スポーツ総合雑誌『Number』の
創刊40周年・1000号を記念して、
アスリートが躍動する表紙の展示や
トークライブの生中継を、
Web上でおこなうことにしました。
題して、「ほぼ日」オンラインミュージアム。
1980年から今に至るまで
あらゆるスポーツの瞬間を切り取りつづけ、
アスリートたちの知られざるドラマを
スポーツファンに届けてきた『Number』。
写真を見ただけで記憶が揺さぶられる
表紙の写真と編集部の声が並びます。
いま明かされる「表紙の物語」とは――。
※渋谷パルコ「ほぼ日曜日」での開催は
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため
残念ながら中止となりました。
>「ほぼ日曜日」のページはこちら
- 2014年のソチ五輪金メダルから
絶大的な人気となった羽生結弦選手。
2015年のプロレスブーム再燃による
「プロレス総選挙」で1位の棚橋弘至選手。
50歳を超えてなお現役のレジェンド、
「キングカズ」三浦知良選手。
競技を代表するスターの活躍が
スポーツファンの心をつかんだだけでなく、
新しいファン層を増やしていきました。
- 新日本プロレスの人気再沸騰を受け、
『Number』でも久々に
プロレス特集にチャレンジすることに。
プロレスフリークである『Number』OBの
ノンフィクションライター柳澤健さんと
タレントのプチ鹿島さんに
ブレインとして協力を要請し、
まずは「作戦会議」という名の飲み会を開くことに。
「『Number』が久々に
プロレス特集をやるからには、
何か今のプロレスファンの熱が
反映できるような企画を‥‥」
と話し合っていたところ、プチ鹿島さんから
「新日本プロレス総選挙をやってはどうか。
一位になったレスラーが
表紙を飾るということにして」
という提案が。話はさらに盛り上がり
「投票は誰でも自由」
「ベスト10に入った選手は必ず特集記事をつくる」
等々、その場でどんどん総選挙の
レギュレーションが固まっていきました。
同時に私の中では
「新日本プロレス ナンバーワン宣言」という、
「新日本プロレスがプロレス人気を復活させた!」
という意味と
「表紙を飾る選手が総選挙の1位に選ばれた!」
ことを発表するダブルミーニングのタイトルが浮かび、
これはいける! という思いが沸いてきました。
ただ、話し合っているうちに、
組織票によって結果が左右される恐れ、
つまり表紙の人選を他人に委ねる恐怖を
突然感じたんですね。
ただ、そんな私に対してプチ鹿島さんが
「プロレスファンにとっては
『Number』が久々にプロレス特集をやるのは
本当にうれしくて誇らしいこと。
自分の大切なものを自ら汚すような投票結果には
絶対にならない。大丈夫です」
と断言してくれまして。
「だったらやりましょう!」ということで、
交渉の末に新日本プロレスの
全面協力も取り付けて実施してみた結果は、
1位棚橋、2位中邑……。
たしかにプチさんが言った通り、
大変フェアな投票結果になりました。
プロレスファンの誠実さに感謝、
表紙用に身体をビルドアップしてくれた
棚橋選手にも心から感謝した表紙です。 - 〈第12代編集長・松井一晃〉
- 羽生選手の登場によって、
ソチ五輪前の2013年から写真をメインにした
カバー付き大判のフィギュアスケートムックを
制作するようになったのですが、
どうやって読者を楽しませるか
試行錯誤の末にたどりついたのが、
表紙のカバーを両面印刷にすること。
羽生選手のアップの表紙カバーを外すと、
裏面に羽生ファンの間で伝説の写真
「落ち葉ゆづ」と呼ばれている
カナダの落ち葉の中で横たわっている
羽生選手の写真が現れる仕掛け。
取り外せばポスターにもなる仕様。
我ながらよく思いついたと思う。 - 〈第12代編集長・松井一晃〉
- 写真部で同じセットを組み、
テスト撮影をしてポーズを検討し臨みました。
カメラマンの榎本麻美さんは羽生選手の撮影で
一緒に仕事することが多く、
プレー中の写真も撮っています。
羽生選手のプレー中のカットの表紙も
これまで作ってきましたが、
動きが大きく、体の線も美しく見せる
フィギュアスケートの写真は
選んでいても本当に楽しいです。
直前までスケジュール的に撮れるか
微妙だったのですが、
この写真が電送されてきて興奮しました。
氷上の白にいる力強い羽生さんも素敵ですが、
黒バックでこちらを見ている
羽生さんもとても良くないですか? - 〈アートディレクター・中川真吾〉
- ファイナリストも9秒台もいない――。
そんなチームが米国に競り勝ち、
世界で2着に入った。
強い信頼感で結ばれた4人の
"攻めのバトンワーク”は、
頂点を狙う日本短距離界に
大きな一歩をもたらした。 - 〈記事より〉
- カズさんが50歳を迎える直前に出した特集。
1月にグアムの自主トレ、
鹿児島~宮崎のチームキャンプ中と
二度の機会に撮影を行った。
グアムには度々『Number』で
カズさんを撮影してもらっている
関めぐみさんに行ってもらった。
私もカズさんとは長い付き合いだが、
関さんがいれば百人力。
カズさんのTシャツ姿での自然体のポートレートを
いくつかおさえることができた。
数日後、鹿児島~宮崎での撮影には、
関さんのほかに、これまたカズさんとは
ブラジル時代からの付き合いとなる
近藤篤カメラマンを投入。
近藤さんはスポーツシーンから
ポートレートまでを撮れるベテラン。
宮崎で行われたプレシーズンマッチの会場で
私は近藤さんと合流した。
近藤さんはこの日この時間に照準を合わせていた。
前日、練習場にカズさんを訪ねたらしいが、
あえて言葉は交わさずに
あいさつ程度で済ませてきたと言う。
今日この日にカズさんと新鮮味を持って対峙する、
その舞台を自ら作っていた。
試合前のアップから様々な角度で
カズさんを撮影する近藤さん。
試合が始まる。カズさんはスタメン。
ハーフタイムでロッカールームにあがるところで、
近藤さんはカズさんに接近。
キングは足を止め、近藤さんのカメラに顔を向けた。
真冬の中45分間走り続けた
カズさんのホカホカの顔が写真におさめられた。
ゲームの途中で選手が足を止めて
写真を撮らせてくれるなんてことは普通ない。
これも近藤さんだからこそ撮れた写真だ。
表紙は、グアムで撮った柔らかい表情のカズさんか、
戦いの最中のカズさんか‥‥。
実は特集のタイトルもまだ決まっていなかった。
カズさんにそれを伝えると、
「まだ、やるよ。でいいんじゃない」と一言。
数年前に出した新書のタイトル『やめないよ』から
つながる本人のメッセージだ。
もちろん、それはいただき!
となれば、表紙は迷うことなく、
ホカホカのキングで決まりだった。 - 〈編集者・藤森三奈〉
- 日本シリーズの特集は
打ち合わせをして臨みますが、
試合の進行によって
記事の順番やページの増減も刻々と変わり、
試合のように誌面が構成されます。
アウトの判定が覆ったクロスプレーの写真は、
土埃の立ち方、双チームの構図など迫力があり、
シリーズの象徴として表紙でも使われました。
プレー写真の王道と、
ひと呼吸置いた前述のようなカットが
共にあるのがスポーツ写真雑誌の私の理想です。 - 〈アートディレクター・中川真吾〉
(つづきます)
2020-07-31-FRI
-
8月19日(水)20:00から
中村亮土×真壁伸弥×生島淳×糸井重里
ラグビートークを生中継!
「ラグビー日本代表が語る、
必然で掴んだ大金星。」日本中が熱狂した、
ラグビーワールドカップ2019から1年。
ほぼ日も「にわかファン」として
おおいにたのしませてもらいました。
「Number1000」のトークイベントとして
4月に開催を予定していたラグビートークを
オンライン配信することにしました。
ラグビーワールドカップ2015に出場した
元日本代表の真壁伸弥さんと、
『Number』で数々の文章を書いている
スポーツライターの生島淳さん、
にわかラグビーファンの糸井重里はそのまま。
そして、あらたにスペシャルゲストとして
ラグビーワールドカップ2019に出場した
日本代表の
中村亮土選手(サントリーサンゴリアス)
にも登場いただけることになりました。
生中継を見るためのチケットは
1,100円(税込)、
7月28日(火)午前11時から
販売をはじめます。 -
『Number』1000号と、
特製クリアファイルをセットで販売中!「Number1000」のイベントのために制作した
限定グッズの特製クリアファイルを
『Number』1000号と
セットで販売しています。
人差し指を立てたイチローさんの
表紙が印象的な『Number1000』では、
創刊1000号記念特集として
「ナンバー1の条件」をテーマに、
イチローさんがナンバー1への想いを語る
ロングインタビューが掲載されます。特製クリアファイルは全3種類。
1000冊ある『Number』の表紙から、
「野球」「サッカー」「女性アスリート」の
3つのテーマでわけたクリアファイルを
このイベントのために作りました。
これまでに『Number』の
表紙を飾ったアスリートたちの
生き生きとした表情が並びます。
3つとも、A4サイズの紙がちょうど収まる
220mm×310mmの大きさです。*販売は終了しました。