分厚くふくらんだ、2005年の
サカキシンイチロウさんの「ほぼ日手帳」。
だいじにとっておくために、
記念のスーツを解体して表紙にし、
製本をしよう! ということになりました。
この作業を、美篶堂社長の上島松男さんが担当。
まずは解体のようすを、
たくさんの写真でお伝えしようと思います。
「たしかに厚いですね。
背が、平らではなく、
内側に入ってしまうほどに。
これを平らにしないとなりませんから、
すべて、いったん、解体して、
つくりかえさせていただこうかなと思います」
「こんなふうに左右のページをまたがって
スクラップしているページもあるんだね。
そうなると、解体するといっても、
こういうところは
切らずに残したいですよね」
「ここもそうだ。
こういうページがあんがい多いね(笑)」
「よし、はじめましょう」
「まず表紙を‥‥」
「こうして外します」
「背も外して」
「なるほど、製本は糸かがりで、
背はホットメルト(接着剤)で
固めているんですね」
「切ってもここがつながってればいいわけだよね。
だけど、なるべくならつなげておきたい。
だから、切れるところで切りたいわけです。
頭からやっていきましょう。
両面とも1ページで完結しているところに、
カッターを入れていきます」
「こうして少しずつ解体します」
「そして、あらためて、
剥がれてしまう可能性のあるところは糊を使って、
ばらけないように確認しながら、
1冊の本としてととのえていきます」
「こういう糊付けは、はみださないよう、
慎重にやらないとね」
「これで背がまっすぐになりましたね」
「そして、本は、天(てん=上部)を
揃えたほうがきれいですから、
こうしてトントンと」
「厚手のボール紙で挟んでおさえながら」
「背に糊を塗ります」
「これは寒冷紗(かんれいしゃ)という布です。
本の背に貼って、崩れないようにする役割と、
表紙と、ページが離れないようにする
補強の役割があります」
「寒冷紗の上から糊を塗って」
「乾かします。
ページが広がらないよう、
文鎮で重しをしておきましょう」
「最初の革カバーがオレンジでしたから、
見返し(表紙とページの間に入る紙)も
オレンジにしますね」
「寒冷紗がついたところで、
見返しをつけます」
「束を測って」
「1枚、紙を背につけて」
「きっちりおさえながら、
花布(はなぎれ=書籍の背の天地につける布)を
貼っていきます」
「そしてまた、重しをして
しばらくおいておきましょう」
(つづきます!) |