分厚くふくらんでいた
2005年のサカキシンイチロウさんの
「ほぼ日手帳」を解体、
前回は、ハードカバー製本をするために
「ととのえる」状態までを紹介しました。
今回は、スーツを解体するところから、
完成までを紹介します。
![](images/p_04/01.jpg)
スーツの解体を担当するのは、
上島さんの娘さんで、
美篶堂をいっしょにきりもりしている、
明子さんです。
![](images/p_04/02.jpg)
「ここの部分を使おう。
ネームの部分が大事だからね」
と、相談。
![](images/p_04/03.jpg)
スーツの解体を開始しました。
裁ちばさみで、縫い目を慎重に切っていきます。
手縫いのスーツなので、比較的作業しやすいみたいです。
![](images/p_04/04.jpg)
いっぽう、上島さんは「見返し」をつける作業にかかります。
![](images/p_04/05.jpg)
糊で、1ページ目と、最終ページにはりつけます。
![](images/p_04/06.jpg)
スーツから、裏ポケットのネームの部分が外されました。
![](images/p_04/07.jpg)
そして表紙になる部分も、切り出し。
![](images/p_04/08.jpg)
背、そして表紙、
裏表紙をじょうぶにするため、
生地に裏打ちをします。
この裏打ちには、和紙を使います。
ちなみに今回の製本方式は「ドイツ装」。
背と表紙、裏表紙を別々につくって
あとで合体させる手法です。
![](images/p_04/09.jpg)
補強といえば、本体の背の寒冷紗は、
2枚、重ね貼りをすることにしました。
強度を上げるためです。
![](images/p_04/10.jpg)
製本職人でもある上島さんの甥の真一さんが、
上島さんの工程をサポート。
スーツの生地を貼った表紙を、
サイズどおりにカットしていきます。
![](images/p_04/11.jpg)
裏打ちの紙の、さらに裏側に、ボール紙を貼ります。
これが芯となり、ハードカバーの表紙ができます。
![](images/p_04/12.jpg)
端をくるんで、表紙のパーツが完成。
![](images/p_04/13.jpg)
ちなみに製本用の刷毛は、
「いいものほど、ちがう」そう。
いい刷毛は、糊に刷毛の跡がつかないんですって。
![](images/p_04/14.jpg)
裏表紙と、背。
![](images/p_04/15.jpg)
表紙を仮にあててみます。
![](images/p_04/16.jpg)
各パーツを接着。
![](images/p_04/17.jpg)
表紙ができあがり。
![](images/p_04/18.jpg)
ぴったり!
![](images/p_04/19.jpg)
あれ、なにか足りない‥‥。
![](images/p_04/20.jpg)
スピン(しおり)がなかったのでした!
「ほぼ日手帳」はカバーにしおりがあるのですが
本体にはついていなかった。
「本」ですから、つけなくちゃね、
というわけで、ちょっと剥がして、再接着。
![](images/p_04/21.jpg)
仕上げです。ボール紙の内側にさらに紙を貼り。
![](images/p_04/22.jpg)
背の部分に、溝をきれいに入れて圧着させるため、
機械を使います。
これはちょっと特別な工程。
![](images/p_04/23.jpg)
見返しと、表紙を貼り付けます。
![](images/p_04/24.jpg)
よし、完成!
![](images/p_04/25.jpg)
まだ糊が乾いていないので、
ずれないようにきっちり紙でくるみました。
さて、これでサカキさんの2005年の「ほぼ日手帳」の
ハードカバー製本ができあがりました。
あまったスーツ生地は、上島さんたちがあらためて
ノートにして送ってくださることに。
それをまとめて、サカキさんに渡すことになりました。
サカキさん、いったい、どんな反応するだろう?!
(つづきます) |