毎年この時期は日本に帰国しているのですが、 今年はギリシャにいて、 初めて「アポクリエス」というお祭りを見ることができました。 キリストの復活祭(イースター)までの7週間は、 イエスが断食をしながら修行したことにちなんで、 伝統的には肉を断つ節食期間になります。 「アポクリエス」はその期間に入る前の、肉食と告別するお祭り、 つまり「カーニバル(謝肉祭)」です。 ギリシャのカーニバルも他の国同様、仮装行列があります。 先日、アテネで比較的大きいとされる モスハトという街の仮装行列に行ってきました。 いろんな仮装をした人がただ行列を作って 歩くものかと思っていましたが、 仮装行列に参加するには団体での登録が必要なため、 私達は沿道で見る側です。 団体ごとにそれぞれ一つのテーマを決めており、 この時は「白雪姫」「フリントストーン」 「メキシカン」「ファインディング・ニモ」 「トロール」「スマーフ」「囚人」「ハワイアン」など。 変わったところだと「スクラブル」という ボードゲームに扮した団体もいました。 見る方も思い思い好きな仮装をしており、 ホイッスルを鳴らしたり、紙吹雪や紙テープを投げつけます。 普段ならどれも褒められたことではないですが、この日ばかりは無礼講。 子供も親に咎められることなく大騒ぎです。 見ているだけでも、次に来ているのはなんだ、 あの人のあれがおかしいなどと言いあったりして楽しいです。 うちの娘もさぞかし楽しんでくれるだろうと思いきや、 お祭り道具の泡スプレーを買わなかったことでみるみる不機嫌に。 普段と違いすぎる街の様子にも不穏なものを感じたのか、 後半はずっとべそをかきながら怒ってました。 今回行ったのはモスハトでしたが、 ギリシャ最大、かつ世界的にも有名なのは パトラスという街のパレードです。 また個人的にすごく興味があるのは、 古代信仰を色濃く残し、50kgものカウベルを腰からぶら下げ、 ヤギの皮に身を包んだコスチューム(めちゃくちゃ恐いです)で 行われるスキロス島のカーニバル。 娘はもっと怒るかもしれませんが、いつかぜひとも行ってみたいです。 升ノ内朝子
2017-03-09