夏がこぼれる
ブーゲンビリアと言えば、
南国によく咲いている代表的な花の一つですが、
ギリシャでもまた、街のいたるところで
こぼれんばかりに咲いています。
特に島へ行くと、真っ白い建物に
鮮やかなマゼンダのコントラストがよく目立ちます。
私が今回描いたのも、そんな島によくある風景で、
カフェにいたご婦人の装いが、ちょうどブーゲンビリアの色に
合わせたかのようでとても素敵でした。
このご婦人のように、日本では着るのを少しためらわれるような
鮮やかな色の服も、ギリシャではよく見かけます。
肌の露出もめちゃくちゃ高い。
ギリシャで結婚式や洗礼式にお呼ばれした時の服選びで、
「この服ちょっと派手かしら。」と思っても
実際行ってみると全くそんなことはなくて、
必ず何人か突き抜けて派手な人がいるので、
そういう心配はここでは無用なのだと悟りました。
そういった鮮やかな色をギリシャ人が好むのは、
やはりギリシャの海や空といった自然の色が
はっきりしているからなのかもしれません。
かくいう私もギリシャの風景を描くようになってから、
「絵が明るくなった」とよく言われます。
ファッションに関してはまだギリシャ人化していない
と思っているのですが、もしかすると、
将来は日本でだいぶ浮いてしまうかもしれないので、
心得ておきたいと思います。
升ノ内朝子
2024-10-12