北島 | これ、当時、自分でつくってた雑誌なんですけど、 なんていうんですかね、こういうの。 |
わたなべ | 公私混同? |
北島 | そう、かんぜんな公私混同(笑)。 自分たちの「もみじ市」を紹介したんです。 |
スギエ | あ、これが1回めのですか? |
北島 | そう、1回めです。 |
スギエ | へえーー。 |
北島 | みんなでユニクロで買った服を ユニフォームみたいにしてね(笑)。 |
スギエ | たのしそう‥‥。 |
北島 | だいぶ昔のことのような気がするけど、 そんなに前じゃないんだよねぇ。 |
わたなべ | ねえ。 |
北島 | (セソコさんに)席、空いた? ‥‥じゃあみなさん、移動しますか。 |
山下 | あ、向こうの席に。 |
北島 | ええ、お昼ごはんの時間が終わりましたので。 |
わたなべ | お客さんもいらっしゃらないので。 |
山下 | そうですか、 じゃあ、せっかくなので。 (移動する) |
北島 | ‥‥というわけで、つづきはこちらで。 |
山下 | あー、いいですねえー、 本と雑貨に囲まれて。 |
スギエ | あらためて、よろしくお願いします。 |
北島 | よろしくお願いします、 とは言うものの‥‥ 千夏ちゃんは、あと5分なんだよね、 ここにいられるのが。 |
千夏 | すみません、 仕事に行かなくちゃならなくて。 |
スギエ | あ、そうなんですね、 こちらこそすみません、お仕事なのに。 |
北島 | あと5分、「もみじ市」について語って(笑)。 |
スギエ | ぜひ。 |
山下 | あと5分。 では、どうでしょう、 「もみじ市」をやめられない理由は? |
千夏 | やめられない理由‥‥なんだろう‥‥。 |
山下 | いちばん楽しいところ、とか。 |
千夏 | ‥‥(じっくり考えて)やっぱり、 ふつうに仕事をして、 会社に勤めていると、 こういう関係を築くことって なかなかできないと思うんです。 ましてやこう、 作家さんと近い距離で関われるなんて そうそうできることじゃないですよね。 たとえば、 「この器はどうやってつくられているんだろう」 というのを直接 つくった人に聞けたりとか、 絵を描いている人に、 どうやってこれを描いてたのかを聞けたりとか。 |
スギエ | なるほど、そうですよね、 そんな機会ってないですよね。 |
千夏 | ‥‥あとは、そう、 やり続けてるいちばんの理由は、 なんとも言えない、あの、 このなにか、グッと胸にくるような感じが‥‥。 とくに、そう、 当日の朝が、すごいんです。 |
北島 | ああ‥‥朝か‥‥。 |
千夏 | なんとも言えない緊張感と、 言い表せない気持ちが入りまじって‥‥。 |
北島 | ついにきた、いよいよだ‥‥って。 |
千夏 | 長いあいだずっとメールとか電話で やり取りしていた人たちが、 ぜんいん勢ぞろいして、 朝の空気のなかで、 「おはよう!」 「おはよう!」 「おはようございます!」って。 |
北島 | そこでまず、泣きそうになるんです。 |
千夏 | そう(笑)、はじまる前に泣きそう。 「どうかよろしく!」っていう、 当日の朝が、ものすごいんですよ。 |
わたなべ | うん‥‥。 |
千夏 | わくわくするし、 がんばろう!って思うし。 |
北島 | 北から南から集まって来るからね。 |
千夏 | ええ。 |
スギエ | ‥‥それは、たまらないですね。 |
山下 | なんか‥‥すばらしいです。 「もみじ市」を主催されているかたの気持ちの 神髄をうかがえたような‥‥。 |
千夏 | そうですね、やっぱり朝が、いいんです。 何にも変えられないものがあります。 |
山下 | ‥‥千夏さんも、あれですね、 うちのスギエと同じで、 内に情熱を秘めるタイプですね。 |
スギエ | なに言ってんですか(笑)。 |
山下 | 物静かにみえていた人が こころをこめて話しはじめたときの すごみをみました。 |
北島 | 千夏ちゃんは小さな巨人と言われていますから。 |
山下 | その呼び名の理由が、いまわかりました。 |
千夏 | あ、ごめんなさい、 ほんとにタイムアウトです(笑)。 |
山下 | すみません、引きとめてしまって。 千夏さん、ありがとうございました。 |
千夏 | ありがとうございました、 失礼いたします。 (千夏さんだけ、去る) |
(つづきます) |
2010-10-07-THU |