スポーツ総合雑誌『Number』の
創刊40周年・1000号を記念して、
アスリートが躍動する表紙の展示や
トークライブの生中継を、
Web上でおこなうことにしました。
題して、「ほぼ日」オンラインミュージアム。
1980年から今に至るまで
あらゆるスポーツの瞬間を切り取りつづけ、
アスリートたちの知られざるドラマを
スポーツファンに届けてきた『Number』。
写真を見ただけで記憶が揺さぶられる
表紙の写真と編集部の声が並びます。
いま明かされる「表紙の物語」とは――。
※渋谷パルコ「ほぼ日曜日」での開催は
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため
残念ながら中止となりました。
>「ほぼ日曜日」のページはこちら
- 2002年の日韓ワールドカップを機に、
日本でのサッカー人気は絶対的なものに。
世界で活躍する日本人選手が増えました。
そして2004年のアテネオリンピックでは
金メダル16個、銀メダル9個、銅メダル12個、
計37個と過去最多のメダルを獲得しました。
その中心に水泳の北島康介選手と
女子マラソンの野口みずき選手がいました。
2006年トリノオリンピックで
日本代表唯一のメダリストになった
荒川静香選手の演技も記憶に残っています。
- 当時写真はアナログ(銀塩フィルム)から
デジタルへの移行期で、
すでに海外取材はデジタルで撮影したデータを
インターネットで送るのが当たり前になっていましたが、
日本と韓国で行われフィルムの
トラフィックと現像によるタイムロスが
許容範囲にとどまるこの大会、
『Number』は銀塩フィルムにこだわろうと決めました。
決勝は6月30日、横浜国際競技場。
最後の現像済みフィルムが届いたのは恐らく
日付が変わったあたりだったと思います。
締切りの関係でまずは
表紙と中吊広告の写真を選ばなければならない。
デザイナー2人と編集者が3人だったか4人だったか、
ライトテーブルいっぱいに広げた
ポジフィルムの中から選んだのは
私を含めてほぼ全員が同じカットでした。
フリーランスの赤木真二カメラマンが撮影した
ブラジルの国旗を頭上に掲げるロナウド選手の写真。
いかにも「『Number』らしい」写真です。
勿論大変力のある写真だし、
普通に考えればスタッフの意気が合っていることを
喜ぶべきなんでしょうが、実際には
「これ、ちょっとやばいんじゃない?」
と思ってしまった。
スタッフの判断基準が揃っているのは
正直仕事をスムーズに進めるには大変好都合なので
ついつい放置してきたけれど、時には
「『Number』らしい」「らしくない」という
基準から外れたことをやらないと
選択肢や可能性がどんどん狭くなるんじゃないか、
と考えるようになった出来事でした。 - 〈第8代編集長・阿部雄輔〉
- 2003年リーグ優勝を果たした星野阪神の、
夏までの快進撃をまとめた特集。
ところがこの年は、
球団関係者のスキャンダルを
某週刊誌がスクープしたため、
同じ会社の刊行物である『Number』は
なんと出禁を食らってしまっていた。
甲子園球場で写真が撮れない。
よい表紙をどう作ったらいいか‥‥。
そこで、球場に入れないなら、
上から撮っちゃおう! ということで、
試合開催中の甲子園上空にヘリを飛ばし、
この頃から名物となっていた
7回のジェット風船が乱れ飛ぶシーンを撮影した。
斬新な表紙がインパクトを与えたのか、この号は完売。
編集者としては怪我の功名といえるが、
限られた条件の中で何ができるかを考えることが、
ものづくりの原点だな、
と、この表紙を見るたびに思う。 - 〈編集者・瀬尾泰信〉
- 欧文のみのデザインが
ビシッと決まった表紙で印象的だったが、
実は新しかったのは
その写真セレクトだったと思う。
当時の『Number』の表紙といえば、
プレー写真かポートレートが定番だったが、
そのどちらでもない記者会見中の写真を
表紙にできたのは新鮮だった。 - 〈アートディレクター・番 洋樹〉
- 北島康介はもがいていた。
2003年、ふたつの世界新記録を樹立して
世界選手権を優勝。
「アテネで金を」。
期待は高まるばかりだったが、
今年に入ってからは不調が続く――。
背後に迫るライバルの影。
そんな中でようやく見えてきた光。
周囲の焦燥の中、
北島は何を思っていたのだろうか。 - 〈記事より〉
- オリンピックの聖地、
パナシナイコ・スタジアム。
マラトンの丘を越えて、
そこに辿りついたのは82人中、
66名しかいなかった過酷なレース。
野口みずきに金メダルをもたらしたのは、
25km過ぎの命をかけたスパートだった。
前年のパリの世界選手権で
銀メダルを獲得した翌日、野口はこう語っていた。
「アテネの本番では
シドニーの高橋尚子さんみたいに
大歓声をひとり占めしたい」
それから1年後、彼女の夢は叶えられた。 - 〈記事より〉
- アートディレクターと担当者が名古屋まで出張。
早朝のスケートリンクを貸し切り、
制服姿で現れた安藤氏をリンクに上げ、
スケートシューズと制服という
ありえないいで立ちで撮った表紙でした。
発売すると、すぐ完売。
異常な売れ行きを記録しました。
学校はもとより、スケート協会からも呼び出され
大目玉を食らいましたが、
すべては覚悟の上の決断でした。
あまりの評判にライバルメディアからの取材も入り、
評判が評判を呼びました。
『Number』らしくない表紙でした。 - 〈第9代編集長・鈴井伸夫〉
- グラスゴー、セルティック・パーク。
創立117年を迎えた古豪の「聖地」。
まるでフットボールの
エッセンスそのもののような美しい芝生の上で、
彼は慎重に、次なる一歩を踏み出し、
気がつくと万雷の拍手を浴びていた。
今、このタイミングでなぜ、
中村俊輔はかの地を
戦いの場に選んだのだろうか。 - 〈記事より〉
- 彼女はひとり落ち着いていた。
自分のスケートだけを信じて。
冷酷な女王が愛に目覚めるという
“運命の曲”に乗って、
イナ・バウアーから
コンビネーションジャンプが決まる。
スタンディングオベーションに包まれる
完璧なフィナーレ‥‥。
荒川静香、24歳。
表彰台の中央で、新女王が微笑んだ。 - 〈記事より〉
(つづきます)
2020-07-28-TUE
-
8月19日(水)20:00から
中村亮土×真壁伸弥×生島淳×糸井重里
ラグビートークを生中継!
「ラグビー日本代表が語る、
必然で掴んだ大金星。」日本中が熱狂した、
ラグビーワールドカップ2019から1年。
ほぼ日も「にわかファン」として
おおいにたのしませてもらいました。
「Number1000」のトークイベントとして
4月に開催を予定していたラグビートークを
オンライン配信することにしました。
ラグビーワールドカップ2015に出場した
元日本代表の真壁伸弥さんと、
『Number』で数々の文章を書いている
スポーツライターの生島淳さん、
にわかラグビーファンの糸井重里はそのまま。
そして、あらたにスペシャルゲストとして
ラグビーワールドカップ2019に出場した
日本代表の
中村亮土選手(サントリーサンゴリアス)
にも登場いただけることになりました。
生中継を見るためのチケットは
1,100円(税込)、
7月28日(火)午前11時から
販売をはじめます。 -
『Number』1000号と、
特製クリアファイルをセットで販売中!「Number1000」のイベントのために制作した
限定グッズの特製クリアファイルを
『Number』1000号と
セットで販売しています。
人差し指を立てたイチローさんの
表紙が印象的な『Number1000』では、
創刊1000号記念特集として
「ナンバー1の条件」をテーマに、
イチローさんがナンバー1への想いを語る
ロングインタビューが掲載されます。特製クリアファイルは全3種類。
1000冊ある『Number』の表紙から、
「野球」「サッカー」「女性アスリート」の
3つのテーマでわけたクリアファイルを
このイベントのために作りました。
これまでに『Number』の
表紙を飾ったアスリートたちの
生き生きとした表情が並びます。
3つとも、A4サイズの紙がちょうど収まる
220mm×310mmの大きさです。*販売は終了しました。