6月15日、福島県立福島西高等学校に通う
280人の高校1年生を前に「進路講演会」で
話をする機会がありました。
アートディレクターの有山達也さんに誘われ
イラストレーターのワタナベケンイチさんと
僕の3人で、学生の頃の話や
美術が好きになった理由、影響を受けた人、
仕事をする時に大切にしていることなど
絵や写真をスライドで上映しつつ、
少しだけの冗談と全力で本気の話をしてきました。
この機会を作ってくれたのは有山さんの大学の後輩、
スガタデザイン研究所の代表、鈴木哲さんでした。
哲さんが千葉で通った高校の国語の先生であり、
現在は福島西高等学校の進路指導主事である
渡辺昭則先生からお話を頂き
今回の進路講演会が実現しました。
約束の時間。
渡辺先生に案内され校舎を歩きました。
普通科と数理科、デザイン学科、
それぞれの教室から響く明るい声や
廊下と上履きが擦れる音。
生徒たちは礼儀正しく挨拶をしてくれ、うれしく、
美術室から油絵具とテレピンの臭いがし、なつかしい。
学校生活は遠い昔のことだけど
その頃に戻ったようなあたたかい気持ちになりました。
社会人として、大人として、なにを話せばよいのか。
緊張していましたが、自分たちの立場から学生へ
一方的にアドバイスをするつもりはありませんでした。
有山さんは
高校の文化祭の準備で立て看板を描き、それを見た
美術の先生に「お前ら、芸大に行ってみたらどうだ?」
と言われたことがきっかけで現在の道へ進んだことを。
僕は
自分がやりたいことがわからないまま
社会に出ることに抵抗があって、
そこからもう一度絵を描き始め、旅にでたことを。
ケンイチさんは
予備校の頃デッサンが嫌いで、授業をさぼって
描いていた落書きを「やめるな。それをつづけろ」と
当時の講師に認めてもらえたことがうれしくて
イラストレーターになったことを。
僕たち3人が学生の頃に出会った大人たちと
その大人が語りかけてくれた言葉が、
後の自分たちの道を決めていたという経験を
生徒たちに話しました。
そんな大人があなたのまわりにもいるかもしれないし
反対に大人にやりたいことを否定されても諦めず、
まわりの大人を見渡してほしいとも伝えました。
時間が足りるはずもなく講演会は終わりました。
卒業後、進学や就職で福島を離れ、
都会へ向かう人も沢山いると思いますが
福島に暮らして日々当たり前だと思っていることが
実はとても貴重で大切なことだったりする。
そこにアイデンティティや面白さがあるのだと
続けて話したかったです。
ふるさとが誇らしく思えるように今を楽しんで下さいと
言葉や写真、絵やデザインでそんな土地を取材し
日々そう感じている僕らが言うのだから
間違いありません!
と終わった後に有山さんは断言していました。
福島西高校のみなさま、
長い時間、おじさんたちの話を聞いてくれて
ありがとうございました。
今回のことを忘れないように
ここに書かせて頂きました。
なにより、この機会をくださった
渡辺先生との出会いが僕ら3人にとっての
いい大人との出会いでした。
どこか昭和の学園ドラマを思わせる雰囲気と
松崎しげるに似た味わい深いお顔立ち、
そのやさしさ。
渡辺先生に教わりたかったなぁ。
僕ら3人は哲さんが羨ましくなりました。
今回の「もっと撮りたい。もっと食べたい。福島」は
すっかり高校生気分のおじさんが
下校時に寄り道してしまいそうなお店です。
美ふじのソフトクリームはバニラソフト、
ストロベリーソフトやバナナソフト、
コーヒーソフトにココアソフト他、9種類。
バニラとのミックスを合わせると最大17種類と
選ぶのに困ってしまいます。
福島駅新幹線のりば構内にある
そば処ふくしまですが、
ラジウムそばは、かつてラーメンやうどんを
スナックのように食べていた
高校時代ならきっとやみつきになるでしょう。