福島へは東北新幹線やまびこに乗り、
新白河駅で下車することが多い。
白河で何を食べたらよいかと訊ねるとほとんどの人が
「白河と言えば白河ラーメンですよ」と教えてくれる。
市内を車で走っていると
「ラーメン」「中華そば」
と書かれた看板やのぼりをしょっちゅう目にし、
旅とラーメンというだけでより味わい深い。
この連載のはじまりに
白河ラーメンの写真を撮りたいと決めていた。
雪が風に舞う。
ワイパーのスイッチをまわし、
寒い日の暖かいラーメンを想像すると
車窓から見える白河の風景が恋しい。
白河ラーメンは手打ちでやや太めの縮れた麺が特徴で
豚骨または鶏ガラの醤油ベースのスープ。
所謂、中華そばである。
撮影させて頂いたのは
白河市のはしっこの久田野にある人気店
「とら食堂」の手打ち中華そばと、
新白河駅に近い「月の家」の月の家らーめん。
分厚い木材のカウンターにトンっと置かれた中華そば。
立ちのぼる湯気で大きな海苔が柔らかく倒れていく。
ご当地ラーメンらしい素朴な味わいと
店独自の個性が白河ラーメンの魅力だと感じた。
────2015年2月