ボールペンで絵を描く中村隆さん。
ひたすら点をうち、ひたすら線をひき、
カラフルで心地よい世界を
フリーハンドで描きだします。
どうやったらこんな絵が描けるのか、
ちょっと気になりませんか?
そこで、日々の作品づくりのようすを、
3ヶ月ほど連載してもらうことにしました。
中村さん、よろしくお願いします。
中村隆(なかむら・たかし)
画家、イラストレーター。
1976年、新潟県生まれ。
98年日本デザイン専門学校卒業。
以後、フリーのイラストレーターとして活動しながら、
定期的に個展をひらいて作品を発表している。
作品は「Ondo online store」などで販売中。
#17
電話をする少年
- 新しい絵です。
サイズをまた少し大きい紙にしました。 - 少年が電話をしている絵です。
甥っ子の小さい頃のような、
自分の子供の頃のような、
親戚のおばさんから
「今度、お正月帰省するね」
と連絡をもらったときのような‥‥、
いや、わからないですが、
なんとなく、そんな絵です。 - 下描きを終えて、
「さあ、描くぞ」とペンを取るまでは、
髪を点で描こうと思っていましたが、
直線の交差で網線にしました。
肌は何も描かずに
白地のままにしようと思ってましたが、
点で埋めることにしました。 - 描きはじめてみないと、
自分でもよくわからないです。
どのくらい時間がかかるのかも
描いてみないとわからないです。
これが仕事だと〆切があるので、
本当に昔から〆切が苦手というか恐怖でした。 - 肌の点々、指から手の甲へ点を描き進めるとき、
きれいな1本に繋がるかなとドキドキします。
点は一番時間がかかって面倒ですが、
仕上がりは見た目もけっこう満足できる作業です。 - この原稿を書いていた日に、
子供とベランダのプールに入りました。
高校野球も少し見ました。
夏だなぁと思いました。 - いま、東京にあるカフェ
「ブリュッケ神保町店」さんの壁をお借りして、
これまで描いた夏っぽい絵を
8月6日まで展示させていただいています。
- 仕事で描いた夏っぽい絵も。
ぜひお近くにお越しの際はお立ち寄りください。
冷たいコーヒー、おいしいです。
(次回の更新につづきます)
2022-07-26-TUE