北島 | 「何かやりたい」ではじめた 1回目の「もみじ市」に、 予想していた以上の お客さんが来てくださったんだよね。 2日間で600人くらい。 |
千夏 | ええ。 |
わたなべ | そう、うれしくて。 |
スギエ | うれしくて。 |
山下 | いいなあ。 |
スギエ | 2回目をやることは、 もう最初から考えていたんでしょうか。 |
北島 | 最初は‥‥どうだっけ? 続けようと思ってたっけ? |
千夏 | いや、1回目のときはそんなに‥‥ |
北島 | あんまり思ってなかったよね? |
スギエ | じゃあ、1回目をやって。 |
北島 | そうですね、やっぱり自分たちが もっとやりたかったんだと思います。 すごい充実感があったんですよ。 ジャンルのちがう作家さんが一体になって、 まさに文化祭みたいな感じで。 |
山下 | 1回目からすごかったんですねえ‥‥。 スギちゃんは? その1回目にも行ってるの? |
スギエ | 1回目はまだ知らなかったんですよ。 2回目の「もみじ市」からだと思います。 |
北島 | ああー、ということは、 あれをみられちゃいましたか。 |
山下 | あれ、というと? |
スギエ | 1日目が台風で中止になったんです。 |
山下 | ああー、そうか。 一度それがあったんですよね。 |
スギエ | 何度も何度もホームページをチェックしました。 台風きてるけど、やるの? やらないの? |
北島 | あの1日は‥‥ほんとうに、 映画1本になるくらいの、1日で‥‥。 |
山下 | 考えただけでもたいへんなことですよね。 食べ物を用意している出店者も たくさんいらっしゃっただろうし。 |
わたなべ | そう‥‥。 |
北島 | それまでにやった2回が、 ずっと天気に恵まれてたんですよ。 だからなんとなく、 雨は降らないもんだと思ってたんです。 ほんとに勝手な思い込みなんですけど。 |
スギエ | 遠くからきたお客さんも たくさんいらっしゃいましたよね。 |
わたなべ | ええ。 サイトで中止のおしらせはしたんですけど 念のため会場に行ってたら‥‥ いらっしゃるんですよ、何人かが。 |
千夏 | わざわざ遠くから、 たのしみにして来てくださったかたが。 |
北島 | 「もしかしたらやってるかもと思って」って、 台風のなかを。 |
わたなべ | 「場所だけでもみておきたかった」 というかたもいらっしゃいました。 |
山下 | 天気‥‥こればっかりは、 どうにもなりませんよね。 |
北島 | ただもう、晴れてくれと。 |
山下 | こわいですね、雨は‥‥。 |
北島 | そうですね。 あとは、ほんとうに人が来てくれるのか っていうのも、 1回目からずーっとこわいですね。 基本的にネットでの告知だけですから。 |
山下 | いまでもこわいですか。 |
北島 | やっぱりそれはありますよ。 お客さんが来なかったら、 作家さんたちに合わせる顔がないですから。 |
スギエ | そうですよね、 人を集めるイベントっていうのは どんなにやっても 「こわい」という部分はありますよね。 |
わたなべ | ありますね。 |
山下 | ‥‥あの、こわくても、たいへんでも、 北島さんがこれをやり続ける 動機っていうのはなんなのでしょうか? |
北島 | お、また単刀直入ですね(笑)。 |
山下 | すみません。 |
北島 | やり続ける動機‥‥。 説明がむずかしいんですけど。 あれですね‥‥ 青臭い言い方ですが、 まずは、みんなで一緒に何かを成し遂げるのが たのしいんです。 |
山下 | はい。 |
北島 | それと、 最近になってはたと気づいたのは‥‥ あの、ちいさいころって、 「うちのお兄ちゃんはすごいんだよ」とか 「おれのともだちにすごいやつがいる」って 自慢をするじゃないですか? 「もみじ市」は、 あれなんだろうなって思ったんです。 つまり、究極のともだち自慢。 「こんな素敵な器を つくれるやつがいるんだぜ」とか、 「こんなに美味しいご飯を つくれるやつと友だちなんだ」とか。 ぼくらは、そういうことをやっている気がします。 誇らしい感じ。 |
千夏 | ‥‥うん。 |
わたなべ | そうですね。 |
(つづきます) |
2010-10-06-WED |