スポーツ総合雑誌『Number』の
創刊40周年・1000号を記念して、
アスリートが躍動する表紙の展示や
トークライブの生中継を、
Web上でおこなうことにしました。
題して、「ほぼ日」オンラインミュージアム。
1980年から今に至るまで
あらゆるスポーツの瞬間を切り取りつづけ、
アスリートたちの知られざるドラマを
スポーツファンに届けてきた『Number』。
写真を見ただけで記憶が揺さぶられる
表紙の写真と編集部の声が並びます。
いま明かされる「表紙の物語」とは――。

※渋谷パルコ「ほぼ日曜日」での開催は
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため
残念ながら中止となりました。
「ほぼ日曜日」のページはこちら

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04 1995年~1998年 世界への扉

 
1990年代中盤のスポーツは、
世界への扉が開かれた頃でした。
メジャーリーグに挑戦して、
トルネード旋風を巻き起こした野茂英雄投手。
「ジョホールバルの歓喜」で
フランスW杯出場を決めたサッカー日本代表。
衛星放送の普及やインターネットの登場などで、
遠い存在だった世界のスポーツが
少しずつ日本でも広まってきました。

Sports Graphic Number 372号
1995年8月3日発売
表紙撮影:西山和明 Sports Graphic Number 372号 1995年8月3日発売
表紙撮影:西山和明

 
一人の男が太平洋を渡り、
本場アメリカで奪三振の山を築いている。
ここでは、三振を奪うという行為に
改めて焦点をあてその美しさ、
与えてくれるエクスタシーに身を委ねたい。
プレートに足をかけ、
モーションを終えたその瞬間、
投手たちの力と技と思考が一気に解き放たれ、
そして日本で、アメリカで、
きょうもバットが空を切る――。
〈記事より〉

Sports Graphic Number 376号
1995年9月28日発売
表紙撮影:松尾哲 Sports Graphic Number 376号 1995年9月28日発売
表紙撮影:松尾哲

 
「このままでいくと、一体いくつの
タイトルを獲得するのだろう」
打率、盗塁は、もはや当たり前のこととして、
長打力を身につけた1995年は、
本塁打、打点の両タイトルをも
射程圏内にとらえている。
彼が優勝の最大の立役者であることは論をまたない。
「神戸の街の人たちに
少しでも笑顔が戻ってくれたなら」
胴上げ後のビールかけ会場でこう話した、
本拠地をこよなく愛する若き天才打者が
優勝に至る軌跡を振り返る。
〈記事より〉

Sports Graphic Number
Special Edition Atlanta 1996
1996年8月9日発売
表紙撮影:藤田孝夫 Sports Graphic Number Special Edition Atlanta 1996
1996年8月9日発売 表紙撮影:藤田孝夫

 
バルセロナに続いてメダルを獲得した有森裕子。
彼女こそ表紙にふさわしい。
そう思って写真を選び始めたが、
コレというのがない。
一方、現地から戻ってきた部員たちは
カール・ルイスこそ
アトランタ五輪の顔だと言って譲らない。
確かに世界的にはそうだろう、
しかし、『Number』を手に取るのは日本人であり、
有森のインパクトは外せない。
そう言って意見は平行線を辿った。
表紙を選ぶ時は、後悔しないよう
最後の選択は自分がやるべきだと思い、
そうやってきた。
が、作りたい表紙を飾るいい写真がない。
妥協して次善の写真で有森の表紙を作るか、
部員の意見を容れるか。
最後まで迷ったが、結局、ルイスを表紙にした。
結果はほぼ完売(だったと思う)。
他誌のすべてが有森を表紙にした中、
ルイスの顔をアップにした表紙が店頭で目立った。
しかし、今でも思う。
ベストショットさえあったら、と。
〈第7代編集長・井上進一郎〉

Sports Graphic Number 432号
1997年11月20日発売
表紙撮影:西山和明 Sports Graphic Number 432号 1997年11月20日発売
表紙撮影:西山和明

 
イランを下して日本代表がW杯初出場を決めた夜に
現地マレーシアから伝送で届いた
写真の中にあるこの1枚を見て、
迷わず表紙にしようと決めて
『Number』ロゴを白ヌキで置いた時の
気持ち良さは鮮明な記憶として残っています。
このシーンは前半に生まれたゴールで、
写っているのは
真横に駆け抜ける中山選手の咆哮のみ。
決勝ゴールではない。ボールが見えてない。
相手や状況の説明が何もない。
スタジアムが暗くて粒子が荒れている。
それらを差し引いても、表紙はこれしかないね。
とスタッフ(ほぼ)一同が頷いたほどの
全てを跳ね除けるパワーと、
歴史が動く瞬間の強い輝きを放っていました。
選手同様「ゾーン」に入ったような
西山さんの写真の力によって、
日本中が歓喜に沸いたこの日の偉業が
その目撃者たちの記憶に刻み込まれるような
表紙にすることができました。
〈アートディレクター・関口聖司〉

Sports Graphic Number 443号
1998年4月23日発売
表紙撮影:小池義弘 Sports Graphic Number 443号 1998年4月23日発売
表紙撮影:小池義弘

 
これが本当にラストシーズンになるのか?
その答えは、まだわからない‥‥。
しかし、ひとつだけ確信できるのは、
彼がいまこの時を楽しんでいる、
13回目のプレイオフを
心待ちにしてきたということ。
真の勝者を選ぶプレイオフは、
鮮烈極まると同時に
無上の歓びを得られる最高の舞台だ。
「神」と呼ばれた男が主役を演じ、
輝き続けてきたステージ――。
その名場面にスポットをあてる。
〈記事より〉

Sports Graphic Number 453号
1998年9月10日発売
表紙撮影:北島明 Sports Graphic Number 453号 1998年9月10日発売
表紙撮影:北島明

 
絶対君主が君臨していた、
ありし良き時代は去り、
長く続いた規制秩序は
崩壊へのカウントダウンを始めた。
新盟主となったのは「黒の帝王」。
熱狂的な歓呼の声に迎えられた
新カリスマは疾走する。
旧弊な思想に縛られ、
堕した輩は断罪・追放し、
過去の幻影を葬り去り、
前時代の残滓の一掃を目論む。
新王国に新たな秩序を構築すべく、
燃えたぎるエネルギーが
ラディカルな革命家を駆り立てる。
「黒くぬれ!」と。
〈記事より〉

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(つづきます)

2020-07-26-SUN

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  • 8月19日(水)20:00から
    中村亮土×真壁伸弥×生島淳×糸井重里
    ラグビートークを生中継!
    「ラグビー日本代表が語る、
    必然で掴んだ大金星。」

    日本中が熱狂した、
    ラグビーワールドカップ2019から1年。
    ほぼ日も「にわかファン」として
    おおいにたのしませてもらいました。
    「Number1000」のトークイベントとして
    4月に開催を予定していたラグビートークを
    オンライン配信することにしました。
    ラグビーワールドカップ2015に出場した
    元日本代表の真壁伸弥さんと、
    『Number』で数々の文章を書いている
    スポーツライターの生島淳さん、
    にわかラグビーファンの糸井重里はそのまま。
    そして、あらたにスペシャルゲストとして
    ラグビーワールドカップ2019に出場した
    日本代表の
    中村亮土選手(サントリーサンゴリアス)
    にも登場いただけることになりました。
    生中継を見るためのチケットは
    1,100円(税込)、
    7月28日(火)午前11時から
    販売をはじめます。

    詳細はこちら

  • 『Number』1000号と、
    特製クリアファイルをセットで販売中!

    「Number1000」のイベントのために制作した
    限定グッズの特製クリアファイルを
    『Number』1000号と
    セットで販売しています。
    人差し指を立てたイチローさんの
    表紙が印象的な『Number1000』では、
    創刊1000号記念特集として
    「ナンバー1の条件」をテーマに、
    イチローさんがナンバー1への想いを語る
    ロングインタビューが掲載されます。

    特製クリアファイルは全3種類。
    1000冊ある『Number』の表紙から、
    「野球」「サッカー」「女性アスリート」の
    3つのテーマでわけたクリアファイルを
    このイベントのために作りました。
    これまでに『Number』の
    表紙を飾ったアスリートたちの
    生き生きとした表情が並びます。
    3つとも、A4サイズの紙がちょうど収まる
    220mm×310mmの大きさです。

    *販売は終了しました。