ボールペンで絵を描く中村隆さん。
ひたすら点をうち、ひたすら線をひき、
カラフルで心地よい世界を
フリーハンドで描きだします。
どうやったらこんな絵が描けるのか、
ちょっと気になりませんか?
そこで、日々の作品づくりのようすを、
3ヶ月ほど連載してもらうことにしました。
中村さん、よろしくお願いします。

>中村隆さんプロフィール

中村隆(なかむら・たかし)

画家、イラストレーター。

1976年、新潟県生まれ。
98年日本デザイン専門学校卒業。
以後、フリーのイラストレーターとして活動しながら、
定期的に個展をひらいて作品を発表している。
作品は「Ondo online store」などで販売中。

前へ目次ページへ次へ

#26

黒とオレンジ

 
前回のつづきです。
花瓶が置いてある床板や壁などを描きます。
「なぜ影の黒から描いたのだろう」
「下絵の線を見失わないためだろうか」
と、黒で描きはじめて思いました。
薄い色を下敷きにして、
濃い色を載せるのは楽ですが、
逆は難しいです。
黒を避けながらオレンジ色を
描かなくてはならなくなりました。
でもそれはそれで面倒だけど、
おもしろくなるかもしれません。
つめつめの線だけでなく、
今回は隙間をあけた直線も描いたりして、
影の強弱をつけたりしています。
線と線の隙間が狭くなりすぎて、
遠くから見ると濃く見えるところは、
消しゴムをすこしかけたりすると、
全体になじんで濃く見えなくなったりします。
密度と色の濃さの関係によるものだと思いますが、
実際のところはよくわかりません。
昔、やってみて、
「あ、なじんで、目立たなくなった!」
と発見してからやっています。
今日は飼っているインコがまとわりついていて、
目の前の電灯や肩や腕にずっといました。
フンだらけになるので、
ときどきティッシュで拾います。
窓枠、もうすこし重くしたいので、
角度を変えた黒の線を入れました。
できれば最初に描いた茶色も
すこし見えるような角度にしました。
最後に人をすこし描いて、
今回はおしまいです。
おそらく次回で終わるかなぁ‥‥
という感じです。

(次回の更新につづきます)

2022-09-06-TUE

前へ目次ページへ次へ