ボールペンで絵を描く中村隆さん。
ひたすら点をうち、ひたすら線をひき、
カラフルで心地よい世界を
フリーハンドで描きだします。
どうやったらこんな絵が描けるのか、
ちょっと気になりませんか?
そこで、日々の作品づくりのようすを、
3ヶ月ほど連載してもらうことにしました。
中村さん、よろしくお願いします。

>中村隆さんプロフィール

中村隆(なかむら・たかし)

画家、イラストレーター。

1976年、新潟県生まれ。
98年日本デザイン専門学校卒業。
以後、フリーのイラストレーターとして活動しながら、
定期的に個展をひらいて作品を発表している。
作品は「Ondo online store」などで販売中。

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#18

少年の服

 
少年の絵の続きです。
洋服を描いていきます。
長めの「ーーー」という線にしました。
2時間くらいだろうと思って
描きはじめましたが、
4時間くらいかかりました。
いつもこんな感じです。
とても単調な作業です。
音楽やラジオをたくさん聴きます。
ピーター・バラカンさんやゴンチチさんの番組を、
最近はよく聴いています。
「このラジオ番組が終わるまでには‥‥」
と思いながら描いていますが、
描き終わらないと
居残り授業をしているような気分になります。
離れて見たときに線と線のすきまが
一箇所に集まりすぎないように、
すきまを空けて散らすように描いていきます。
逆にすきまを集めるようにして、
すこし光が当たっているふうに描くこともあります。
今回は単調な感じにしました。
洋服が描き終わったので、
次に茶色の棚に取りかかります。
実家では「茶箪笥」と呼んでいます。
いろんなものが入っています。
コップ、薬、紙、棚の上には電話、
こけし、写真立て、ペン‥‥。
茶の間の主人公的な収納マンです。

(次回の更新につづきます)

2022-08-02-TUE

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