秋空の下のマーケット 「もみじ市」がやってきます
その13「もみじ市」に参加する、    栗コーダーカルテットにインタビュー(前編)

「もみじ市」の大きなおたのしみのひとつに、
「野外でのライブ」があります。
第1回目から登場しているティコムーンさんをはじめ、
ことしの「もみじ市」にも
数組のミュージシャンが出演を予定している模様ですよ。

そんな中から、
「ほぼ日」のこちらのスライドショーや、
このアンケートのBGMでご協力をいただいた、
栗コーダーカルテットのみなさんに
「もみじ市」のお話をうかがってきました。

写真左から、栗原正己(くりはらまさき)さん、
川口義之(かわぐちよしゆき)さん、
近藤研二(こんどうけんじ)さん、
関島岳郎(せきじまたけろう)さん。

「栗コーダーカルテット」公式ウェブサイトはこちら


スギエ ライブ前でお忙しいのに、
お時間をいただけてありがとうございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
みなさん よろしくお願いしまーす。

スギエ ことしも「もみじ市」で、
演奏されるとうかがいました。
栗原 はい、ええ、そうですね。
ことしで2度目です。
川口 去年はじめて、やらせてもらって。
スギエ その、去年出演されるまでは、
「もみじ市」のことをご存知でした?
栗原 いや、あんまり知らなかったんです。

関島 ぼくも実は、そのときに初めて知りました。

近藤 でも、噂は聞いてたんだよね?

栗原 そうそう、どうもそのイベントは
たのしいらしいということは聞いてたんです。
川口くんもちょっと知ってたよね?
川口 そう、知り合いのバンドが出てたので。

関島 「あれはいい催しだから出た方がいい」
っていうのを耳にしたりして。
スギエ なるほど、まずは噂を聞いていたんですね。
栗原 で、ぼくらはその、なんだろうな‥‥
たのしそうなことをやってる場所に敏感というか。
スギエ はい、はい。
栗原 だから、「ほぼ日」もそうですよ。
ぼくは毎日チェックしてるわけじゃないですけど、
「あそこではぜったい、
 おもしろいことがいつも起こってる」
って思ってますから。
スギエ ああ‥‥ありがとうございます、うれしいです。
栗原 そういう場所にわりと敏感で、
「もみじ市」にもそんな予感がしたんですね。
スギエ その予感は‥‥行ってみてどうでした?
関島 よかったよね。
近藤 うん。
栗原 「お、ここは一種の極楽か?」みたいな(笑)。
まあ、極楽って言うとちょっと変かな。
なんか、こう、ねえ、
うまく具体的に言えないんだけど‥‥。

川口 あれだな、あのね‥‥
「もみじ市」っていうのは、
たのしさの、その温度が高すぎない。
一同 ああーー。
川口 秋の気候にちょうどいいくらいで。
なんかこう、ほんわかとたのしそうな。
スギエ 河原ですし。
川口 うん。
テンションが高すぎない感じが、
なかなかいいなあと。
スギエ はい、わかります。
関島 ぼくは人が多いところが苦手なんですけど、
「もみじ市」はすごく人が多かったのに
そんなに苦手じゃなかった。
それはなんでかな?って考えたら、
集まってる人がわりと穏やかな感じだったんです。
栗原 そうだね、穏やか。
演奏をしてても、
前に集まって聴いてくれる人と、
すこし離れて聴いてる人と、
こう、遠巻きに(笑)。
関島 そう、そう。
栗原 だいたい3層くらいになって
お客さんが聴いてる感じだった。
スギエ へええーー。
栗原 いちばん遠いところは、堤防の上なんてす。
堤防の上で通りがかった人が聴いている。
自転車止めて聴いてたり、
犬を連れた人が立ち止まって聴いてたり。

2009年「もみじ市」にて。 写真/岩崎美里さん
スギエ ああ、絵が浮かびますねぇ。
栗原 野外でコンサートをすると、
あんまり直接聴いてない人が見えたりするのも
なかなかいいものなんですよ。
それが「もみじ市」は
格別にいい感じでしたね。
近藤 うん。
スギエ 野外でコンサートっていうのは、
よくあるんでしょうか。
近藤 ことしはたまたま、
夏フェスにふたつ出たんですけど、
野外の経験はまだ数えるほどなんです。
関島 年に1、2回だよね、だいたい。
川口 そうだね。
関島 あんまり得意じゃないんですよ、野外は。
楽器の構造上。
近藤 リコーダーは、ほんと風に弱くて。
スギエ あー! そうか、そうなんですね。
近藤 そよ風が吹く程度でも音が出なくなるんです。
関島 楽器自体の音が鳴らなくなっちゃうんですね。
すごい微弱な空気の振動によってこう、
音が出てるってところに
ちょっとでも風が当たると
音が鳴らなくなっちゃうわけです。
スギエ ああー。
関島 それじゃいかんということで
ちょっといろいろ風対策を考えてはいるんですが、
まだ完ぺきではないですねぇ。
スギエ 去年のもみじ市は大丈夫だったんですか?
関島 音が出なくなる瞬間はあったんですけど、
致命的なまでにはいたらず、でした。
栗原 音が出ないことも受け入れてくれる
イベントだったような気もします(笑)。
関島 そうですね。
関島 音が出なくても、言い訳しながら、
むしろそれをたのしんでもらうような
シチュエーションがふだんから多いんですよ。
近藤 ぼくらのバンドの形態が
そういうイレギュラーなことに強いというか‥‥。
「音が出ないことをおもしろさに転換する」
そういう能力があるんです、われわれには(笑)。
一同 (笑)
川口 いやいや、能力って(笑)。
それをみずから言わない方がいいよ。
そりゃあハードルを上げるでしょう。
失敗して、おもしろさに転換できなかったら
どうすんの(笑)。
栗原 じゃあ、能力じゃなくて、特徴かな。
風が吹いて音が出なくなるバンドなんて、
そんなのほかにはありませんからね。
一同 (笑)


(つづきます)

2010-10-19-TUE
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