『MOTHER』シリーズのグラフィックは特別です。
ファミコンの、スーパーファミコンの、
ゲームボーイアドバンスのドット絵は、
独特のエッジと発色とデザインで、
それ以外にない美しさをうみだしています。
ひと目見て『MOTHER』とわかる
あのグラフィックをきちんと部屋に飾りたい。
目指したのは、ゲームスクリーンを切り取って、
そのまま部屋の壁に飾ること。
にじまず、くすまず、パキッとした鮮やかさで。
それを実現してくれた
凸版印刷プリンティングディレクターの高本晃宏さん、
トッパングラフィックコミュニケーションズ
プロダクトディレクション課長の簑田憲一郎さんに
お話をうかがいました。
使ったのは
アリンダとミマキ。
- ──
- 「レプリカ・スクリーン」を作るために、
最終的に選んだ素材と機械について教えてください。 - 簑田
- アリンダという透明のフィルムと、
ミマキというフラットベッドタイプの
インクジェットプリンターですね。
アリンダは光を透過するフィルムなので、
通常の紙だと濁ってしまうような色でも、
透明感をともなって色彩を表現できるんです。
テレビに映ったゲーム画面の再現にはぴったりでした。 - 高本
- 今回デジタル印刷をしているのですが、
その技術は一般的にコルトンと呼ばれている、
駅の広告や、デパートの化粧品コーナー、
ファストフード店のメニュー板なんかに
よく使われているものですね。
▲左:高本晃宏さん、右:簑田憲一郎さん
- ──
- あの、裏側から光を当てている看板ですか?
- 高本
- そう、あれです。
スタンダードな技術なんですが、
複製画に使われたのは、今回が史上初です。 - ──
- 史上初。
裏側から光を当てるという意味では、
ブラウン管とも似ていますね。 - 高本
- そうなんですよね。
でも今回のは額装するから、
絵の裏側から光を当てるわけじゃない。
それで、裏側をどう処理するかを、
いろいろ考えたんです。 - ──
- 白い紙が、1枚敷かれていますね。
- 高本
- はい。
アリンダは透明なフィルムなので、
ふだんは印刷したあとに、
もう1回白で刷って光が透過しないようにするんです。
でも、今回はあえて白を刷らず、
後ろに上質紙を入れました。
そうやって物質的に奥行き感を作ってあげると、
物としての見えかたも
立体的で新しくなるかなと思いまして。 - ──
- 確かに、フィルムの絵から
白い紙に影が落ちているように見えるので、
まるで古いテレビのガラス面と、
その後ろの発光体(電子銃)との
隙間が演出されているようです。 - 簑田
- いい雰囲気になったんじゃないかと思います。
ついでに言うと、元の絵を反転させて、
裏側から印刷しているんですよ、それ。 - ──
- あ! 本当ですね。
- 高本
- アリンダは、刷った面にインクの凹凸感が出て、
マットな質感になるんです。
だから裏側から刷ると、
表面から見たときの平滑さが
ものすごく効いてくるんですよね。
▲アリンダの裏面が、印刷面。
ざらつきがあって、光沢のある表面とはまったく違った表情となっている。
- ──
- まるで、昔のアニメのセル画みたいです。
では、印刷に使ったミマキという機械は? - 高本
- ミマキは、縁日で売っているお面がありますよね。
あれって、半透明のシートに絵柄を刷ったあと、
真空で型に押し付けて立体にするんですけど、
その印刷にも使うような機械です。
ほかには、スマートフォンの保護カバーなんかに
印刷するときなんかも使いますね。 - ──
- プラスチック素材に印刷できる機械なんですね。
- 高本
- そうです。
最初はほかの機械も、
たとえば家庭用インクジェットプリンターの
プロユースのものなんかも試しました。 - 簑田
- それは、いわゆる「ジークレー版画」を
刷るための機械ですね。 - ──
- 複製画を作る手法として、とても有名な。
- 高本
- はい。複製画の業界では、
もっともスタンダードと言える手法ですね。
我々も、20年以上使ってきています。 - 簑田
- ジークレーだと、
確かに色が鮮やかに出せるんですよ。
でも、鮮やかすぎて、
今回のコンセプトには合わないと思いました。
なので、かんたんに想像できてしまう
複製画としての仕上がりの美しさよりも、
みなさんの記憶にある、
ブラウン管の中の世界を
再現することに重きを置いて、
今回はアリンダとミマキに決めたんです。
(つづきます)
レプリカ・スクリーン・シリーズ『MOTHER』
サンクスギビング
レプリカ・スクリーン・シリーズ『MOTHER』マジカント
レプリカ・スクリーン・シリーズ『MOTHER』
ホーリーローリーマウンテン
Lサイズ:37,400円(税込・配送手数料別)
Sサイズ:16,500円(税込・配送手数料別)
[素材]
PET、木、アクリル、アルミ、ステンレス、コットン
[サイズと重さ]
Lサイズ
・赤/黒
サイズ:縦660×横660×奥行20mm、重さ:2,700g
・ナチュラル
サイズ:縦635×横635×奥行35mm、重さ:2,400g
Sサイズ
・赤/黒
サイズ:縦360×横360×奥行20mm、重さ:910g
・ナチュラル
サイズ:縦335×横335×奥行35mm、重さ:720g
※赤、黒の額と、ナチュラルの額では仕様が異なるため、
サイズ、重さも若干異なります。
サンプル展示のご案内。
受注期間中、TOBICHI東京、TOBICHI京都、
渋谷PARCOカルチャん、
10月21日(木)から開催する
梅田ロフトのイベント「『MOTHER』のひろば」にて
サンプルを展示します。
実物を見てから購入したいというかたは、
どうぞ足をお運びください。
※スペースの都合で、
すべての種類を展示していないときもあります。
※お申し込みはWEBページの「MOTHERのおみせ」にて承ります。