『MOTHER2』のサターンバレーが
ペーパークラフトになりました。
どせいさんのおうちの屋根をとると、
部屋のなかには黒電話やテーブルが。
ピンク色の温泉には、
どせいさんミニフィギュアが入浴できるよう、
くぼみをつくりました。
工作がたのしい、そしてできあがったあと
インテリアとしてうれしいアイテムです。
※どせいさんミニフィギュアは別売です。
つくってくれたBANDAI SPIRITSの
フィギュアプロデューサー、
阪田典彦さんにお話をうかがいました。
- ──
- このペーパークラフトは
昔、阪田さんが持ってきてくれた
分厚い企画書にあったんですよね。
たくさんのアイディアがあったけど、
そのなかで、サターンバレーのジオラマが、
わぁ、素敵だなぁと思って。
でも、夢のまた夢と思ってました。
それが実現するなんて!
- 阪田
- そうですね。
当時は、今みたいに
『MOTHER』のプロジェクトが
始まってたわけではないので。
完全に僕とデザイナーさんの個人的趣味で
企画を持ち込みました。
僕ら、当時バンプレストっていう会社で‥‥。
- ──
- ほんとだ。
企画書にバンプレストって書いてある。
2010年8月ですね。
- 阪田
- 当時も思ってたんですけど『MOTHER』って、
僕もいろんなキャラクターのフィギュアとか、
おもちゃをやらせていただくんで思うんですけど、
『MOTHER』ぐらい背景が引き立っている
コンテンツって、
けっこう少ないかなと思っていて。
- ──
- え、そうですか?
- 阪田
- はい。どこを切り抜いても絵になるというか。
ほぼ日さんが手がけられている商品も、
おそらく背景をメインにしたものを
今までやられてると思うんです。
それって、普通はあまりないんですよ。
- ──
- 背景‥‥ゲームで言えば、
町の情景とか?
- 阪田
- そうです、そうです。
たぶん『MOTHER』は、
けっこうそういうのが得意で。
- ──
- そうかもしれません。
マップごとに街の雰囲気が
全然違いますもんね。
- 阪田
- はい。それがめちゃくちゃ際立っているのが
特徴だなと思っていて、
どせいさんが人気あるので、
最初はサターンバレーからやってみようって。
当時、気合い入れてたんで、
大がかりなジオラマが作れたらいいな
と思ってたんですけど、
将来はもっとコンパクトにしたほかの街も、
やってみたいですね。
- ──
- いいですねえ。
- 阪田
- このサターンバレーの
ペーパークラフトって、素材は紙ですが、
すごい考え抜かれたもので、
パーツがとても多いですし、
安くはないんです。
だから、もっと手頃なサイズの
街をつくりたいなって思っています。
今回は、ちょっと気合いが入りすぎて、
やってしまいました(笑)。
- ──
- やってしまったというくらい
すごいんですね。
そのおかげで、ほかにはない、
お宝にアイテムができました。
- 阪田
- これ、作られる方も
けっこう大変だとは思います。
たぶん4~5時間は
かかるんじゃないかな。
貼る作業が‥‥、
とにかく貼る、貼る、貼るという。
- ──
- お作りになったんですもんね、
阪田さんも。
- 阪田
- やりました。やりました。はい。
没頭していただければなぁと。
うちは「ガンプラ」もそうですけど、
ものすごく複雑なプラモデルもありますが、
‥‥複雑っていっても、
組み立てること自体、
とても技術が進化してて、
だいぶ組み立てやすくなっていますが。
まあ、プラモデルって普通の人からすると
ちょっと敬遠しがちなのかも
しれないんですけど、
世界中で、もうほんと大人気で。
世の中には組み立てるとか、
作る楽しみを大事にする人が
実はたくさんいらっしゃるんですね。
- ──
- へえー。
- 阪田
- で、ペーパークラフトも、
たぶん作ったことない人が多い
と思うんですけど、
そもそも、30年前のゲームをいまだに好きで、
それだけ長い間、待ってた、
その耐え忍ぶ心があるんだったら、
ちょっと4~5時間組み立てるぐらい、
僕は何でもないんじゃないのかなと思っていて、
今回はここまでのスケールの大きいものを
ご提案しました。
- ──
- 30年間、耐え忍ぶファン心(笑)。
2025年に、このプロジェクトは
始まって5年目になるんですけど、
はじまった当初は、
こんなに長く続くとは
思っていなかったんです。
支えてくださるファンの方が
応援してくださるおかげです。
これほどの大物を、世に出せるのも、
ファンの方のおかげです。
開発も時間かかりましたねえ。
- 阪田
- 時間かかりましたね。
最初の設計ですすめたら、
もう数ヵ月前倒しできたんですけど、
デザイナーさん含め、
もっとこうしたいみたいなことが
どんどん出てきていて、
そういうところのねばりとかで。
あと、材質もプロトタイプからは
けっこう変えたので。
- ──
- そうでしたね。
最初とは大きさも素材も変わりましたね。
- 阪田
- で、これが最終版のサンプルなんですが、
いや、外袋、いいですよ。
- ──
- かわいいー!
外袋の裏面に印刷されている
キャラのドット絵を切り抜けば、
ペーパークラフトに置けるんですよね。
- 阪田
- キャラそれぞれの
フィギュアまで作るとなったら、
高くなっちゃうから。
これで、お好きに遊んでいただければと。
- ──
- たのしい!
- 阪田
- はい、飾って。遊んで。
ただ、作っといてなんですけど、
僕だったら切らないで
袋ごと取っておきます。
- ──
- (笑)。
- 阪田
- なんですかね。
『MOTHER』の世界とこの紙の親和性。
『MOTHER』は
紙のコンテンツではないですけど、
合うなぁって思います。
- ──
- わ、ほんとに。
絶妙な立体感がいいですよねぇ。
温泉や池のところも、
段差があるのもいいんですよ。
- 阪田
- 温泉にどせいさんを
入れていただくこともできます。
- ──
- 気が利いてる。
- 阪田
- こういうところも、無駄に。
- ──
- プレゼントボックスを見るだけでも
気持ちが浮き立ちます。
- 阪田
- はい。
- ──
- この組立の説明書もすごいですよね。
- 阪田
- 一番、力が入りました、やっぱり。
- ──
- 説明書も素晴らしい。
ずっと見ていられるというか。
校正が出たときに、
チェックする自信がなかったんです。
で、阪田さんに正直に
「自信がない」とお伝えしたら、
「任せてください」と。
「プラモデルの会社ですから」
って言われて、あ、なるほどと。
こういうノウハウがすでに。
- 阪田
- そうですね。
そして、デザイナーさんが大変でした。
- ──
- この図解も全部、
作画するんですよね。
- 阪田
- すごい大変ですよね、これ。
- ──
- すごいです。
そして、作り方ですけど、
ハサミとかカッターはいらなくて、
パーツは指で押せば、きれいに取れちゃう。
歯型の精度がすごいですよねえ。
- 阪田
- はい。
テープを貼ってもらえさえすれば
完成します。
(つづきます。)
MOTHER2
ペーパークラフト
サターンバレー
12,760円(税込)
素材
紙、専用テープ付き
サイズ
組み立てた状態 横385×奥行290×高さ190mm
重さ
900g
どせいさんミニフィギュア
1,540円(税込)
素材
本体PVC、台座ABS
サイズ
高さ55×横40×奥行40mm
重さ
50g
2025-01-04-SAT