- 石澤
- 逆に、ほぼ日という会社で
「こういう人だと辛いのでは」はありますか?
- 川上
- 指示待ちの人ですかね。
この会社、何も指示がないんですよ。
- 全員
- (笑)
- 石澤
- 全員にその実感があるという(笑)。
- 糸井
- これはね、わが社のね、伝統工芸なんです(笑)。
- 川上
- 私も在籍して2年と10カ月ですけど、
つくづくそう思います。
本当に何も指示がないですから。
- 石澤
- 人事としての経験から言うと
「指示待ちの人はだめ」って、
どこの会社でも必ず出る話なんです。
ですがほぼ日は、
とびぬけてそういう環境だと思いますね。
- 川上
- たぶん指示を待っているだけだと、
何もしないまま時間がすぎていく気がするんです。
何をするかをわきまえて、
自ら仕事を進めていかないといけないので。
だから、指示待ちの人は
ちょっと難しいかもしれないですね。
- 糸井
- それは上から下まで全部そうですね。
いまバリバリ活躍しているデザイナーの田口くんが、
入社すぐの頃にどうしていいか分からなくて、
毎日海に「バカヤロー」って
石を投げてたという話もあるんです(笑)。
ライターの奥野くんが今の奥野くんになったのも、
4~5年かかってますよ。
そういう状況を平気で見逃してたのも
どうかと思うんですけど。
でも、花咲くんですよね。
長い時間かかって、
球根から芽が出るみたいなところがあって。
- 川上
- 自分でもがきますからね。
そして自分で見つけた道は、
ちょっとやそっとじゃくじけないですから。
- 糸井
- そこなんでしょうね。
命令で動いてたら責任もないですけど、
自分で決めたことなら
責任感をもって動きますから。
- 川上
- 「言われてやりました」という人が
いないですね、この会社は。
そういう人が多いですよね。
- 糸井
- これだけ自分任せにさせてるのも、
変わった会社だと思いますよ。
「任せられすぎて怖い」と
言われたこともありますから。
でもぼくは「いずれそれが力を出すんだ」と
思っているところがあるんです。
まあ、将来的にはさすがに
もう少し形を整えたいですけど。
いまはちょっと、
「羽つきたい焼き」すぎるから(笑)。
- 石澤
- あと「自走力がある人がいい」
「自主性が求められる」とはいえ、
ひとりで勝手に突っ走るのはまた違いますよね。
- 川上
- もちろん違いますね。
- 石澤
- システム開発部門では、複数の人が連携して
何かを作ることもあるんですか?
- ベイ
- あります。
先日も2人で1つのプログラムを作ったんですけど、
そのときはほんとに両輪というか。
プログラムとしてはお互いに
別々の箇所を作るんだけれども、
連携が必要な箇所があったんです。
だから「こうしたら相手はこう思うな」とか
「ここちょっと戸惑うだろうな」みたいなことを、
お互いに先回りして予想しつつ、
相談しながら作っていいきました。 - そういうシステム部内での連携はいま、
けっこううまくいってると思いますね。
ぼくはここしばらく、意識的に
リモートワークにしているんですけど、
不自由は感じていないです。
毎日オンラインでの朝会があって、
顔を見合わせながら仕事をすすめているので、
そういったことが連携の良さに
つながっているとは感じます。
(つづきます)
2021-08-24-TUE