秋空の下のマーケット 「もみじ市」がやってきます

その5 手紙社さんにて ♯2     つまり、究極の友だち自慢。

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北島 「何かやりたい」ではじめた
1回目の「もみじ市」に、
予想していた以上の
お客さんが来てくださったんだよね。
2日間で600人くらい。
千夏 ええ。
わたなべ そう、うれしくて。
スギエ うれしくて。
山下 いいなあ。
スギエ 2回目をやることは、
もう最初から考えていたんでしょうか。
北島 最初は‥‥どうだっけ?
続けようと思ってたっけ?
千夏 いや、1回目のときはそんなに‥‥
北島 あんまり思ってなかったよね?
スギエ じゃあ、1回目をやって。
北島 そうですね、やっぱり自分たちが
もっとやりたかったんだと思います。
すごい充実感があったんですよ。
ジャンルのちがう作家さんが一体になって、
まさに文化祭みたいな感じで。
山下 1回目からすごかったんですねえ‥‥。
スギちゃんは?
その1回目にも行ってるの?

スギエ 1回目はまだ知らなかったんですよ。
2回目の「もみじ市」からだと思います。
北島 ああー、ということは、
あれをみられちゃいましたか。
山下 あれ、というと?
スギエ 1日目が台風で中止になったんです。
山下 ああー、そうか。
一度それがあったんですよね。
スギエ 何度も何度もホームページをチェックしました。
台風きてるけど、やるの? やらないの?
北島 あの1日は‥‥ほんとうに、
映画1本になるくらいの、1日で‥‥。
山下 考えただけでもたいへんなことですよね。
食べ物を用意している出店者も
たくさんいらっしゃっただろうし。
わたなべ そう‥‥。
北島 それまでにやった2回が、
ずっと天気に恵まれてたんですよ。
だからなんとなく、
雨は降らないもんだと思ってたんです。
ほんとに勝手な思い込みなんですけど。
スギエ 遠くからきたお客さんも
たくさんいらっしゃいましたよね。
わたなべ ええ。
サイトで中止のおしらせはしたんですけど
念のため会場に行ってたら‥‥
いらっしゃるんですよ、何人かが。

千夏 わざわざ遠くから、
たのしみにして来てくださったかたが。
北島 「もしかしたらやってるかもと思って」って、
台風のなかを。
わたなべ 「場所だけでもみておきたかった」
というかたもいらっしゃいました。
山下 天気‥‥こればっかりは、
どうにもなりませんよね。
北島 ただもう、晴れてくれと。
山下 こわいですね、雨は‥‥。

北島 そうですね。
あとは、ほんとうに人が来てくれるのか
っていうのも、
1回目からずーっとこわいですね。
基本的にネットでの告知だけですから。
山下 いまでもこわいですか。
北島 やっぱりそれはありますよ。
お客さんが来なかったら、
作家さんたちに合わせる顔がないですから。
スギエ そうですよね、
人を集めるイベントっていうのは
どんなにやっても
「こわい」という部分はありますよね。
わたなべ ありますね。
山下 ‥‥あの、こわくても、たいへんでも、
北島さんがこれをやり続ける
動機っていうのはなんなのでしょうか?
北島 お、また単刀直入ですね(笑)。
山下 すみません。
北島 やり続ける動機‥‥。
説明がむずかしいんですけど。
あれですね‥‥
青臭い言い方ですが、
まずは、みんなで一緒に何かを成し遂げるのが
たのしいんです。
山下 はい。
北島 それと、
最近になってはたと気づいたのは‥‥
あの、ちいさいころって、
「うちのお兄ちゃんはすごいんだよ」とか
「おれのともだちにすごいやつがいる」って
自慢をするじゃないですか?
「もみじ市」は、
あれなんだろうなって思ったんです。
つまり、究極のともだち自慢。
「こんな素敵な器を
 つくれるやつがいるんだぜ」とか、
「こんなに美味しいご飯を
 つくれるやつと友だちなんだ」とか。
ぼくらは、そういうことをやっている気がします。
誇らしい感じ。
千夏 ‥‥うん。
わたなべ そうですね。

  (つづきます)

2010-10-06-WED
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