旧石器、縄文、弥生、古墳時代。
帽子作家でイラストレーターのスソアキコさんは、
そんな時代の文化に、とても興味を抱いています。
いつでも、ふつうに、大昔のことを考えている人です。
だから気軽に「やあやあ」と、
まるで友だちに会いに行くように、
どこかの土偶やハニワを訪ねて歩くのです。
「やあやあハニワさん、なにかおもしろい話ある?」
いにしえの時代のあれやこれやを教えてくれる、
スソさんの、のんびりレポートを、どうぞ。
※これまでのスソさんのレポート、
「ひとり古墳部」はこちらからどうぞ。
スソアキコ
帽子作家/イラストレーター。
石川県生まれ。
金沢美術工芸大学 商業デザイン科卒業。
(株)資生堂入社 宣伝部(宣伝制作室)配属。
在籍中よりイラストレーターとして活動を始める。
同社を退社後、帽子作家として活動を始める。
ギャラリーでの帽子作品の発表と並行して、
雑誌・CM・書籍の挿し絵など、
イラストレーターとしても活躍中。
スソさんのウェブサイトはこちら。
〈スソさんのお仕事〉
・花椿 帽子制作(資生堂 1993-1997)
・ウインドウディスプレイデザイン
(エルメスジャポン 1988-2001)
・パリコレクション(タオコムデギャルソン 2011)
・CMスタイリング(JT.キリン.日清 他)
・イラストレーション・キャラクターデザイン
(資生堂.トヨタ. NTTドコモ.日立 他)
〈スソさんのほぼ日のコンテンツ〉
「スソアキコの ひとり古墳部」
「古墳と山高帽展@TOBICHI②」
「スソさんのたのしい帽子教室。」
「スソさんのせかい」
ついに10月16日(水)から、
トーハク特別展『はにわ』が始まりました。
前日の休館日に、
報道関係の人たちや関係者の人たちが
一足早く見学する「内覧会」というのがあって、
私も展示を観せていただきました。
観終わって感じたのは、
はにわ初心者に、とても優しい展示になっている!
ということでした。
古墳時代がどーこーといった難しい話は置いておいて、
「どうぞ、はにわを愛でてください~」
という雰囲気でいっぱい。
細かいことや難しいことは、
音声ガイドや分厚い図録で補われているんですね。
ただ、第1章のコーナーでは、
古墳時代に大王(首長)が登場すること、
その人たちのお墓として古墳がつくられることが
紹介されています。
古墳の埋葬部から見つかったモノを観ながら、
呪術的なモノから
金属や武具へと変化していくことがわかります。
これらの「持ち物」は、
はにわからは感じられない
古墳時代の社会構造や権力者の証であることを映し出す、
生々しいモノかもしれません。
さあ、ここからは並んでいるはにわの
「ココは気にして観てね!」というポイントを
おせっかいな感じでお伝えしたいと思います!
はにわの展示は「踊るはにわ」で始まり
「踊るはにわ」で終わります。
さすが、国民的認知度No.1のはにわですね。
二人は、2022年から解体修理が行われ、
今年3月に修理が完了して
初のお披露目で、入り口に立っていました。
前より肌の色が赤くなった! と言われています。
さて、注意点は、展示の終わりに登場する二人。
壁に顔が! これ顔ハメですよね?
内覧会では、
この壁に気がついていた人がいなかったんです。
私も一人だったので、
顔ハメ写真を撮ることができませんでした。
できれば、二人でね。
顔ハメじゃなかったのか? 単なる遊びなのか?
また見に行って確かめたいです。
はにわの多くが、
いろんな角度から観ることができるように置かれています。
ぜひ、あっちからこっちから観てください。
横や後ろに、これは何? というものがついていたり、
紋様があったりするんです。
それを見逃さないように!
はにわは、ほとんどが割れて見つかっています。
パーツを組み立てていく中で、
全部のパーツが揃っていないことも多いので、
ない部分は補われていたりします。
ほとんど修復がわからない、というものもありますが
じっと見ると、色や表面の質感が違っていたりします。
ツルツルしている部分が補われたところだったりするので
それを合わせて見てみてください。
がさがさした部分が、
より味わい深く見えてくるかもしれません。
はにわにはあなが開いていますね。
これは、焼くときに割れないように
しているとも言われています。
特に動物のはにわの場合、お尻のあなは‥‥
良い感じなんです!
そっと、見てみてください。
はにわの立つ古墳の写真が、壁に大きく貼られています。
なかなかこの角度では古墳を見ることができません。
ああ、このはにわはここに立っていたんだね~と、
思い描いて見てください。
現地にも行きたくなりますね~。
はにわに興味を持ったら、そして土偶も好きだったら、
竹橋にある東京国立近代美術館にも行きますよね!
近美で開催中の企画展、
「ハニワと土偶の近代」では、
これを観て描いたのか~、作ったのか~、
という、元ネタとなったはにわたちがいます。
「埴輪と土偶の近代」に展示されている作品で、
作家がモチーフとして採用したはにわが、
こちらのトーハクで展示されています。
2つの展示を観ることで、古墳時代だけでなく
そのあとの時代に、はにわがどんな存在だったのかを
考えることができます。
そして、今回の展示をきっかけにして、
新たな作品が生まれるのかもしれませんね!
さて、次週の最終回は、今回のはにわ展の目玉!
5人揃った武人はにわについて。
観た方もこれからの方も、お楽しみに~。
協力・東京国立博物館
2024年10/16(水)~12/8(日)
東京国立博物館で
「挂甲の武人」国宝指定50周年記念
特別展「はにわ」が開催されます!
2024-10-18-FRI