北島 | 千夏ちゃんが仕事に行ってしまったので、 セソコに加わってもらいました。 |
セソコ | よろしくお願いします。 |
スギエ | よろしくお願いします。 |
北島 | 彼は前の会社で、 ぼくの後輩だったんですよ。 |
ほぼ日 | ということは、 北島さんが会社のお仕事をしながら 「もみじ市」を運営している姿を ちかくでみていた? |
セソコ | みてました。 プライベートと仕事をわけられる人じゃないので、 これはそのうち‥‥と思ってました。 |
わたなべ | けっきょく独立して(笑)。 |
北島 | 現在にいたります(笑)。 |
山下 | セソコさんは、いつから手紙社に? |
セソコ | 去年です。 「もみじ市」の事務局スタッフを 去年はじめてやりました。 |
山下 | どうでしたか、やってみて。 |
セソコ | たいへんでしたねえ(笑)。 出店するすべての作家さんを ブログで紹介していったじゃないですか。 事務局のスタッフで担当を分担して、 会いにいって、取材をして、 原稿を書いて、ブログをアップする。 これを10数件やらせてもらって、 もう、たいへんで‥‥。 でも、たいへんだったんですけど、 それだけ多くの作家さんに会って お話をうかがえるのは編集者として すごく刺激的でたのしい作業でした。 |
北島 | 日本語も堪能になったしね(笑)。 |
セソコ | いやいやいや(笑)。 いま、それを言いますか! |
北島 | 言葉の壁も乗り越え、 日本の文化を吸収して(笑)。 |
セソコ | ほんと、冗談でそういうことを言っちゃうと、 そのまんま本気にされますから(笑)。 |
スギエ | セソコさん、ご出身は‥‥? |
セソコ | 神奈川県です。 国籍は日本です。 先祖をたどっていくと、沖縄らしいんですけど。 |
北島 | なんだか年々、異国風になってくるよね。 |
セソコ | ぼくの話はもういいじゃないですか(笑)。 |
山下 | ありがとうございます、失礼しました(笑)。 では、作家さんたちとの出会いについて うかがいたいのですが。 |
北島 | 作家さんあってのもみじ市なので、 どんな作家さんに出てもらうかというのは、 ものすごく慎重にやっています。 |
スギエ | 基本的にはやっぱり、 北島さんとかみなさんが 「このひと」と思ったかたを? |
わたなべ | そうですね。 |
北島 | ピンときた人をみつけたら、会いにいきます。 |
スギエ | 会いにいく。 |
北島 | 先方からのアプローチで決まったことも 何度かありましたけど、 基本的にはぼくらがピンときた人に 会いにいくんです。 |
山下 | なるほどぉ。 ‥‥その、「ピンとくる」という部分で みなさんの意見がずれたりは、 ないんでしょうか。 |
北島 | ありますよ。 微妙に意見がずれることはよくあるよね? |
わたなべ | ありますね。 |
スギエ | で、最終的には どうやって決まるんでしょう。 |
北島 | 最終的には やっぱり話し合って決めるんですけど、 多数決ということではないです。 やっぱり、 「この人にお願いしたい」っていう 熱意が事務局の誰かにあれば‥‥。 |
山下 | ああ、それはぼくらも同じかもしれません。 今回のこの取材が実現しているのも、 まさしくスギエの熱意ですから。 |
スギエ | いや、わたしはそんな‥‥。 はじめて行ったときに ほんとにいいなぁって思ったんですよ。 この雰囲気は素敵だなあって。 ‥‥ちょ、わたしの写真はいいから(笑)! |
山下 | 気にせず続けてください。 |
スギエ | とにかく、 ほぼ日の読者にも伝えたいと思ったんです。 ことばや写真だけじゃ、 あの雰囲気を伝えるのは むずかしいかもしれないけど、 それでも何かのきっかけになればと思って。 |
山下 | ‥‥こういう熱意ですよね。 |
北島 | そうですね(笑)、ありがとうございます。 たとえば、ひとつの例でいうと、 kata kata(カタカタ)っていう 型染めのふたりがいるんですよ。 |
スギエ | kata kataさん! いいですよね。 |
セソコ | (近くにあった作品をみせてくれる) こういうのですとか。 |
山下 | あー、おもしろーい。 |
北島 | いいでしょ、すごくいいんですよ。 すごくいいのは最初からわかったんですけど、 実はぼく、 「もしかしたら、もみじ市には合わないのかも」 って思ったんです。 |
スギエ | ええーー。 |
北島 | 最初のもみじ市を考えているとき、 全体的にシンプルなイメージだったんです。 なんとなく、白いイメージ。 |
わたなべ | そうでした。 |
北島 | kata kataの作品って、 色づかいとか鮮烈でしょう? だから、もみじ市にはどうかなって思ってた。 いま考えると、イメージが 凝り固まっていたんですよね。 |
わたなべ | 最初のもみじ市のときだよね。 |
北島 | だから、kata kataのふたりについては、 さっきの千夏ちゃんと わたなべの熱意なんですよ。 ふたりで、 「これはぜったいに、いい!」って。 「こういう人たちにも出てもらうべきだ!」って。 |
わたなべ | そうでした。 |
北島 | ふたりがそこまでいいって言うなら、 ということだったよね? |
わたなべ | ええ。 |
北島 | で、出てもらったら、 もう、すっごい人気で。 |
スギエ | そうでしょうねえ。 |
山下 | これはかわいいわ‥‥。 |
北島 | 誰かの思いが強いときには、 そこに、何かがありますよね。 |
(つづきます) |
2010-10-08-FRI |