよね。
糸井
ぼく、エルトン・ジョンとしたのが自慢なんです。
リンダ
エルトン・ジョン?
糸井
はい。
ぼくはエルトン・ジョンと
モノポリーをしたことがあるんです。
リンダ
ワーォ!
どちらが勝ったんですか?
糸井
もちろん、
ぼくたちが勝ちました(笑)。
リンダ
ふふふ(笑)。
(つづきます)
2014-09-17-WED