ボールペンで絵を描く中村隆さん。
ひたすら点をうち、ひたすら線をひき、
カラフルで心地よい世界を
フリーハンドで描きだします。
どうやったらこんな絵が描けるのか、
ちょっと気になりませんか?
そこで、日々の作品づくりのようすを、
3ヶ月ほど連載してもらうことにしました。
中村さん、よろしくお願いします。

>中村隆さんプロフィール

中村隆(なかむら・たかし)

画家、イラストレーター。

1976年、新潟県生まれ。
98年日本デザイン専門学校卒業。
以後、フリーのイラストレーターとして活動しながら、
定期的に個展をひらいて作品を発表している。
作品は「Ondo online store」などで販売中。

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#19

木とガラス

 
人物の背景にある
「障子の桟」を描きます。
‥‥という文章を描こうとして、
「桟」でいいのか気になり調べてみると、
合ってるような合ってないような感じでした。
けっこう部分部分で名前があるみたいです。
話がそれましたが、
障子の「木の部分」を描きます。
長い線をひくのに
鉛筆の下描きをそのままなぞってもいいのですが、
定規を使って、もう一度、
薄くペンで下描きの線をひきました。
ペンの下描きをなぞったほうが
まっすぐ描けるからです。
定規の線で本番の線を描かないのは、
定規の線だとビシッとなりすぎるからです。
ビシッとした線がいいときもあります。
でも、いっぱい「ビシッとした線」があると、
絵がかっこよくなりすぎるというか、
整いすぎるというか、堅苦しくなってしまうので、
今回はなるべくやわらかい直線にすべく、
手で描くことにしました。
枠が描けたあとは、
中を直線で埋めていきます。
立体的にしたいところだけ
角度を変えたりしました。
障子の下はすりガラスなので、
水色でガラスっぽいのを描きます。
ガラスは現実では水色に見えないのに、
水色で描くのはなぜだろう‥‥。
というのを考えてみると、
「そういう配色の絵をいままで見たことがあるから」
というのと、
「ガラスにちょっと冷たいイメージがあるから」
なのかなぁと思いました。
ガラスの水色は、線の長さを変えながら
「ーーー」という線で描きました。
明るくなるにつれ、線を短く、隙間の回数を多く、
白地を多くなるようにしたつもりです。
でも、なんとなくです。
障子の木の部分は
大友良英さんのラジオを聴きながら、
ガラスの部分はフジロックの中継を
見ながら描きました。
新潟育ちですが、新潟県は長細く広いので、
フジロックをやっているところに
行ったことはありません。
生のライブに行ったのは、
キセルと寺尾紗穂さんのツーマンを、
渋谷でコロナ前に見に行ったきりです。
フェスやライブ、また行きたいなぁ。
肩こりが治ったと思ったら、
腰痛になりました。
腰痛が治ったらジョギングを再開させたいです。
運動しないと健康が危ないと感じるこの頃です。

(次回の更新につづきます)

2022-08-05-FRI

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