- ──
- 袖の付け方や丸起毛のほかにも、
いろんな工夫が施されていると思います。
- 藤木
- 服ですからね。
ぼくらにとっては、
やっぱり「縫い」も大事です。
糸の選定も、もちろん大事。
実際に着ているとね、
「ちゃんと考えて縫製されているなぁ」
というのがよくわかるんですよ。
たとえば、2本針で縫われた袖のこの部分。
- ──
- はい。縫製によって凹凸が出来ていますね。
- 藤木
- これ、ジーンズで説明すると
わかりやすいんですけど、
ベルトループと同じ仕組みなんです。
わざと生地に凹凸をつけているんですよ。
- ──
- 凸の部分は、
擦れて生地の色が薄くなっていますね。
- 藤木
- はい。縫われているのは、
その両端の凹の部分ですから、
つまりこれ、糸が切れないんです。
- ──
- ああ、縫い糸が生地より沈んでいるから、
糸は擦れないということですか。
- 藤木
- そう。擦れるときは、
まず生地に「当たる」。
これが結果的に縫い糸を守っているんです。
だから、生地は
パンクする(破れる)ことがあっても、
縫い糸は損傷しないんです。
- ──
- なるほど、すごい工夫。
- 藤木
- とくに綿糸で縫うときは、
「糸切れ」がすごく問題視されますからね。
とくにいちばん強度を上げなくてはいけないのは、
ネック(首)周りです。
着脱するたびに伸ばすし、擦れますから。
ここをとにかくいちばん強くしないといけない。
- ──
- ネックを強くするための工夫、
というのは?
- 藤木
- 「両振り」と言って、
太めの糸で表と裏の両方を縫っています。
こうすることで、アコーディオンのように
生地の伸縮に糸が耐えることができるんです。
ガゼット(V字型の当て布)も
付いていますので、最も動きの出る箇所です。
- ──
- なるほど、
しっかり対策されているんですね。
- 藤木
- ちなみに、このネック部分は
新品だと詰まっていますけど、
着ているうちに
少しずつゆるくなってきます。
でも、だらしなくなってしまうわけではありません。
両サイドがしっかり立って、
ボートネックみたいな形になっていきます。
- ──
- 変化が楽しみですね。
- 藤木
- この年代のコットンスウェットは
ハイテクアスレチックウェアですからね。
着心地はもちろんいいですけど、
細部まで合理的に作られています。
- ——
- では最後に、購入される方に
選び方のアドバイスをお願いします。
- 藤木
- 色は前にも説明しましたが、
どちらも経年変化が楽しめるいい色です。
なので、好きな方を選んでください。
プリントの好みで選んでも
いいかもしれませんね。
サイズは今回42、44という大きめの
2種類ですが、オールコットンなので
洗濯すると縮みますし、
乾燥機を使うともっと縮みます。
縮めると生地の密度感が上がるせいで
着心地もよくなりますから、
ぜひ大きめを買って
グッと縮めて着てみてください。
- ——
- 本日はありがとうございました。
(おわります)
WAREHOUSE スウェット
(ONETT / TESSIE)
19,250円(税込)
1930年代のヴィンテージスウェットを
忠実に復刻したウエアハウスの
定番スウェットとコラボしました。
「ONETT」はオネット市役所がモチーフ。
カレッジスウェット風に仕上げました。
「TESSIE」は「タッシー・ウォッチング隊」が
モチーフです。
素材
コットン100%
サイズ
M(42):着丈68cm 肩幅51cm 身幅59cm 袖丈62cm
XL(44):着丈70cm 肩幅53cm 身幅62cm 袖丈63cm
2025-01-08-WED