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「転機」っていろいろありますよね。
進学、就職、結婚、あたらしい旅立ち。
いきなりおたずねしますが、
その「転機」って、
手相に出るものなんですか?
そうですね、転機を表す相というのは、
一応、あります。

もちろん転機について考えてるときに手を観れば、
このまま転機に向かって進んでいいの?
それとも転機のために準備する時期なの?
まだちょっととどまっていましょうってことなの?
というようなことは、
おそらくみなさんも読み取れると思いますよ。

けれども自分で観て、
「あ、この相だから転機の相だ!」って、
すぐに判断できるほどには、
はっきりくっきりと、
っていうかたちでは、出ないんです。

それでもわたしは、日々、いろんな方々に会って、
手相を観させていただいて、
「このあたりで変わりそうですね」
っていうことを、
読み取って伝えることがありますね。
まさしく「転機予報」ですね。
そうね(笑)
けれど、それは手相に出たからっていうよりも、
その人の頭の中や心の中に
先に出ているものだと思うんですよ。
わたしは、それを総合して読み取っている感じかな。

転機というものは、手相で、強く、
100パーセント、信頼できる線が出るものじゃない。
「手相がこうだから、こうしよう」じゃなくて、
先に頭や心の中にあるもの、なんです。
それが前提。
なるほど。
つい、手相に表れる線は
右に行け、左に行くべしと
人生をみちびく杖のようなものだと
思いたくなっちゃうんですが、
「転機は先に頭と心にある」という話は
すごく大事な気がしますね。
そうですね。
それから、転機予報には、
「気分」というものも大きいんですよ。
気分?
「ああ、この場所にいたくない」とか、
「このままじゃ何だかもやもやしちゃう」とか。
そんな気分になることってありますよね。

訳も分からない。理由付けがはっきりできないけど、
何となく心が拒絶してるとか。
何だか落ち着かない。
何だかここにいてはいけない。
どこかに行かなきゃいけない。
ああ、もう絶対わたしは
あそこに行かなきゃいけない、
そうすれば何か始まるような気がする。
そういうことですね。
「直感」というんでしょうか、
あるいは「思い」。
何となくそんな気がするなあとか、
これはいったい何だろう、
このざわざわは?! とかっていうこと。

頭、心、そして気分。
そのうえで、手相というのは。
手がかりのひとつになるものなんです、
では、手がかりのひとつとして、
ぼくらにもわかる「転機」は、
手にはどんなふうに出るものなんでしょう。
まず、運命線ですね。
どこから出発していても
中指に向かってのびていくのが運命線です。


右手ですか?
仕事とか、社会との関係性ってことにおいては
右手の方に出やすいです。
私生活は左手に出やすいですね。

運命線でまず年齢を観ます。
だいたいの目安として、
中指の付け根と、
手首線のいちばん上、
その真ん中あたりを
「30歳」と観るんですよ。

手首線が「0歳」。
そうすると、ここが「15歳」。

そして、今度はちょっと変則なんですけれども、
頭脳線に接したあたりが「35歳」。
で、次に感情線とぶつかったあたりが
「56歳」だと観ます。


0、15、30、35、56。
そうです。
じゃあ僕は46歳ですから、
頭脳線と感情線の真ん中あたりに
「今」があるわけですね。
そうですね。
そうやって時期的な転機を観ていけます。
運命線でそこに切り替えがあれば、
それを「あ、転機かな」ってふうに
自分の中で捉えてもいいのかもしれないです。

そしてもう1つ、転機は、生命線にも出ます。
人差し指の真下、親指の付け根の上あたりから
手首に向かって弧を描いていくのが生命線です。


はい。
で、それのちょうど中央あたり、
Bのところが「40歳」ぐらいって思えばいいんです。
40歳から42歳くらいかな。
その半分、Aが「20歳」、
Cが「60歳」ですね。
それでだいたいの目安は分かってくると思います。



ただ、人によって手の大きささとかいろいろ違うから、
何歳何ヶ月っていうところまで観ていこうとは、
しない方がいいと思いますけれど、
だいたいこういう目安で、
生命線と運命線に切り替えがあるかどうか。
それが転機、と言えるかな。
ここで線が切れてるからもう明らかに転機だ、
そうか180度人生を変えるんだ!
‥‥っていうことではないんですよね?

そうね。転機って、それまでの人生を
180度切り替えるものではないですよ。
過去の自分にも転機がきっと
あったと思うんですよ。
手のひらを観て、
「あ、この切り替えは
 あの大きな引っ越しのときかもしれない」
「結婚したときだ」とか、
何か自分で思いつくかもしれない。
そしてこれからの年齢のところで
手相に切り替えがもしもあったとしたら、
こう考えてください。
「あ、このあたりで切り替えがある。
 どう切り替えられたら嬉しいかな?」って。
全員 うーん!
手相ってね、いつも言ってるんですけど、
占うものじゃなくて、
手を通じて自分と会話してみるっていう
ことなんですよ。
手のひらっていうのは、
過去も未来も表れているもの。
もちろん、今っていうものも表れている。

だから、今の自分よ、こんにちは。
昔の自分よ、こんにちわ、
先の自分よ、よろしくね、って、
手を見ることでいろいろ
自分と会話していけばいいんですよ。
手相のいちばんおっきな意味は
自分と会話をすることなの。
自分とのセッションていうことですね。

それは占うとかじゃなく、
手を観ているだけでも
何となく自分が、自分を感じることができる、
っていう感じかな。

ありがとうございます。
では、今のお話を前提に、
おおたかとふじたの二人の手をサンプルに
「転機」のこと、
もうすこし観ていきましょうか。
ふたりは、1月に「ほぼ日」に入った
新人なんですよ。

そうなの?! おおたかさん、
ふじたさん、どうぞよろしくお願いします。
(緊張して)
どうぞよろしくおねがいします!
(緊張して)
よろしくおねがいします! マーコ先生。
先にざっと手を観させていただいてもいい?
(ふたりの手を観る)
‥‥ふむふむ、はい、なるほど。
はい、だいたいわかりました。
もう分かられちゃった(笑)?!
すごい緊張しちゃった!
(つづきます)
2012-04-02-MON

   





*表紙は中居正広さんです。




協力:anan編集部(マガジンハウス) 
手相イラスト:上田三根子 
そのほかのイラスト:ほぼ日刊イトイ新聞